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みんなのレビュー150件

みんなの評価4.0

評価内訳

高い評価の役に立ったレビュー

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2010/09/12 12:35

ちょっとした自分の都合を優先させる怖さ

投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る

一人ひとりにとっては
ほんのささいな我が儘、自分勝手。
多くの人が、そんな自分の都合を選択したばかりに
ひとりの幼児の命を奪ってしまうミステリー。

リーダーはやりたくないけれど
社会運動を起こして暇をつぶしたいプチセレブな夫人。

腰痛のため、ペットの糞を放置する老人。

事なかれ主義のアルバイト内科医。

昼間は混んでいるため、夜間診療を利用して
風薬をもらう病弱な大学生。

息子や嫁は言いなりになるものと決めつける姑。

職務怠慢の公務員。

潔癖症にも関わらず、医者にかかることは
プライドが許さない造園業の男。

運転が苦手なのに、妹の都合を優先させてしまい
大型車を運転している、弱気な若い女性。

最初に幼児殺しを示唆し
これらの人々の物語をロンド形式で描きながら
「-44」「-43」と章をカウントアップさせていきます。
このしかけに惹かれます。

登場する人も普通の人ばかりで
しかけでグッと高まった緊迫感が
だんだん薄れていくのは、熟練の筆ですね。
日常生活のなかに不幸は潜んでいます。

自分のしたことの結果が明らかになってもなお
人は責任転嫁します。
物語の決着もうまい。

第63回日本推理作家協会賞長編及び連作短編部門受賞作。

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低い評価の役に立ったレビュー

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2010/06/13 20:19

こんなことを思い浮かべました。なぜ桶屋は儲かったのでしょうか。大風が吹いて砂埃が舞い上がり目に入る。眼病を患う人が増え、目の見えなくなる人が増える。目の見えない人は三味線を趣味にする。三味線に使う猫の皮の需要が増して、猫がいなくなる。猫がいないと鼠が増える。鼠は桶を齧るので桶がよく売れるようになったからです。

投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

貫井徳郎の作品は2003年に『慟哭』を読んでいる。警察組織や新興宗教教団を背景にしているがその社会性にメスを入れたものではなく、それらは作者の仕掛けた巧妙なワナのためにあるもので、ラストのドンデンガエシの鮮やかさに読み応えを感じたものだった。パズル型の本格謎解きなのだが、背景が現実とまったく乖離しているわけではないところが面白さに厚みを持たせていました。

「大風が吹くと桶屋が儲かる」
これは有名なたとえですね。ものごとがめぐりめぐって意外なところに影響を及ぼし、思いがけない結果を招く。まさにこのミステリーのためにあるようなたとえです。
また、あてにならないことを期待するたとえでもあります。これは被害者遺族である父親の心情かもしれない。

プロローグにあたる一節
「これは、ある一人の幼児の死を巡る物語である。」
「かつてイギリスの有名なミステリー作家は登場人物のほとんどが犯人という小説を書いた。幼児の『不運』な死に似た事件を他に求めるなら、そのミステリー小説しか見当たらないだろう。」
とあって、表面的には不運な事故によるものとされた事件が実は大勢の人間がかかわりあって死に至らしめた殺人事件だと紹介されている。
飾り帯には
「罪さえ問えぬ人災の連鎖を暴く、まったく新しい社会派エンタテインメント」とあり、
「複雑に絡み合うエゴイズムの果てに悲劇は起こった」
ともありました。

始めからなんとなく物語の組み立てがわかるような気がしました。
事件が起こる前には事件とは無関係にいろいろな家族模様を交互に描きながらストーリーは進行します。

どこにでもいそうな人たちの平凡な日常を、平凡さを揶揄するような視点で叙述しています。社会派系なのでしょう。多少周囲に波風をたてることがあっても、私たち自身がそうなのですが、やりがちな独善、軽率、怠慢、衝動、余計なお世話、わがまま、自尊心、気分のむらによるものであり、それらは取り上げて厳しく非難、弾劾されることはない程度の行為です。
これだけなら平板な複数のストーリーの積み重ねに過ぎません。また、事件はこの小説のかなりのところを過ぎても起こりません。でも退屈しません。ぼんやりしてはいられないぞと、丁寧に読み進めざるをえません。
どうしてかと言いますと。章立てが「マイナス44」から「0」へむかう変わった趣向です。いつ事件が起こるのだろうか?さらにその事件にこの登場人物たちはどんなかかわりを持つのだろうか?と冒頭の語りが期待させますから、読者は手探りをしながら読むことになります。実際、私もこの巧妙さにはまんまと引っ掛けられました。
まして、日本推理作家協会賞受賞作です。とんでもないドンデンガエシが用意されているはずだと確信していましたから。

事件が発生した以降は章立てが「0」から「37」へと進みます。幼児の父が真犯人を捜し求め、関連者を追い詰めていくストーリーなのですが、なんとなく先が見え初めてだんだんと退屈してきました。幼児の死に慟哭する父の心境には常識的に同情できますが、彼が関連者に立ち向かっていくその行動が理解できない私には冗長でした。
そして意表をつくラストはなかったのではないかと思われました。

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2009/12/10 08:26

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2009/12/20 11:27

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2009/12/27 09:44

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2010/01/16 22:33

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2010/02/14 15:40

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2010/02/25 10:59

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2010/03/08 18:23

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2010/04/03 00:31

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2010/04/14 19:32

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2011/05/29 19:06

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2010/04/27 08:12

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2010/05/23 02:56

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2010/05/07 23:35

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2010/06/10 16:08

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2010/05/27 23:03

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