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紙の本
今でも探せば見つかる良きガイドブック
2019/03/23 18:36
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:類太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
旧課程の高校数学を前提としているため, 行列についての知識は「数学ガールの秘密ノート 行列が描くもの」などで補う必要はあるが, 高校数学からの無理のない説明で, 大学初年級の数学が具体的にどのようなものか, 時には例を挙げ, 時には考えの本質を示し, 同時に大学初年級の数学で何ができるか何がわかるかについてわかりやすく説明している. あまり注目されることのない本書だが, 数学で使われる言葉づかい・文字・記号・各分野のつながりを明らかにし, 線型代数・微分積分・微分方程式・集合と論理・複素平面と二次曲線・複素関数・確率と統計・ベクトル解析の初歩に横たわる重要な発想をていねいに述べている.
特に良かったのは, 多変数関数の微分積分がわかりやすいだけではなく理論的本質を捉えていることには感動した. 偏微分と重積分の意味が単にわかりやすいだけではなく幾何学的背景にある物を大切にしており, 中でも多変数関数の極値問題についてよくあるヘッシアンを使わず3変数以上の場合にも同様に適用しうる線型代数的事実に基づいているのは, 線型代数とのつながりがよくわかり大変良いであろう. 微分方程式の章では化学や物理学とのつながりもわかる. 集合と論理の章ではベン図で捉えきれない集合の姿を例示し, 複素平面と二次曲線の章では殆んどの命題に容易に理解できる証明が付けられており, 複素解析の章では自然数のiと虚数単位のiの区別がいる難点はあるが, ベクトル解析の章では流体力学的発想でベクトル場の線積分や面積分を実体的に導入している.
参考文献にも良き本が多く挙げられているので, 大学1・2年ではどんな数学を学ぶのか概要を掴むには最適である. 1冊だけ専門書として「新訂版 数理解析学概論」とガイドブックとして本書があれば, 入門書を適当に付け足すだけで長く深い数学にも付き合えていけるであろう.
私も大学数学を学び始めて間もない頃に読んで力になった.
紙の本
読むべき
2023/06/29 08:56
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投稿者:イ! - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルにもあるように,学部1,2年で学ぶ数学に関する事柄が書かれている.体系的にまとまっており読みやすい.
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