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取り敢えず映画公開前に読んでおこうくらいの軽い気持ちで読み始めたが、ずっぽりはまってしまった。読んでいる間はすっかり向こうの住人になっていた。ちょうど売店の横で『黒い船(Tales Of The Black Freighter)』をひたすら読みふけっている黒人少年のように。
簡単に書くと「もしもこの世界に本当にアメコミヒーローがいたらどうなるかというシミュレーション」。にライターのアラン・ムーアの事ばかり取り沙汰されているが、描いているギボンズの絵がとてもいい。丁寧でかっちりした細密描写だ。定点カメラによる連続写真のようなコマ運びを、ある意味日本的な「間」として効果的に多用している。回想シーンから現代へ戻ってくる時の同じアングル同じ場所という映画的な手法の手際も良い。基本的な絵のうまさ、技巧がこれでもかという過剰なまでの情報量には必要だったのだし、それが必要最低限の描写だったことに驚きを感じる。
ヒーローが僕らではない誰かのために戦って勝利するような話ではない。架空の1986年のディストピアにどっぷりとつかれる400ページ。ちょっと暇つぶしにという感じで読むことはできないので、気楽にどうぞとは勧められない。絵も文字も情報量があふれている。逆に小説は好きだが漫画は読まないという人にはいいかも知れない。若干挿画が多すぎると思えば。
今回の映画化で復刊されて、ようやく読むことができて本当によかった。
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小学館プロダクションが、アメコミをバリパリ出しているとき、読んで衝撃うけた1冊です。
DCとマーヴルの2大レーベルが主に翻訳されていたのですが、「X−MEN」とかマーヴルのシリーズにははまったのですが、「スーパーマン」や「バットマン」などDCのシリーズにはあんまりひかれなかったのです。
まあ、マーヴルの方は、けっこうたくさん刊行されていたのに、DCの方はあんまり続きが出ていなかったような感じだったので、人気も、そうだったのではないかと思います。
で、そんななかで、いろいろ買ったDCのアメコミのなかで、唯一、「これはいい」ということで、ずっと持ち続けていたのが、この「WATCHMEN」でした。*1
東西の対立、核の恐怖、世紀末の雰囲気がものすごくする時代の物語です。矢野 健太郎が、「ケイオス・シーカー」のシリーズで書いたように、人間は「のど元過ぎて熱さを忘れて」しまっただけで、恐怖はずっと、となりにあり続けています。それを思い出させてくれる物語です。
今読んでも、充分におもしろいし、読み応えがあります。
まあ、前読んだときから、数年たっているので、かなーり、細かいところは忘れていました。
事件の黒幕とか……すっかり、わすれておりました。
今回、この名作が、映画化の記念としてまた刊行されて、新しい読者の手に渡るというのは、とても喜ばしいことです。
映画も見てきたので、その感想もそのうち書きますが、そりゃ、この濃厚な密度のストーリーを楽しみたいと思ったら、原作ですよ。
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蝙蝠とはまったく別物なのですが、せっかくなので。映画にもなったあれです。奥深いストーリーが読み応えあります。嵌ったら深い。
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まだ読んでないのでランクは読後に。
ただ、中を見ての印象は、あのコマ割から「とてつもなく挿絵の多い小説」みたいな感じ?
通常のアメコミと比較してもあのコマ割は異質でしょう。
感想も読んでからカキコミますわ
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ブクログで☆を三つとか付けてる奴が信じられないというか、ちゃんと読めてないだろお前って言いたくなる。
後、帯に終わったオタクの元デブを使ってるのは何だかなぁと思う。
そんな、とりあえず他人のdisはおいといて、これだけの質の高い物語を好き嫌いが非常に分かれるアメコミというフォーマットで描かれてるのは勿体ないというか、この作品の良さをより多くの人に伝えるのには意外にハードルとなってるだろう。
でも、この作品の中で語られてるテーマは描かれてる時代背景(80年代前半)の変化を差し引いても決して今も色褪せるものではない。
「正義を成すために力を使うという事」「善による統治と民主主義」といったこれまで人類が歴史を紡ぎ始めてから未だ解答が得られていないテーマに対して深い洞察を見せ、読者にも考えることを促す。
凡百の哲学書とか読むぐらいだったらこの一冊を読んだ方がいいよと言えるぐらいの名著である。
あらゆるコマにもの凄い情報量で意味が込められてるため一度読んだだけじゃ味わい尽くせないので、少し高いけど是非買って何度も読むべし!
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コメディアンがいい味だしてる いきなり死ぬけど
喜劇の主人公ってのは世界でいちばん卑小な存在なんですよ
それが物事の価値観をひっくり返して、強い奴をぶちのめしたり社会的成功を収めたりするから面白いんですよ
だけどコメディアンにとって、他の人間は全員共演者だから
彼のギャグは笑えないどころか恐怖の対象にしかなりえないというね
それを笑える立場にあるのは、もちろん、彼の敬愛する神様だけだ(あと読者)
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映画を観てからアマゾンで注文。
合間の新聞や手記が面白かった。
そしてロールシャッハの格好良さを改めて再確認。
映画で見られないダンの雪上走行姿も必見
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読むの時間かかった〜何度も戻っては読み返し 最後は読んでて胸が苦しかった シルクママのラストの仕草に泣く
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物凄い読書体験であった。
タグに「漫画」と付けたけれど、本の帯にある通り「グラフィック・ノベル」です。
物理的に文字量も多いし、画面の情報も多い。(背景の人物が持つ新聞の見出しや該当のポスターも見逃せない)
それに、バックグラウンドの時代設定・キャラクター設定も濃密。
「アメコミ」「ヒーローもの」と修飾句を付ければとても誤解されそうですが、
ヒーロー=派手なコスプレをして勝手に自警行為を行う良い年をした大人 と
現実的に誠実に捉えて、そんなヒーローが現実に存在したら…と、そこから話がスタートしています。
何度も読めば読むほど新たな発見をしそう。
「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」をはじめ、ブログでもウォッチメンを解説したものが
公式・非公式ともに沢山有るので、それを参照しながら読むとより楽しめると思います。
『PlanetComics.jp出張版 「ウォッチメン」特集サイト』
http://www.planetcomicsjp-watch-the-watchmen.blogspot.com/
渾身の「原作コミック徹底解説」あり。全ページに解説があるのでアーカイブが物凄い。
『TBS RADIO ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』
http://www.tbsradio.jp/utamaru/index.html
サタデーナイト・ラボ、2009年3月14日の特集で「映画公開直前『ウォッチメン』原作特集」が有ります。(mp3で聞けます)
0819-0903
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Who watches the watchmen?(誰が見張りを見張るのか?)
SF文学の最高峰ヒューゴー賞をコミックとして唯一受賞し、
タイム誌の長編小説ベスト100にも選ばれた、グラフィック・ノベルの最高傑作!
アメリカン・コミックスがたどり着いた頂点がここにある――。2009年3月公開映画原作。
岡田斗司夫氏、絶賛!
「日本のコミックは世界イチ」と浮かれるなかれ。
とんでもない黒船がやってきた。
世界一のSFコミックに戦慄した!
全ページ再カラーリングによる完全改訂版。48ページにわたる豪華資料(アラン・ムーア、デイブ・ギボンズによる寄稿、キャラクター設定資料、コンセプトアート、アラン・ムーアの原作原稿、パイロット版)も収録。
1985年、東西冷戦下のアメリカでは、核戦争の危機が目前に迫っていた。そんなある日、ひとりのニューヨーク市民が殺害される。政府により禁止されたヒーロー活動を続けていたロールシャッハは、独自の調査で、殺害されたのが、かつての仲間コメディアンであることを突き止める。これはヒーロー抹殺計画の第一段階なのか? 事件を追ううちに、ヒーローたちはそれぞれの心の闇に直面し、やがて世界を根底から覆す巨大な陰謀に巻き込まれていく……。
「今更、ヒーローどもを気にするなんてどうかしてるぞ。
忘れたのか?
77年のキーン条例で、政府公認のヒーロー以外の自警行為は違法になったんだ。」
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SF文学賞の最候峰ヒューゴー賞をコミックとして唯一受賞し、タイム誌の長編小説ベスト100にも選ばれた、グラフィックノベルの最高傑作
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-全部お前に任すからな-
SF文学の最高峰ヒューゴー賞をコミックとして唯一受賞したグラフィック・ノベルの最高傑作!ということで3,570円出して買っちゃいました。その価値有。タイプの違うヒーローたちの物語。名言多し。画像の隅の文字、合間に挟まれる劇中劇的な読み物、全てに意味がある。最終的に、ヒーローとは程遠い「凡人」たちが愛おしく感じられてくる。引用は、[ヒーロー]にでなく[一般人]に向けられた一言。
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ヒーローものといっても一人を除けばただの人間に過ぎない。彼らは自警団のような形で世の犯罪と戦う者達だった。
しかし、超越的な力を備えたある一人ヒーローが誕生することで世界の有り様は一変する。
アメリカ軍人でもあった彼は冷戦時代の米ソの軍事バランスを一変してしまったのだ。
そしてアメリカはベトナム戦争でもそのヒーローの力により勝利を収めニクソン政権は1985年の今も健在。
だが、軍事的優位にたつアメリカはソ連に対し傲慢になりやがてそれはソ連の自棄な核増産を生み、全面核戦争の危機が叫ばれるようになった。
また、自警団として活動していたヒーローの存在はかえってギャングなどによる自警と称しての暴力を誘発させ、警察の権威も衰える結果となりあげくストライキも頻発。
そこで議会は私的な自警行為を禁ずる法律を制定させるに至る。そしてヒーローの大半は引退し姿を消していった・・・そんな世界の話。
物語はヒーローの一人が何者かに殺される場面から始まる。ヒーロー狩りか?一体何者の仕業か?法律に反しながらも未だにヒーロー活動を続けるロールシャッハは事件の真相を暴くべく調査に乗り出すのだが・・・。
現実にヒーローというものが存在したら社会は結局どうなるのだろうということをまずは示してみた作品。
特にDR.マンハッタンと呼ばれるヒーローは核実験により体が原子に還元されてしまったものの精神は生き残っており自ら体を再構築することに成功。以後原子を操れるスーパーヒーローとしてアメリカの国防、科学技術に多大なる貢献を果たすことになる。
終盤事件の真相が近づくにつれ正義とは何か、人類全体としての世界の平和を守るための正義とは何かという問いかけになってくる。
あくまで冷戦時代に核戦争の危険が迫った場合という前提条件がつくけれど、一つの解答ではあるかもしれない。
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日本の漫画がすごいのは知っている。じゃあ外国のはどうなんだろう?と思いまして、アメコミ‘伝説の’本書を読んでみました。
すげえ。これはすごい。
一回だけでは到底読みきれない構成。
ハリウッド的なスーパーヒーローを片手で作り上げながら、もう片方の手でそれを破壊していくような魔術的な内容。
「計画」発動後の紐育の情景を描く筆力。
コマの隅々までにいきわたる情報量。
とんでもない作品ですよ、これは。
アメコミを食わず嫌いしている方。
私もそうでした。
そして、今は損をしていたことに気付きましたよ。
以下ネタバレ有り
なぜロールシャッハは最後にマスクを脱がざるを得なかったのでしょう。
コバックスが耐えられなかったのか、それとも、ロールシャッハが耐えられなかったのか。
もう一度、読み直して考えてみます。
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アメコミに対する偏見がすっかり落ちました。これだけの密度と深さをもった作品は、日本のコミックにもそう多くはないでしょう。クールジャパン、日本の漫画は一番とか言っている場合じゃない。
海外だってそれぞれの文化に応じて成長しているんですね。それがいままで日本に入って来なかった、あるいは、一部でとどまっていただけのこと。これだって20年前の作品なわけだから、その後もきっと素晴らしい作品がたくさん出ているんだろう。
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ロールシャッハなど、一部のキャラクターの描き方が秀逸。
自分が日本人であるせいか、アメコミヒーローである必然性があまり感じられない。
良くも悪くもハリウッドにありそうな脚本。期待しすぎか。
Vフォーヴェンデッタよりは好き。