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藤本ひとみさんの歴史小説やエッセイに関連した街やお城の話。取材したときのこぼれ話や、写真や図によって、本に出てきた街や城の雰囲気をつかむのに役立つ。小説にも出てきた歴史上のエピソードを取り上げて、その背景を説明してくれたりする。綿密な取材なしには、歴史小説は書けないんだなーと思う。
でもちょっと残念なのは、ご自身の思いが強すぎるところ。
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フランスへ旅行したい気分になる本です。
といっても交通の不便なところが多いので、実際に行くのは大変そうです。
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近所に400Mトラックの内周くらいの池がある。植木などでつくられた人工的な自然ではなく、在来種の樹木や水生植物が残された貴重な自然らしい。都心部ではあまりみられない野鳥も飛来し、バードウォッチングのために遠方から来る人もいる。
この貴重な自然を有する池がどうしてできたかというと、昔々、だいだらぼっちが歩いた足跡が沼地だったこの地に残り、そこに水が湧いてできたという言い伝えがある。
自然にはあまり興味がない自分も、この言い伝えを知った時、俄然興味を持った。どっちがつま先だ? どこから来てどこへ行ったんだ? そもそもなんでだいだらぼっちの伝説がこの池にあるんだ?
そんな目に見えない土地の記憶を探すほうが木々や野鳥を愛でるより楽しい。
この本はフランス各地の古都と古城をめぐるエッセイ集だ。フィレンチェやウィーンなど誰もが知る観光名所も訪ねるが、ショレとかアジャクシオとかサン・テミリオンとか、よく知らない都市も訪ねる。なぜならその都市に、著者の興味を惹く人物がいたからだ。
だいだらぼっちの例はわかりにくいかもしれないが(そもそも妖怪だし)この本は、古都と古城を訪ねるのが目的ではなく、その人物たちの足跡をたどることに主眼がある。観光スポットや特産品の説明なんかは二の次で、そこにまつわる人物たちの人生を追体験していく物語だ。現在ではなく過去をめぐる旅だ。
ジャンヌ・ダルク、ジル・ドゥ・レ、サド侯爵、ノストラダムス、ジョセフィーヌ、ナポレオンなど登場人物は役者ぞろい。歴史上の人物たちが踏みしめた場所を歩くのが好きだ!という人にはお薦めしたい。