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紙の本
夢なんか叶わなくってもいいんだよ、逃げたっていいんだよ
2009/02/04 15:51
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
川を越え、野原を越えてずんずん山道をいくと、めしもりやまがあって、そのうらには、まねっこ木がそびえ立っている。まねっこ木の前に立つと、その木はいろんなものに姿を変える。ニンくんが立つと消防車に、あさがおの水やり係のクミちゃんが立つと大きなくるま付きのじょうろに、・・・。ところがコウタくんがまねっこ木の前に立つと、木は大蛇に…。
帯のキャッチコピーには「夢のコラボレーション」とあり、まさにその通り、絵も文も圧倒的な勢いで最後まで突き進む。だが、表面的にはいろいろ唐突に展開するのだ。まねっこ木は何を体現してくれてんの? なんでまねっこ木が変身したものにみんな姿が突然変わんの? なんでコウタはそのままなん? えーっ、おおぐちだににたどり着けたかどうか結論出てへんやん? ??? いくつもの疑問に取付かれて、行きつ戻りつ読み返す。何度も読み返す。・・・ 少しづつ、見えてくる。
説明不足か? 否。一から十まで懇切丁寧に説明する取り合扱い説明書みたいにヤボな仕掛けにはなっていないのだ。文字間、絵間?! に必要なものだけ詰め込んで、あとは読者の消化力にあわせて吸収・排泄。すぐれた作品って絵本に限らず、どんなふうに表現されたものでも、本来そういうものだけど、これも、そういう噛めば噛むほどの「するめ作品」である。
みんなそれなりになりたいものになってるのに、コウタはいつまでも小さいまんま。さらに自分の後始末をつけられないどころか、コウタの招いた災難に皆は振り回される。それでも皆はコウタを見捨てず、なんでものみ込むというおおぐちだに目指して逃げる。
にっちもさっちも八方塞がりでも、拾う神あり、周りに迷惑かけたおしてでも、なんとか、走り続ければ、走れなかったら誰かにおんぶにだっこでも、それでも、きっとおおぐちだにはあるのだと、おおぐちだにを目指せばよいのだと励まされる。
そして、こんな野暮な小理屈を捏ねなくても、この、圧倒的な勢いを楽しめば、それだけでよいのである。
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