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斎藤孝推薦本。
理科の教科書や受験で耳にタコができるほど聞かされる、素晴らしい発見をした科学者の数々。
しかし彼らの著書にまで目を通した人は、何人ぐらいいるのだろう。取っつきにくそうな彼らの著書を、分かりやすく、そしてエッセンスを解説してくれた一冊である。
なるほど、と読んでいる内に1章に登場したダーウィンと13章に登場するライエルが結びついたことに感動した。
科学者というのは個々で生きているように見えるが、横のつながりがあることも、この本では示してくれた。
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ダーウィン/種の起源
自然選択説: 周囲の環境に適したものが相対的に多く残り、全体の配置が変化したように見える。
適者生存: 与えられた環境に適した生物は保存され、不利な生物は消えてゆく。
ファーブル/昆虫記
ファーブルの名は、実は本国ではあまり知られていない。
メンデル/ 雑種植物の研究
優性と劣性とは、内容の優劣ではなく、形質が現れるか、抑制されて現れないか、といこと。
20世紀に半ばになって、遺伝子を運ぶのものの正体がDNAであることや、遺伝の情報伝達メカニズムがDNAのもつ二重らせん構造によることが明らかになった。
ワトソン/ 二重らせん構造
ユクスキュル/ 生物から見た世界
環世界: 客観的な視点から環境をとらえるのではなく、生物が自分を中心として意味を与えたものが本来の環境である。動物を取り巻く時間や空間は、動物によってすべて違う。
地球環境問題は、人類の環世界が作り出した問題に他ならない。
パブロフ/ 大脳半球の働きについて
犬の消化腺機能の研究。条件反射、学習、消去、回復。連続強化、部分強化。部分強化の方が、連続強化よりも消去されにくい。
カーソン/ 沈黙の春
食物連鎖の頂点にいる人間に取り込まれた残留農薬は、いずれ人間の健康を蝕んでいく。
ガリレイ/ 星界の報告
木星の衛星を発見した。地動説を支持する内容は、宗教裁判にかけられた。カトリックローマ教会は、天動説以外認めていなかった。
ニュートン/ プリンキピア
アインシュタイン/ 相対性理論
ニュートンは、時間と空間は全く別の独立不変のものだと考えていた。アインシュタインは、これを否定。時間は伸び縮みするし、空間はゆがんでいる。時間と空間の両方を合わせた時空という概念を立てた。時間と空間が絶対的なものではなく、互いに相互関係にある、つまり絶対の反対であるため、相対性理論なのである。
光速に近い速さで運動する物体の中では、時計の進み方や物体の長さが変化する。
エネルギーは、重さに光の速さの二乗をかけたもの。
クリエイティビティの高い仕事をする時に大切なのは、頭を疲れさせないこと。つまらないことで、頭を疲弊させてはいけない。ビュリダンのろば。
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かなり読みやすかった。
名前だけ知っていた科学者や理論、こういうことだったのかと思えた。知らないことって恥ずかしい。
これまで読んだことのない分野で自分の世界が広がる感覚を味わえた。
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理系の書籍の中で古典とされるものを14冊取り上げ、どんなことが書いてあるか、書いたのはどんな人か、どんな影響を与えたか、などを簡単にまとめている。
取り上げられた本は、ダーウィン『種の起源』、ファーブル『昆虫記』、メンデル『雑種植物の研究』、ワトソン『二重らせん』、ユクスキュル『生物から見た世界』、パヴロフ『大脳半球の働きについて──条件反射学』、カーソン『沈黙の春』、ガリレイ『星界の報告』、ニュートン『プリンキピア』、アインシュタイン『相対性理論』、ハッブル『銀河の世界』、プリニウス『博物誌』、ライエル『地質学原理』、ウェゲナー『大陸と海洋の起源』。
私はどれもちゃんと読んだことがありませんので、この本の解説が正しいかどうか評価できませんが、いくつかの本については読んでみたいと思いましたので、いずれ挑戦しようと思います。
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ダーウィン『種の起源』やレイチェル・カーソン『沈黙の春』、アインシュタイン『相対性理論』など、自然科学分野の礎を彩った14の作品が挙げられています。
「著者の生い立ち」から始まり、「本書の概要」「その後の世界への影響」「著者や著書に関するエピソード」「著者の教訓」さらに「本文紹介(一部)」、さらにさらに「本書が関連する現代の本」まで、概要としてはなんとも丁寧なまとめです。
読んでいる最中に“日本へヒアリ初上陸か”というニュースを聞き、ヒアリ(火蟻)に触れているレイチェル・カーソンの『沈黙の春』が再注目されていると耳にしました。この本を読む良いタイミングだったように思います。
理系出身の方にとっては周知の情報かもしれません。しかし著者の名前とタイトル程度しか把握しておらず、原作に手を伸ばすのは少々敷居が高いなぁと思っていた生粋の文系育ちの私にとっては有難い一冊でした。本書で知ったふりをするのではなく、ちゃんと原作にも手を伸ばしたいと思います。
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社会に影響を与えた科学者を何人も取り上げて次々と紹介している。個々の内容はそこまで踏み込んだものではなく、ここから更に読書を進めていくための道標が示されているような感じ。個人的には少し物足りなかったかな。
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サイエンスっぽくなるための、お手軽なブックガイド。
ここから原典を当たるもよし、中で紹介されている現代の書籍に当たるもよし。そういう意味でもよくまとまっている。
残念なのは、ここに挙げられている本は名著なのだろうが、その選定基準がよくわからないこと。
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(目次)
はじめに
第1章 生命の世界
ダーウィン『種の起源』
ファーブル『昆虫記』
メンデル『雑種植物の研究』
ワトソン『二重らせん』
第2章 環境と人間の世界
ユクスキュル『生物から見た世界』
パヴロフ『大脳半球の働きについてー条件反射学』
カーソン『沈黙の春』
第3章 物理の世界
ガリレイ『星界の報告』
ニュートン『プリンキピア』
アインシュタイン『相対性理論』
ハッブル『銀河の世界』
第4章 地球の世界
プリニウス『博物誌』
ライエル『地質学原理』
ウェゲナー『大陸と海洋の起源』
あとがき
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生物学、物理学、地学の分野から14人の科学者とその著書を紹介。それぞれの著者について、その人となり、著書の概要、その後の世界、エピソード、教訓を紹介する形で構成されており、読みやすかった。紹介の分量も少なすぎず、多すぎず、ちょうどいい。
科学者の原著を読むことなどほとんどないし、その後の研究の展開を追っており、読み物としてもわかりやすく書かれている。
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ダーウィン「種の起源」
ファーブル「昆虫記」
メンデル「雑種植物の研究」
ワトソン「二重らせん」
ユクスキュル「生物から見た世界」
パヴロフ「大脳半球の働きについて」
カーソン「沈黙の春」
ガリレイ「星界の報告」
ニュートン「プリンキピア」
アインシュタイン「相対性理論」
ハッブル「銀河の世界」
プリニウス「博物誌」
ライエル「地質学原理」
ウェゲナー「大陸と海洋の起源」
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理系科学者の名著とともに、科学者達の数々のドラマを知ることが出来る。コンパクトながら素晴らしい本です。
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ほんわりとは知っているけれどよく知らない、理系の名著の概要を一気に知ることができる。空想を科学にしていくための人々の熱情がびしばし伝わってくる作者の書き味が素敵。
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文系だが、最低限の理系の知識もほしいなと思い読んだ。
非常にわかりやすく、本の内容だけでなく著者の生い立ちやエピソード、その発見がどのように世界に影響したのかなども交えていて、文系寄りの本である。
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名著そのものの解説もあるが、ファーブルがどんな人だったかなど、人物像や時代背景などの解説も詳しく、本の中身を知るというより、文系の人が広く知識を得るにはお勧め。
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齋藤孝『読書の技術』でおすすめされていたため手に取った。
理系について全く知識がない自分だったが、楽しく読むことができた。理系についての最低限の知識を得ることができると思う。
特にニュートンの万有引力について。
①月は直進をしたいが、地球の引力によって引き寄せられ、また離れという動きを繰り返しながら、地球との距離感を保っている。
②太陽系の新たな惑星の発見にも貢献している。ニュートンが生きていた時代には第六の惑星しか確認されていなかったが、ニュートンの死後天王星が発見される。しかしニュートン力学に当てはまらない動きをするため、さらに調査を進めると、天王星の外側に海王星が発見された。
ちょっとした小話として持っておくと、コミュニケーションが捗る場面もありそうかな。
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私大文系の僕からは一番距離の遠い本かもしれませんσ^_^;
ただ読んでみて知りたかったことが書かれてるなあと思いました。
「思いつきをサイエンスにするための大切な仮説と実証」
サイエンスは仕事とも言い換えることができます。
仕事も思いつきだけでは前に進みません。
仮説と実証を繰り返して初めて実現に至ります。
昔の偉人も多くの苦労をされたんやなあと思います。
「新しいサイエンスを生み出すと言う本来の仕事の他に社会の圧力に対抗して新たな考え方を世に出さなければならなかった」
単に科学の証明だけでなく非科学とも戦わなくてはいけなかった先人。
ダーウィンの進化論を上げるまでもなく教会との対立はいかばかりやったかと思います。
大きなことをしようと思ったら軋轢に負けず仮説と実証を繰り返すしかないんやなと思います。