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文科系のための暦読本 古今東西の暦の「謎」を読む みんなのレビュー
- 上田 雄 (著), 石原 幸男 (監修)
- 税込価格:1,760円(16pt)
- 出版社:彩流社
- 発行年月:2009.2
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紙の本
『金色夜叉』での、貫一の「今月、今夜のこの月も、僕の涙で曇らせてみせる」というセリフも、月を基準の「太陰暦」だったから。
2009/06/08 11:39
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:安之助 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ジューンブライド」という言葉がある。日本語に訳せば「6月の花嫁」。では、なぜ「6月」と「花嫁」が結びついたのか。これなどは必ずしも本題ではないが、本書を読むことによって「暦」に関する知識が膨らむことは間違いない。
古代ローマで皇帝ロムルスにより暦が初めて制定されたとき、「春」を基準に定められた。だから、今の「3月」が新年の始まりで「第1月(一番目の月)」は「軍神マルス(Mars)の月」と名付けられ、「第2月」は「春と美の女神アフロディテ(Aphrodite)の月」、「第3月」は「豊穣の神マイア(Maia)」、「第4月」は「母なる結婚の神ユノー(Juno)になった。つまり、今の「6月」は「ユノー」に因んで付けられたから、というわけである。
では、当初、「第4月」であった「ユノー」がなぜ「6月」になったかというと、後年、1年の始まりを、「冬至」にしようということになっったときに、「第11月」と「第12月」を「1月」「2月」にして、順次、繰り下げたからだ。神に因んだ「月」なら、「マルス」は「第1月」でも「第3月」でも周知の「春最初の月」の位置から動かされなければ、そんなに支障はないだろう。ところが、うっかりしたことに「第5~10月」は、神々があまり居過ぎて決めかねたため(著者の見解)、単純に数詞で順番を示すだけになっていたのだ。だから、見方によっては、混乱の種で、例えば数詞の「8」を表す「オクトベル(October)」が「第8月」であったのに、修正(改めて、神の名にするとか)せずに、そのまま「10月」にしてしまった。
太陰暦から太陽暦に変えたのはジュリアス・シーザーである。それは称賛に値する功績だが、汚点も残した。本来、神の名のみしか名付けられていないものなのに、自分の誕生月だからといって、7月を「ユリウス(Julius)」と変えてしまったのだ。
さらに、シーザーの後継のアウグストウスは、それに倣って8月を「アウグストウス(Augustus)」にしたばかりではなく、せっかくシーザーが奇数月は「大の月」、偶数月が「小の月」とわかりやすく定めたのに、自分が「小の月」では嫌だといって、8月を「大の月」に変更した。ただ、そのままでは、「大の月」が三カ月連続してしまうから、後半は奇数月が「小の月」になるようにして、さらに、2月から一日持ってきて帳尻を合わせた。ま、見方を変えれば、暴君アウグストウスのおかげ? で、2000年後の日本の小、中学生の、夏休みが1日多くなったと言えなくもない。
「啓蟄」を知っているだろうか。古代中国で生み出された太陽の位置の指標を表す言葉「二十四節気」の一つである。古代中国もご多分にもれず、最初に採用したのは、月の満ち欠けを基準とする「太陰暦」。だが、農耕の参考にするときには、それでは実情に合わない。そこで太陰暦の中に実際の太陽の位置(黄経)を15度ごとに設定した。だから、「二十四節気」は、“ほぼ太陽暦”なのである。したがって“旧暦”とはいえない。それが証拠には、「二十四節気」には太陽の位置を示す「春分」「夏至」「秋分」「冬至」などが、ちゃんと入っている。ちなみに、「啓蟄」は「春分」の15日前。
「暦」は政治である。古代中国を舞台にした宮城野昌光の作品では、しばしば、実情に合わない暦を強いられたことで、属国が、主権国に対して反乱を起こすきっかけとなることが描かれている。現在、グレゴリオ暦をもとにしたものを、大半の国が採用しているが、それとて、国が違えば、祝日が違う。ことほど、さように“暦”は深い。
紙の本
初心者向けか。
2017/04/23 09:28
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投稿者:うりゃ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
陰陽寮について調べていて暦にたどり着いた。
なぜ古代の国政において暦を重視したのか、もっと詳しい内容に触れられているかなと思ったが、世界のさまざまな暦について、広く浅い内容となっているため、少し残念。
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