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プロレスに熱中した時代がある。時は全日、新日、国際の三団体鼎立の頃。プロレスが真剣勝負だと思うほどウブではなかったが猪木の唱える“プロレス最強論”には惹かれるものがあった。二十戦ほど闘われた格闘技世界一決定戦だけは真実だと信じたかったが猪木が生涯行ったリアルファイトは1976年に偶発的に発生した3試合だけだったらしい。あんなに可憐に見えた初恋の人の素顔を克明に描き出すような執拗な筆先。私は積年の謎が解けてすっきりしたが、只今プロレス恋愛中の人には勧められない。今宵YouTubeで夢の中へ1.2.3.ダ―!
『~私のこの素晴らしい肉体を作り上げたのはオランダのエダムチーズだ。猪木も私の様な肉体の持ち主になりたいだろう?~』『~長崎の出島で日本とオランダは貿易した歴史がある。~しかしルスカはひとつだけ間違っていることがある。~日本にはチーズ以上の素晴らしい食品がある。それは納豆だ』^^2013年03月10日
登場人物はほぼ全員、テレビ、週刊誌、マンガ雑誌などで見たり読んだりしたことがある。前提条件はバッチリ!楽しい読書になる予感がするが、はてさてどうなることやら。^^;2013年03月07日
『牙―江夏豊とその時代』を読了。江夏が小学生時代のヒーローなら、中学時代に熱狂したのがアントニオ猪木であった。「お元気ですか?」と闘魂注入ビンタのコミカルな猪木ではなく燃える闘魂時代の猪木である。そんな猪木が史上最強の夢を追い求めた奇跡の一年のレポートだと思う?掘り出し物の予感! 2013年02月28日
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いや、すごい本だ。
1976年に行われた猪木の4つの試合。
ウィリエム・ルスカ戦、モハメド・アリ戦、パク・ソンナン戦、アクラム・ペールワン戦。
この本は、その4つの試合をもとに、日本のプロレス界、格闘技界とアントニオ猪木という男の歴史を綴ったものだ。
そもそもプロレスの試合について調べるというのは難しい。
プロレスがボクシングのような意味での真剣勝負の競技ではないからだ。
そして、それをプロレスラー自体は認めない。
その上、上記4つの試合のうち3つはリアルファイトであったと言う。
つまり、プロレスがリアルファイトでないことを相手に認めさせ、その上でタブーであるリアルファイトが行われた事情を調べねばならないのだ。
あー、ややこしい!
それを作者は丹念な調査で調べあげた。
膨大な資料と証言にはこれが真実であるとの説得力が十分にある。
文章は簡潔で、わかりやすく、大変読みやすい。
素晴らしいルポだ。
「プロレスは世界最強の格闘技である」アントニオ猪木がかけた魔法。
本書を読んで、この魔法が本当の意味で解けたのはK-1とPRIDEの崩壊を待たねばならなかったことに改めて気づいた。
アントニオ猪木という男は天才レスラーであり、かつ天才的な魔法使いだったのだな・・・。
本人はおそらくそこまで自覚していなかっただろうけど。
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アントニオ猪木から感じる劇物的存在感はいったいなんなのか。
1976年に起こった4つの事件を追いかけた。ノンフィクションです。
有名なのは世紀の凡戦モハメド・アリ戦ですが、
ウィリアム・ルスカ戦、パク・ソンナン戦の章も面白い!
オランダ柔術界二人のメダリストの因縁は引き込まれますし、日本も韓国もプロレスは近代化・経済発展と共に歴史を歩んできた背景が勉強になります。昭和興行の裏歴史として楽しめるんですが、主人公の猪木はそれぞれのドラマの最後に出てきて、気持ちのいいくらいすべてを台無しにして幕を引きます。痛快。
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5年ぶりの再読。プロレスをしようと来日したアリに,リアル・ファイトを仕掛け,重傷を負わせる。韓国やパキスタンでは,相手の目に指を入れたり,腕をへし折ったりする。猪木の戦った3試合のリアル・ファイトとルスカ戦について詳述。アントニオ猪木,恐るべし。
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2007年に発売された単行本に大幅加筆。
そして、Number誌上で実現したアントニオ猪木へのインタビュー
が収録され、無事に「完本」となった名作を、改めて読んでみた。
単行本に関しては既に10回以上積読を重ねているのだが、この文庫版は
まるで違う作品のような印象。特に加筆されたパク・ソンナン編での
韓国プロレス界に関する記述は実に興味深く、無情にも猪木にセメント
を仕掛けられ、なすすべも無かった韓国の巨人の苦悩が伝わる。
このエピソードは、G SPIRITSに掲載された小泉悦次氏の「キンタロー・
オオキのアメリカ武者修行」と合わせて読むことをオススメしときます。
そして、読後の率直な感想は、「やっぱりアントニオ猪木は凄い」の一言。
特にここで採り上げられたリアルファイトの3試合は、プロレスどころか
格闘技の範疇にも入らない、異様なファイト。僕にこんな世界を魅せてく
れた選手は、今のところアントニオ猪木唯一人しか存在しない。だから、
僕の中では猪木は特別というルールが、いとも簡単に適用されてしまうのだ。
やはり柳澤健作品、ここで全て読むべき。
次は、「東洋の巨人」の出番である。これは後ほど。
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ルスカ、アリ編を読了。
知らないことばかりで読み応えタップリ。
ドールマン、エリオ・グレイシーが関わってくるあたりは格闘技好きにも興味深い。
パク・ソンナン編、読了。
韓国プロレス史が実に分かりやすい。
二代目力道山(金一)と猪木の影響。
アクラム・ペールワン戦、読了。
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[夢を見せた、馬鹿な男]日本のプロレス、そして格闘技のあり方を変えてしまうほどのインパクトを持ったアントニオ猪木と、彼が1976年に戦った「異常な」4試合にスポットライトを当てた作品。その道に詳しくない読者をも唸らせ、ノンフィクションの分野で今なお高く評価されている一冊でもあります。著者は、プロレスに関するノンフィクションを多数世に送り出している柳澤健。
まだ2016年も半分を過ぎていませんが、面白さに関して言えば間違いなく今年のトップ10に入ってくるであろうレベル。ルスカやアリとの試合の描写が素晴らしいのはもちろんですが、それを取り巻く力関係や人間模様、そして何より物語の語り部としてのアントニオ猪木の「狡智さ」に舌を巻きました。(私もそうでしたが)アントニオ猪木に対して「ダーッ!!」と「デイッ!!」のイメージしかない人にこそぜひオススメです。
〜猪木にとって、1976年に戦った4試合のことなどどうでもよかった。猪木はリアルファイトが好きだった訳でもなく、プロレスを超える総合格闘技を指向した訳でもなかった。にもかかわらず、ルスカ戦から始まった異種格闘技戦、アリ戦から続く3試合のリアルファイトは、確かに日本のプロレスを変えたのだ。〜
大学院も終わりに近づき、ようやくこういった課目関係外の面白い本も読めるようになってきました☆5つ
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久しぶりに図書館で本を借りる。
これからもお世話になります。
猪木、天才エンターテイナーやったな。
学ぶところは色々あるや。
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柳澤氏の本は、「クラッシュギャルズ」「馬場さん」に続いて3冊目だが、やはり面白い。
自分が自分がという姿勢がどうしても好きになれず、子どもの頃から猪木ファンではなかったが、これを読んで、対ビル・ロビンソン戦や、対アリ戦を見ると、とても凄い試合をしていたんだな、と思った。
私が見ていた80年代の対国際軍団の頃はすでに全盛期を過ぎていて、あんな酷い仕打ちをしてどうにか自分を輝かせていたということだったんだろう。
70年代の猪木は本当に凄かったんだな、と思わされた一冊だった。
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プロレスにおいても正しい歴史というものが存在するってことですね。もちろん、この本の内容についてもなお、全面的に信用できるかどうかは別のことですが。
これまでに、元レフェリーとか関係者とかが発表していた異種格闘技戦について、別の視点から調査し、再構築した一冊です。
これまでの同種の出版物と比べれば、まだ、現実的で信用できる気もしますが、幾分、猪木を美化しているところが見え隠れしているのが気になったりします。
いつかは、本人がちゃんと本当のことを話してくれないかなぁというのは、きっと過度な期待なんでしょうね。(^^;
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一時代を築いた男の栄光と凋落、その後に残した波紋の大きさ。
これを踏まえると、今の新日本プロレスの在り方の意味が解ってくる。
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プロレスって、いろーんな要素があふれまくっていて楽しい。
ぼくは猪木信者ではありませんが、1976年の猪木がいたから、日本のプロレスは生き残っているんだという主張は、そのとおりだと思いました。
【2021年4月5日読了】
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昨日、猪木が死んだ。
出先で確認し、なに事も無い風に土曜日を楽しみ、帰宅した。
大量に所有しているが整理の悪い猪木本を漁りながら読みながら探したが、どうにも見つからず、電子版で完本と銘打たれた本書を買い直す。
読みながら眠り、目覚めては読み、読了した朝。
猪木の去った世界にも、朝はくるらしい。
私達の知るアントニオ猪木の伝説が、一挙に成された驚異の1976年を切り取った本書は、辛辣で手厳しいところも多いノンフィクションですが、隠しようの無い猪木へのリスペクトに満々ている。
だれもが一度は夢想するが、どうにも証明のしようが無い、そんな地上最強の幻想を、たとえ一瞬であっても現とせしめた偉大な男に魅了されたのは、誰よりも筆者なのでしょう。
私達を置いて逝った、燃える闘魂の栄光と残照とを、よく映す傑作と信じる、そんな一冊なのです。
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年末の格闘技すら見ない私が読んでもめちゃくちゃ面白かったです。
長年ずっと思ってはいたけど、曖昧なままにしていた疑問が解けてスッキリもしました。
アントニオ猪木氏の思惑と、4つの試合の対戦相手たちの思惑とが入り混じりながら話が進んでいくのでどの試合も読み応えがありました。
この本に興味を持たせてくれた、とある図書だよりに紹介文を寄稿してくれた「ジャスティス・エンドー」氏に感謝です。
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まずプロレスは勝敗の決まったショーだとはっきりと言ってのける作者の冷静な視点が良い。
プロレスについて語る人って、プロレスをリアルであるかのように語る人ばかりで、興味がない人からするとその時点で聞く気が無くなってしまうから。
でもこの作者はショーだと断言した上で、アントニオ猪木がいかに魅力的で凄いプロレスラーだったのかを伝えてくれるのが素晴らしかった。
プロレスの知識がなくても(無いからこそかもしれないけど)分かりやすくて、面白かった。