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昔の大阪の写真集めが好きな主人公"歌"。
それを取り巻く人々の普通の日常のやりとりが特にどこに強いインパクトがあるわけでもなく、至って平凡。
解説で川上弘美さんも言っていたが登場人物がみんな可愛い。ぜひともこういう人たちと友達になりたい。それで飲みに行きたい。
物語の山場のようなところが感じられない分、読み返すたびに違った感じ方ができる小説だと思う。
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大きな出来事がおきるのでもない、その物語はややもすると単調と見えそうだけど、生命力というか不思議なみずみずしさを感じる。
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@yonda4
「きょうのできごと」を読んでから、著者のゆっくりと日常を見つめる世界観に惹かれている。
本書も類に漏れず、ゆっくりとした物語。
主人公の歌ちゃんが大阪の街の移り変わりを昔の写真と今とを比べていく。
僕も自分の住んでいる街の街並みの変化が気になっているので、物語の題材としては共感がもてるんだけど、この手の題材はその街を知っていないと入り込めないんだよな~。
大阪の街並み、ようわからへんもん。
ほな、☆三つで堪忍したって~な。
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ストーリーに色々な伏線があってどの部分が盛り上がって行くのかと思いながら読んでいたけど、どれも盛り上がらず。
題材もおもしろかったので、残念です。
この作者の他の本も読んでみようと思います。
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しみじみとよかった。この表現がすばらしいとか描写がうつくしいとか、この人物がすきだとかはまったく思わなかった、が、いい意味で途中で何かを拾ったり最後まで何かを連れていかなくてもいい小説だった。その何かは、別の作家や小説には欠かせない何かなのかもしれない。その何かを待つこともなく、読んだあとも何かが強く残ったりはしない、意志を感じさせない、それでも、ひとつひとつの小さな魅力がいい方いい方に働いているような気がし、肌触りのよいものを撫でるような単純な心地よさがあった。
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関西の方言がこんなに柔らかく響く日常があることを知らなかった。
歌ちゃんみたいに暮らしたい。
働いて、ときどき趣味を追っかけて、ときどき人と会って話したりする。
珍しくも何ともない、それでいてなぜか見当たらない、誰かの日常を覗き見るような小説。
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帰省したきっかけで5年ぶりくらいに読み返した。柴崎作品の中では一番好きな小説。掲載された新潮を当時隣の席だった女の子に半ば無理やり読ませた記憶がある。
大阪で生まれ育った普通の若者が日常を過ごしている様子があまりに自然で、風景に溶けんこんでいく。自分も同じようにそうであったから。
街は少しずつ変化していって、自分も年齢を重ねるごとに変わっていく。お互いに変わらないつもりでも。
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大阪の繁華街が舞台の のほほんとした話。
知ってる所だったら面白かったかも。
つまらなかった訳じゃないけど。
あんまり浮き沈みの無い一本調子の内容。
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ドラマを見て原作が読みたくなった(*^^*)
ウタちゃんから見た登場人物の描写が凄く好き。
あと、良太郎の「ウタさん」って呼び方も。
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ドラマ版の雰囲気にひかれて
昔と今がつながる時の、歌ちゃんのどきどき感わかる。大阪の街に馴染みはないのに、なんだか懐かしさを感じる!
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大阪の街が舞台なので、人情中心の話になるのかなと思ってたけど、街の景観を題材にしていたので変わっていて面白かった。どこの街にも昔の風景があって、今までいろんな移り変わりをしているんだなぁ。大阪にも行ってみたくなった。
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単行本で読んでいた。他人との距離感が同じだからこの人のことが好きなんだ。なんとなくの曖昧な関係で人と繋がっている。良太郎とか鷺沼さんとか。どうしたいかよくわからない。今は、これでいい。今は、こんな状態。今は、こんな景色。
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柴崎友香 2009. 『その街の今は』新潮社,158p.,324円.
私が手にしたのは新潮文庫版で,単行本の初版は2006年とのこと。実はつい最近までこの作家の名前は知らなかった。映画好きの私は当然『きょうのできごと』は公開当時劇場で観ていたが,妻の書棚にその原作本が置いてあり,「ああ,あれって原作あるんだ」という程度でその場で読まなかったし,名前も覚えなかった。
さて,最近の私の会社の仕事はムラがある。そして,大半はいたって暇である。そんな時にサボってみられないのは,ネットでの検索。私の場合は当然遊びではなく,研究関連のネット利用だが,そんなときに引っかかったのが,この作者,柴崎友香しのインタビュー記事。
http://www.webdoku.jp/rensai/sakka/michi091_shibasaki/20090528_4.html
こんな2009年のものである。そう,検索ワードは「地理学」で引っかかったのだ。彼女は私より年が3つ下で大阪府立大学(こちらはWikipedia情報)での専攻は「地理学」だったらしい。大阪府立大学には福田珠己さんという優秀な地理学者が勤めているが,私が彼女に初めて接触したのは,私が1994年に『地理科学』に掲載した論文の抜き刷りを送ったときで,その返信の手紙が残っていた。彼女は学部卒が修士修了後に徳島県立博物館に勤め,その後出身大学の関西学院大学の大学院に入り直した。その後大阪府立大学に就職するが,柴崎友香さんが在籍した時にいたかどうかは不明。ともかく,柴崎さんはインタビューに書いているように,卒業論文を「写真による都市のイメージの考察」というタイトルで書いていたらしい。私の卒論は1993年に『人文地理』に掲載され,都市イメージの言葉はあえて用いていないが,このタイトルで卒論を書くんだったら私の論文を読んでいる可能性は十分にある,と勝手に嬉しくなってしまったり。
そんなこんなで,その卒業論文をいかして書いたという『その街の今は』という作品を早速書店で購入して読むことにした。少なくとも,映画の『きょうのできごと』は非常に好きな雰囲気だし,私もその後写真を研究テーマに用いたり,インタビューのなかに出てくるポール・オースターも当然好きだし。
ということで,読み始めましたが,さすが都市と写真をテーマにした卒論を書いた人だけのことはある。非常に緻密な観察眼から成り立っている小説です。というのも,主人公に自分自身を重ね,古い大阪の写真を集めるのが趣味だという設定。昔の写真を集め,それを手に同じ場所を訪れることを密かな趣味にしている主人公。単に見た目の風景の新旧比較というだけではなく,上の世代の人たちにさりげなく昔の大阪について話を聞くという徹底振り。その代わり,ドラマティックな物語展開はありません。まあ,それは映画版『きょうのできごと』を観ていれば分かることではありますが。しかし,確かになかなか魅力的な作品を書く作家ではありますね。単に風景に対して鋭い観察眼をしているだけではなく,人物描写についてもいえます。
ところで,文庫版には川上弘美さんが解説文を寄せています。これがなかなかコンパクトながら鋭いところをついています。といっても,私はまだ柴崎さんの作品を2冊しか読んでいないのに対し,川上さんはこの解説のために,���んだものは読み返し,読んでいないものも読むという徹底ぶりで柴崎さんの作品世界の特徴を捉えたというから当たり前か。その解説文で,川上さんは柴崎さんを唯一無二の存在と表現していますが,これは有り体の表現としてではなく,柴崎さんであっても,ちょっとした日常の出来事の展開の違いで作品は変ってくるという。つまり,さまざまな偶然性がもたらすものが柴崎作品の特徴だという。柴崎友香という確固たるアイデンティティを有した作家としてではなく,自分の周囲に起こる日常のさまざまな出来事の影響のなかで,彼女はコンテクスチュアルに作品を生産するとでも言い換えることができましょうか。地理学的にもなかなか興味深い作品です。
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読んでいて非常に心地よい作品だった。
普通の大阪の若者が、自然な大阪弁で素直な気持ちを語っているからなのかな。
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毎日小さな変化を繰り返して、新しい朝がくる。同じような日々もすごく貴重なんだなぁ。小さな変化はふっと気づいたら当たり前になってる。それの繰り返し。