紙の本
懸賞論文?よりは著者自身の主張が分かりやすい
2009/03/18 13:40
23人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
空幕長解任については言論統制するわけにもいかないのだから問題発言するかもしれない人を任官した政府に責任があると思うし、真っ当な主張だと思える意見もあるのだけれど、全面的に賛同する気になれないのはなぜだろう。
教育勅語・修身を復活させろという意見については、100年以上も昔に明治政府が決めたことを持ち出すんだろう、と思うし、会社が株主のものではないという意見については、少なくとも上場株式会社の所有権を株主に与えないと日本が海外に投資している資本も回収できなくなるかもしれないよ、と思う。殊、軍事に関しては現代的な感覚を示すのに、政治・経済に関することになると懐古趣味が感じられることが嫌なのだと思う。こっちはこれからあんたらが作って来た負債を返さないと世界の中で再浮上も出来ないのに、何をいまさら偉そうに、とも思うのかもしれない。まあこれは著者だけに責任のあることではないけれどね。
本書は歴史、政治、国防の三部構成になっている。歴史についてはどこかからの受け売りで、戦史に興味を持っている人なら既に知っていることばかり、政治についてはここ30年くらいの首相批判をしているだけ、という感じなのであまり面白くもないのだけれど、国防については自分の言葉で語っている印象を受けるので、読んでいてなるほどと感じることも多い。やはり経験に基づいて語られる言葉はそれなりの価値があると思う。
歴史認識についてはお説ごもっともという感じだけれど、所詮歴史は勝者によって作られるものなので、あんまりそこにこだわってもどうかなあ、と思う。だって、広島・長崎に原爆を落とし、東京や各都市に焼夷弾をばら撒いて民間人を虐殺したアメリカが、堂々と世界のリーダー面しているんだよ?それを見て育った若い世代が、60年以上前の戦争を本気で引きずっていると思うのかな。限定的な選択肢の中で、もっとも合理的な判断をしているだけだと思うのだけれど。大体ボクなんか、高校までの歴史の授業が第二次大戦期まで進んだことないし。大概、旧石器時代とかどうでも良い時代の話に時間をかけすぎて後が詰まっちゃうんだよね。
結局、著者の考えるような日本にするためには、これからどういう日本にしていくか、という議論が必要だと思う。仮に、アメリカの51番目の州でも良いや、と思う人が国民全員であれば、別に日本が核武装をする必要はなくなる。でも、それは絶対嫌だ、日本の存在感を出していくんだ、と思えば、(1)武力戦・(2)情報戦・(3)経済戦のどれかで一番を目指さなくてはいけないだろう。
(1)なら核武装を目指すし、(2)なら国際機関を日本に誘致する、(3)なら金融の中枢を担う、などそれぞれ方向性が異なる。著者は軍事の専門家だから(1)か(2)を目指すだろうけれど、それ以外の選択肢も考慮してあるべき姿を考えなくてはならない。そして、これが既存のプロセスの枠内で行われることが、面倒ではあるけれど、民主主義の前提だと思う。
政治の講義で、政権投げ出しの事例として安倍晋三元首相ではなく、細川護煕元首相を挙げているのが印象的。本書の中で彼だけは批判されていないね。なぜだろう?
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日本の改めるべき認識についてわかりやすく平易な文章で書かれています。この本を読んで、日本政府は日本にとって重要な人材を国防の地位から排除してしまった、日本にとってかなり大きな損失だ、と感じました。
田母神先生には将来的には文民の立場から国政の場に出て、国会議員として活躍していただきたいと思いました。自民党はせめてもの罪滅ぼしに、田母神先生を公認して自民党から出馬していただくくらいの配慮をすべきです。
以下、本の書評です。
「一時限目:歴史」の部分については小林よしのりさんの著作を読まれている人にとってはあまり目新しいことは書いてないかもしれません。それでも一度目を通す価値はあります。
「二時限目:政治」と「三次元目:国防」にはこれから日本がやるべき改革についていくつか提言がなされています。その中でも私がかなり納得したものがありましたので、自分なりに要約してリストします。
1.教育勅語と修身を復活させるべし
2.領空侵犯機は撃墜すべし
3.専守防衛には敵地先制攻撃を含めるべし
4.武器輸出三原則を廃止すべし
5.非核三原則を廃止して核武装すべし
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そういえばそうだな~自虐的な歴史観を学校では教わった。
自分の国を愛せるような教育を受けたかったわ。
みんなが自分の国に誇りをもてるように、愛国心が育つほうがいいと思った。
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<本の紹介>
統合幕僚学校での講義を再現!自衛隊の上級幹部は「この授業」を受けていた!田母神塾頭による歴史・政治・国防の授業、開講!「憲法9条改正私案」を掲載。
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日本の日本史教育、特に直近100年くらいの歴史について、随分考えさせられました。
自分は理系だったから、高校くらいから文系の勉強はほとんどしていない。
けど、どうだろう。そういうのって関係あるのかな。「文系だから、理系だから」ってのはあんまり意味はなくて、どういう育ち方をしてきたのかを問うのであれば、その人がどういう人たちと過ごしてきたか、先生はその一部でしかない、って考えるのが妥当な気もしました。
親や、身の回りに政治家とか国を動かす上層部の人たちがいれば自然とそういう話を耳にするだろうし、そういうサークルなり仲間が集まってるところに入ればそういった議論をすることもあると思う。
逆に、全くそういうことが話に出ない中で生活をしてきた人にとって、「日本は悪い国だ」って言われても、ピンと来ないってのが本音なのかなと思います。
そして、それでも今の生活にはそこそこ満足してるんじゃないかなと。
「あの歴史があったから、今俺はこんなひどい目にあってるんだ」なんて考える、いつも言ってる人がいたら、少なくとも俺はあんまり個人的な付き合いとしては付き合っていきたいとは思わないですね…。なんとなく、自分の失敗やうまくいかないことを全部別の誰かのせいにしそうだし。
それでも、一読の価値はあると思います。
多分読まなきゃ「こういう見方もあったんだ」って思わないようなことが書かれていて、自分としてはすごく新鮮だったしおもしろく読めました。
<メモ>
・中国の国父・孫文を育てたのは日本人だった。そして、孫文の日本滞在時代に支えていた「梅屋庄吉」のひ孫が日比谷公園「松本楼」のオーナーの娘だそう。そういえば、日比谷公園近くで毎日お昼を食べてたのに、松本楼に一度も行ったことないな。。。写真もあるそうなんで、今度行ってみたいと思います。
・部下を守る立場にある人間が、外からの声におろおろしていては部下の信頼は得られない。そういう頼れる上司像が前面に出てて、かっこよかったです。自分の考えを通すことって難しいだけにできる人はすごいなぁと。
・教育勅語、今も使える普遍的なことしか書いてないのに、何故廃止されてしまったのか。これは復活させてもいいと思いました。一部抜粋。
「子は親孝行をし、兄弟は互いに力を合わせて助け合い、夫婦は仲むつまじくし、友人は互いに信じ合う。自分の言動は慎んで人々に博愛をさしのべ、学問を怠らず職業に専念し、知識を養って人格を磨き、さらに進んで公益のために貢献していくべきである。」
・上司がうるさければうるさいほど、部下は上司に対して気を使うことに多くの時間と労力を割いてしまう。上司に気を使ってばかりいては、肝心の自分の仕事に能力を発揮できなくなってしまう。部下ができる仕事の量には上限がある。上司に何でも報告をあげさせ、上司の顔色を常にうかがっていては、部下の仕事に支障をきたす。部下の仕事の目標を「上司を満足させること」にしてはいけない。そんな体制では、チームがいい仕事をできるはずがない。
・どんな組織でも、上からの指示を想定してあらかじめ準備しておくのは当然。
こんな上司だったら、部下は幸せだなと思いました。
日本にも、いい制度がたくさんあったし、いい人がたくさんいた。
欧米には欧米のやりやすいやり方と、自国の利益を最大化するための論理があって、でもそれを認めはしても日本が従う必要はない。なんでもかんでも欧米にならえ、じゃなく、日本のやりやすいやり方、しっくりくる考え方、いいとこってどこだろうって考えてみるのもいいかもしれないすね。
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日本人の平和ボケをたたき直すには十分すぎるこの一冊。憲法を改定することの意義と、政府がもつ国民を守る義務を分かりやすく、しかし強く説いています。
航空幕僚長として、経験を生かした彼の意見を呼んでみてはどうでしょうか?
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田母神氏の考えが知りたくて購入
今まで、学校の中でしか戦前から戦後の歴史を学んでいない
方には非常に新しいものの見方が学べると思います。
以下の3点が個人的なポイントでした。
1)石破元防衛大臣が自衛官から当時総スカンくらったか理解
できたこと
2)戦争の決断をするのは軍人でなく、政治家(文民)である
という指摘
3)日本の核保有につての考え方
読み終わり。
こんな人の部下に成りたいと思いました。
公人とか関係なく、言論の自由を自分で歌いながら。
自分の考えとは会わない意見には、「危険人物」などいって
総否定攻撃するマスコミは自己矛盾しているなあ。
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元航空自衛隊幕僚長の田母神さんの真骨頂作品。俺はこの人相当好き。日本の公人には数少ないパトリオットな人。日本の逃げ腰外交をぶった切り、日本をナメきった近隣諸国をぶった切り。某国を「粉にしてしまえ!」の発言には思わず吹き出した。
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中身があって読みごたえはあるが、少々右色が強い。
そこもおもしろい点だが。
短くまとめられているので、読みやすく、わかりやすい。
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一つの考え方ではあります。正解かどうかは自分でもっと勉強するひつようがあります。本としては面白かったです。
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戦後日本人に植え付けられた自虐史観を批判し、どの国でもそうであるように「私たちの国はいい国だ」と教育すべしであるという著者の主張は、いつでも明快であり、本書においても変わりがない。
外交は軍事力に裏打ちされたものであり、いつでも国どうしの駆け引きは腹黒いもの。日本も外交の場においてきちんと発言力を持つためには、自国を愛することがあたりまえになれる教育の実践がまず必要である。本書ではそれが不可能になっていった経緯と事実が記述され、さらにどうすれば日本が「あたりまえ」の国になれるか、その方向を著者の元航空自衛隊トップとしての立場から模索している。
本書の歴史認識についての記述は異論あるところだと思う。特に開戦時の意思決定プロセスについての考察は関東軍主導ではなく近衛総理の、つまりは文官による主導・決定において進んだと「どちらかの責任」という構図で議論することは、少々強弁に過ぎるかという感がある。ただし、著者は自衛隊の最高幹部であった人物であることを鑑みれば、リーダーとして、「過去、我々の先輩はならず者の集まりだった」などと述べることは好ましいことではないことは、本書中で著者が繰り返し述べる「リーダー論」からも窺えるところである。
信念を貫き通す著者の姿勢からは、「日本男児かくあるべし」といった呼びかけが聞こえてくるようだ。
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著者の書いた懸賞論文というのも当時読んで見ましたが、それよりはこちらの方がずっと主張が分かりやすい。確かにと納得できる部分もあれば、論理の飛躍に思えるところもある。
しかし、タブーとして議論しないというのは真っ当なやり方ではないので、議論した上で、正しいかどうかを判断するプロセスが必要になるだろうと思う。
空幕長解任については言論統制するわけにもいかないのだから問題発言するかもしれない人を任官した政府に責任があると思うし、真っ当な主張だと思える意見もあるのだけれど、全面的に賛同する気になれないのはなぜだろう。
教育勅語・修身を復活させろという意見については、100年以上も昔に明治政府が決めたことを持ち出すんだろう、と思うし、会社が株主のものではないという意見については、少なくとも上場株式会社の所有権を株主に与えないと日本が海外に投資している資本も回収できなくなるかもしれないよ、と思う。殊、軍事に関しては現代的な感覚を示すのに、政治・経済に関することになると懐古趣味が感じられることが嫌なのだと思う。こっちはこれからあんたらが作って来た負債を返さないと世界の中で再浮上も出来ないのに、何をいまさら偉そうに、とも思うのかもしれない。まあこれは著者だけに責任のあることではないけれどね。
本書は歴史、政治、国防の三部構成になっている。歴史についてはどこかからの受け売りで、戦史に興味を持っている人なら既に知っていることばかり、政治についてはここ30年くらいの首相批判をしているだけ、という感じなのであまり面白くもないのだけれど、国防については自分の言葉で語っている印象を受けるので、読んでいてなるほどと感じることも多い。やはり経験に基づいて語られる言葉はそれなりの価値があると思う。
歴史認識についてはお説ごもっともという感じだけれど、所詮歴史は勝者によって作られるものなので、あんまりそこにこだわってもどうかなあ、と思う。だって、広島・長崎に原爆を落とし、東京や各都市に焼夷弾をばら撒いて民間人を虐殺したアメリカが、堂々と世界のリーダー面しているんだよ?それを見て育った若い世代が、60年以上前の戦争を本気で引きずっていると思うのかな。限定的な選択肢の中で、もっとも合理的な判断をしているだけだと思うのだけれど。大体ボクなんか、高校までの歴史の授業が第二次大戦期まで進んだことないし。大概、旧石器時代とかどうでも良い時代の話に時間をかけすぎて後が詰まっちゃうんだよね。
結局、著者の考えるような日本にするためには、これからどういう日本にしていくか、という議論が必要だと思う。仮に、アメリカの51番目の州でも良いや、と思う人が国民全員であれば、別に日本が核武装をする必要はなくなる。でも、それは絶対嫌だ、日本の存在感を出していくんだ、と思えば、(1)武力戦・(2)情報戦・(3)経済戦のどれかで一番を目指さなくてはいけないだろう。
(1)なら核武装を目指すし、(2)なら国際機関を日本に誘致する、(3)なら金融の中枢を担う、などそれぞれ方向性が異なる。著者は軍事の専門家だから(1)か(2)を目指すだろうけれど、それ以外の選択肢も考慮してあるべき姿を考えなくてはならない。そして、これが既存のプロセスの枠内で行われることが、面倒ではあるけれど、民主主義の前提だと思う。
政治の講義で、政権投げ出しの事例として安倍晋三元首相ではなく、細川護煕元首相を挙げているのが印象的。本書の中で彼だけは批判されていないね。なぜだろう?著者を空幕長に任命した首相だからかな?
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航空幕僚長を解任された著者が、誤った歴史観教育、政治家の功罪、そして国防に関する持論まで展開する1冊。
過剰な自虐史観、それに基づく政治家の行動。”国防”のあるべき姿。考えさせられる1冊だった。話としては面白かった。都知事選に出るそうで…。
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歴史は戦勝国がつくるものですが、なかなかその詳細を理解している日本人はいないように思います。
正しい歴史感をもち、行動することで日本は発展していくとおもいます。
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1.歴史の時間
大体が知っていることだったけど、知らない人も意外に多い。義務教育の歴史教育の問題かな。で、それは戦勝国によって作られた、歪んだものである、と。
2.政治の時間
左傾化には懸念を抱いていますが、かといって、何でも保守に寄りすぎるのもどうか、と思う。政治と経済はつながっているものの、分野によって、必要な方針は違ってくる、と思う。
3.国防の時間
反日国家に囲まれた状態になっている中で、今のままではじっくりと実効支配が進められていく懸念があるので、ここにある主張には賛成。
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確かに冷静に考えてみると、我々は国防に関する教育を受けていないし認識も甘すぎる。だから自衛隊という国を守る組織を普通に見ることができない。しかも組織を動かすトップが平気で組織を批判する。まずこの矛盾に正面から向き合うべきであることをこの本は教えてくれている。