紙の本
約束解消の意味
2021/11/22 23:35
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジューリアが父公爵が臨終の床で無意識に十字を切ったように見えた時、主人公との結婚の約束を「神を相手に、神と対抗できるほどの幸せを選ぶことができない」と解消してしまう、このへんのところは、カソリック教徒ではない私にはもう一つ納得のできなかったので、私なりに、この解消の意味を考えてみた。それはジューリアがカソリック教徒として生きてゆくという決意なのだろうか
紙の本
イギリスの作家、イーヴリン・ウォーの代表作で、青春時代のノスタルジアに酔いしれる、しかし現実との矛盾に苦しめられるという味わい深い作品です!
2020/05/03 09:23
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、イギリスの代表的な作家、イーヴリン・ウォーの代表作で、主人公で、物語の語り手であるライダーが、第二次大戦中に駐屯した貴族の大邸宅を後に思い出し、同時のそこの息子であった友人のセバスチアンと共に過ごした青春時代を回想します。実は、大戦後、イギリスでは社会が急速に変化し、貴族は没落し、セバスチアンも財産をすべて失い、酒浸りの日々を送っていました。そんな状況で二人は出合うのですが、お互いに別人のように変わり果てた姿に驚愕します。華麗な青春時代の一頁を思い出しながら、そのノスタルジックな味わいと、現実との矛盾の間に挟まれる主人公とその友人。ウォーの代表的な作品を今、この機会に読んでみませんか。
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ブライズヘッドという広大な邸宅、そこに住む人々――。華麗にして、精神的苦悩に満ちた回想録。
やはりなんといっても、主人公の友人・セバスチアンの人物造詣が魅力的であった。
貴族の次男であり、大変な美貌の持ち主、そして人を魅了せずにはいられない人柄。
そんな彼が、厳重なカトリックの家(この家がブライズヘッドである)にどんどん蝕まれていく様子が読者をひきつける。家族が彼に構えば構うほど、荒廃していくセバスチアン。ああ、なんと繊細でいて純粋な存在。しかも美しいと来た。彼がその生来の魅力ゆえに、家族の影響を受け流すことができずにいる様が、鮮やかに描かれている。
純粋なものがその純粋さゆえに傷つくのを描写するのは、ときにあざとくなりがちだと思うけれど、本書ではそれが必然的に描かれていて違和感がなかったと思う。
その友人の姿に傷つきながらも、どうすることもできずにいる主人公が、非常に冷静でこれまたよい。彼は後年画家になるのだが、その鬱屈しているとも取れる芸術への傾いだ態度が面白く、説得力があった。
全体的に文章は美しく感傷的なのだが、一方で皮肉っぽく、ときにそれは辛辣にも感じられた。しかし解説によると、この著者の著作ではこの本はむしろ異例で、他の本はもっと突き放した書かれ方だそうである。こ、怖いなぁ。この本でもかなり突き放してると思ったのに。
ちなみに、この本ではセバスチアンの家族をめぐって、かなり宗教的(ほぼカトリック)の話も展開されるが、素人にはそこらへんのニュアンスがさっぱりであった。
カトリックの人が読んだらどう思うのだろう。
下巻では話の展開がややまどろっこしく感じられるところもあったが(ジューリアのところ、私は少々長いと思った)、やはりセバスチアンの存在が大きくて、全体の話を上手く引き締めてくれていたと思った。
しかし私は、話の本文とは関係ないところでちょっと気に入らないところがあったのだ。それは、上巻に解説が載っていて、その解説内で下巻の内容がネタばれされていることである。
どうして下巻に解説をつけなかったのだろう・・・それがわからない。どうして全てを読んでしまう前に、読者の可能性を狭めるようなことをしたのだろう??
感想を書いてみるとたくさん褒めているのに、評価という点になるとあまりぱっとしない本があるが、これはどうもそれらしい。解説だけが不満の全てではないけれど、なぜか☆3つ。
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http://ameblo.jp/sweet--ballet/theme-10055733444.html
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上下巻で話が断絶した感がある。下巻の最後で上巻の最初の場面と繋がっている。スティーブン・キングが推薦しているのはイギリスを味あわせる小説である。
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最初は大学で知り合ったセバスチャンを通じてブライズヘッド家の人達と知古を得たチャールズだったが,セバスチャンが壊れてしまってからは,疎遠になる.思わぬ再開を果たしたジューリアとの間に恋が燃え上がるのだが,結局,心の底からわかり合うことが出来ずに別れることになる.
途中まではモームの小説のようであったが,最後の最後で不幸な結果となる.結局,ブライズヘッド家の人達は皆,カトリック信仰のために不幸になったように思える.
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これの上巻も含めて何冊か自分が読んだウォーの本の中で、一番文章が心に響いた。英国貴族の没落を描いてアメリカでウケたという内容(ヒイ)。テーマはカソリックにこだわって自分の幸せを見出だせない愚かな生き方なのだろうか。メンツって大事だけど「なんのためのだ?」と気付いちゃうと全てが崩壊する。下巻で全く出てこないセバスチャンのように酒浸りになる。その行為こそが神に近付くことだそうで。まあ働かなくても生きてけるならそれも良し。
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セバスチアンはなにに苦しんでいたのか。
戦争が人の運命をどう変えたのか。
ジューリアがねぇ。
お父さまはの中国の間。
ひととひとか分かり合えるってことは
あるよだろうか。
信仰とはなにか。
カトリックとプロテスタントの違い
雑婚。
結婚は人に幸せをもたらすか
信仰がある人とない人との隔たり
レックスとベリルの嫌悪を感じずにはいられない描き方。
うーん。
古き良き時代を懐かしむ長い長い回想。