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アスラクライン 12 世界崩壊カウントダウン みんなのレビュー
- 三雲 岳斗 (著)
- 税込価格:605円(5pt)
- 出版社:アスキー・メディアワークス
- 発売日:2009/04/10
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文庫
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紙の本
汝は我、嵩月奏の生涯の契約者となることを誓うか?
2009/05/25 19:18
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
作品世界の根底を司る“一巡目の世界”が終わる本巻では様々な要素が明らかになり、智春が主人公らしく救世主になろうと決意するに至る展開である。“二巡目の世界”への帰還方法を模索する智春と嵩月の前に続々と登場する馴染みの面々。その中には副葬処女な人もいてみんな楽しく暮らしている場面が前半に描かれる。楽しい。出口の見えない閉塞感は漂うものの束の間の平穏を読み手も味わう。智春争奪戦はもとより存在感そのものが消えかかっている割に要所要所で顔を出す「幼馴染み2号」こと大原杏が味のある接し方をして印象的。こっちの世界にも情が芽生える智春だが、そんな悠長なことも言っていられない状況を知るに至る。ただ、向こうの世界にこっちの世界だけでなく、悪魔な人や悪魔でなくなっている人、憑依して一時的にこっちへ意識だけ来た人など、人物の立ち位置を把握するのが大変なのに加えて、向こうでもこっちでも悪魔な人や死んだと思われた人が居たりして整理がつかない、というか整理を半ば放棄して読み進めることになったりもする。まぁ、“一巡目の世界”に来た時点から発生した複雑さではあるが、最後にある程度の方向性は語られるので良い意味であまり拘らずに読んだ方がいいかもしれない。むしろ「よくこんな複雑なのを把握して物語を進めてるなぁ作者」である。さて、本巻クライマックスの最中にはレビュータイトルに冠したセリフが飛び出す。智春はこれに迷い無く即答するのだが、ここには「幼馴染み1号」こと操緒の、ライトノベルでの幼馴染みらしくない、ある意味実にリアルな対応が決め手になっているフシがある。操緒の『幽霊じゃなくても一緒にいていいんだ』とのセリフが心に残るが、だからといって誓いの言葉がそう簡単に成就されない深刻な状況にある嵩月が心配極まる引きである。これら全てをどのように解決に導くのか、次巻への期待が高まる。
紙の本
利益相反する命題とブレークスルー
2009/04/11 16:28
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
二巡目の世界の夏目智春は、一巡目の世界でこれまで出会ってきた人々に巡り会う。元の世界では悪魔だったり、副葬処女だったり、敵対していた人々も、自分の知っている姿とは少し違っていたけれど、本来あるべき姿で生きていた。そして、世界が滅びゆく形も知る。
Aを生かそうとすればBは死ぬ。Bを救おうとすればAは滅ぶ。そんな利益相反する命題に対して過去に出されてきた解答は、無情だけれど現実的で、どちらかを見捨ててでもどちらかを救おうという行動だった。そのために作られた機巧魔神であったし、行動の結果が二巡目の世界という疎開場所の様な、同一軸線上の別世界を生み出した。
今回智春が目指そうとするのは、出会った人たちがみんなハッピーになれるような世界。彼の試みが上手くいくかは、覚悟と武器を携えて戻る二巡目の世界での行動次第だろう。
世界滅亡の原因や、操緒の行方や、嵩月の奇妙な行動の影にある理由とか、意外な人の意外な能力とかが明らかになり、そして本物の夏目直貴が登場する。
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