紙の本
哀しい闘い
2020/03/28 00:52
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投稿者:とりこま - この投稿者のレビュー一覧を見る
楊家軍との闘いの最中、石幻果はすべての記憶を取り戻す。苦悩の末、楊四郎を棄て、石幻果とした改めて生きることを決意する。六郎や七郎たちは簡単には受け入れることができない。そこにひとつの哀しみがあるが、楊家軍は宋軍の中でも孤立し、誇りを示すことこそ闘い、と己を貫く姿は、また哀しい。が、美しくもあった。
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比較的戦闘シーンが少ない、楊家の人間の死に様が割とアッサリ過ぎる。
特に楊五郎が出てきた理由も分からない…俺の読解力が足りないせいか…
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最後の決戦のむなしさと悲しさをおもいます。
楊六郎
楊七郎
楊九妹
楊延光
耶津休哥
石幻果
上巻に五郎を出しおけばよかったと思うのは、私だけでしょうか。
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読破。やはり楊家の親父&7人兄弟のがいない魅力をカバーできず、全体的にストーリーが薄れている感は否めなかった。最後も悲しい終わり方に納得できるものの、やはり物足りなさが残る。ということで、☆3つ。
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楊一族の生き残り六郎と七郎は、帝の要請により楊軍の再建に力を傾け、遂に十分な兵力を整備するに至る。一方、元楊四郎であった遼の石幻果は、楊軍の一員であった頃の記憶を蘇らせ、その境遇に戸惑い思い悩む。そして、楊四郎としての自分を死に至らしめ、遼の石幻果として生き抜くことを決意する。また楊六郎、七郎も四郎が石幻果であることを知り思い悩み、密かに接触も試みて、四郎の決意を知る。そして、宋と遼、両国の決戦を迎え、楊家の悲劇は再び繰り返される。何という結末であろうか?!
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【もはや、その任に耐えず】
宋という国に翻弄された楊一族。
そして、自身との決闘のうえ遼に行った四郎。
なんともやるせない切ない話に仕上がる。それでいて戦や取り巻く文官や国・政治の絡みもしっかりと書かれている。
楊家のこの4冊はかなりおもしろかった。
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石幻果として生きることを決意した、楊四郎。
楊六郎との対決は、宋軍の中での楊家軍は。
遼と宋との国をかけた戦い、登場人物が次々と
なくなっていくが佳境に繋がって行く。
宋創設のあまり表に出てこない、男と男の物語であった。
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ある意味水滸伝やら楊令伝よりもコンパクトで面白いかも。
でも、水滸伝やら楊令伝があるから面白いのか?
いや、これだけで十分に面白い。
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読み終わった!!
何だろこの高揚感!そして、宋と云う国に対して湧き上がる苛立ちは!
いや、もう国家ってこんなもんかと割り切るしかないのかなー。
楊業の無念さや六郎の絶望に心が痛みます。
素晴らしかった!!
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血涙続き
なんと石幻果の正体はあろうことか記憶をなくした四郎だった。
過去の家来にも気づかず剣を振る四郎
そして六郎の吸毛剣とのまじわりによって記憶を取り戻しどちらの人間として生きるか苦悩する。
血涙の意味が分かります。
宋のためではなく楊家という武家の誇りにかけて戦う男、女のドラマです。
誇りとは何か、何のために生きるのかを考えさせられる一冊
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楊家将の続編。
楊家将下巻、最後の戦で父楊業をはじめ多くの兄弟を失た。
残った六郎、七郎、が中心になり楊家を再興して行く物語。
楊家の娘九妹、亡くなった長男延平の息子延光も加わり
残った家臣たちも武将としてだけではなく、それぞれの仕事を
新しくもち遼と戦っていく。
楊家を再興するに当たり、武だけではなく物資や馬を集めるという
仕事に生き残った武将や前の戦で負傷をおった者たちがあたり
いかにして楊家を再興していくかまでもが描かれている。
遼の耶律休歌軍には、新たに石幻果という武将が加わりこれでま以上に
強くなっていく。
石幻果の過去が謎でそれが徐々に明かされていく。
楊家がこの物語では主役ではあるが、耶律休歌の生き様も主役なみに
描かれている。
=ネタバレ=
石幻果は前の戦で死んだとされていた楊家の四郎だった!
四郎は頭をぶつけ完全に記憶うしない遼軍の将軍になって宋と
戦うが、楊六郎と剣を交えた際に記憶が蘇り自分はどうすれば
いいのか悩む。
遼では父と慕う耶律休歌に剣で切られ、四郎は完全に石幻果として
生まれ変わる。
僧になり生き延びていた楊五郎とも六郎、七郎は再会を果たすが
五郎は石幻果を殺せるのは自分だと信じ戦いをいどむが石幻果に
逆に殺されてしまう。
そして宋と遼は自国の存亡と悲願をかけた戦いに突入する。
宋の文官、武官たちは武の家である楊家を捨て駒として扱うが、
六郎は宋の為でも王の為ではなく、楊家の誇りをかけて戦う。
九妹、延光、七郎までもが石幻家に倒されてしまうが
六郎が石幻果を倒す。
遼と宋は結局協定を結び戦いは終わる。
楊家は解体され六郎は新たな暮らしをはじめ、石幻果の息子英材が
六郎を訪ね、その時のことを語る場面で物語は終わる。
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「楊家将」の続編。北方小説の例に漏れず、不世出の豪傑達が信念を愚直に貫き、死んでいく物語。しかし、今回は少し違う見方を提案したいと思う。
それは、政治と軍の関係という視点。前作は五代十国の後期、宋が北漢を併合するところから遼への親征まで、本作では親征の2年後から澶淵の盟が結ばれるまでの物語が描かれている。時代背景を簡単に要約するなら、多数の国がお互いの国家主権を軍事力で脅かしあっていた戦国時代から、宋・遼という2大国家に集約され、その2国間でも同盟が結ばれ平和が訪れたという時代。この時代の流れの中で、軍に求められる役割は劇的に変化していく。平和な時代に向けて強力な軍閥は不要とされ、政治の扱いやすい軍が求められていく。澶淵の盟を結ぶ直前、決定的に軍閥が不要となる中で、宋・遼最強の軍閥である楊家軍、耶律休哥軍の決戦が命じられる。
政治と軍の関係は今の世界情勢を考える上でもホットなトピック。ジャスミン革命を発端とした一連の民主化運動は、各国の軍がどのように関与するかで民主化が成功するか否かが左右されると言われていた。リビアの軍になぜ傭兵しかいないのか考えることで、多民族国家の国家運営の難しさが理解できる。本書を読みながら、世界情勢に思いを馳せるのも楽しいかもしれません。
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楊家将・血涙 全4巻の最終章。
宗にとっての楊家軍の立ち位置の変遷をみていると、国の繁栄に対して、政治と軍との距離感というか関係性を考えさせられる。ここでは楊家に感情移入してしまっていたので、虚しさを感じてしまったが…
石幻果は自分自身と決着をつけながら、かつては孤高の白い狼だった耶律休哥と親子以上ともいえる絆を深め、耶律休哥は軍人としてこの上ない死に方で人生の幕を閉じる。このように遼軍側は、よりパーソナルな人間ドラマが描かれているように感じた。
今までのように盛り上がりや期待感に溢れた劇的な感じではなく、終盤は沈静化ともいえる終わりかたなので、3冊続いた疾走感は失速していく感じがあったが、落ち着くところにおさまった感じはして、静かな満足感は得られた。
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棺桶に入れたい一冊。
北方節が炸裂。
楊家将から続く続編で、こちらは兄弟愛を中心に描かれている。
こっから青面獣楊志や楊令に心意気が繋がっていくのだと思うと、
ぐっとくるものがある。
(水滸伝や楊令伝に全然関係はしないけれど)
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複雑。
血涙は遼と四郎を中心として動く。
北方謙三は、四郎の生きざまに惹かれたんだと思う。
「技のぶつかり合いでなく、意地のぶつかり合いでも、生命そのもののぶつかり合いでもない。強いて言えば、哀しみと哀しみのぶつかり合いだった」
四郎(石幻果)と五郎の戦いのシーン。
四郎の生きざまと楊家の流す血の涙が血涙のテーマなのかなぁと。
そして、吹毛剣が楊家を導く。
てか、五郎が魯智深そのものだったところなど、水滸伝、楊令伝へのオマージュが…
個人的に、一番てつまらないかもしれないかもしれない「単なる楊業の敵討ち」という結末を期待してたけど、そうならずによかったのかもしれない。