投稿元:
レビューを見る
「器を探して」が、ちょっと唯川恵の「恋人たちの誤算」とかぶったけど、全然違う結末にびっくりして。
まさに小気味よい裏切り!
小学校の時に読んだ森絵都とは全然違う雰囲気で、すごく好きだった。
最後の短編の 風に舞いあがるビニールシート には泣かされました。
投稿元:
レビューを見る
第135回 直木賞受賞作品が文庫化。
短編6編収録。
どのお話も自分の夢や信念を貫く人々を書いています。
書かれている人々は、10代の若くて突っ走る感じではなくて、けっこういい歳の大人です。
その情熱がまわりの人に理解されなかったりもしますが、貫き通しています。
どのお話も、困難にぶつかりつつも最後は明るさを感じさせられてあたたかい感じがしました。
投稿元:
レビューを見る
短編集だけど、どれも綺麗事だけじゃなくて、人間らしいのが良かった。
最後の『風に舞い上がるビニールシート』は涙が止まらなくて後を引いてしまった。
投稿元:
レビューを見る
本屋に行くたびずっと目に入ってきていた本
雑誌を見ていてふと目線をはずした時この本がまた目に入ってきたのでもうこれは読むしかないかと
表題“風に舞いあがるビニールシート”が最後にくる、6篇の短編集
みな様々な形で一生懸命に生きている
不器用でもそうでなくても、どんな人でもたまには立ち止まったり内省したり
でもメランコリックで終わるんじゃなく、つまずいても前に転ぼうとしている感じが好感をもててよかった
読んでいる時
わちゃわちゃな声も疲れた誰かもレールー音も全部消して
例えばBGMに矢野絢子さんの“てろてろ”でも流して
しゃ〜!今からまた頑張ろうって
電車に揺られながら思った
投稿元:
レビューを見る
おもしろかった。とくにラストの話は印象的。突拍子もないタイトルに思えるけれど、読み終わったあとは頭の中にすんなりとタイトルのイメージが定着している。ぴったりだ。
自分にとって大切なものが何なのか、いつでも意識していられる人はそう多くない。日々の生活に追われているうちに、いつのまにかフッと見失っていたりする。そのことに気づいて後悔をしたり悲しんだり、人生っていうのはそんなことの繰り返しだ。でもそれが本当に悲しむべき、後悔すべきことであるのかはあとになってみないとわからない。果てはそのとき最も大切だと思っていたものでさえ、時間が経てば怪しいものだ。もっと大切なものが出現しないともかぎらない。
要は、どう転んでもとにかく生きていれば何かしらの大切なものが現れる。その時その時で、自分ができる精一杯でそれを大切にできたかどうか。
投稿元:
レビューを見る
才能豊かなパティシエの気まぐれに奔走させられたり、犬のボランティアのために水商売のバイトをしたり、難民を保護し支援する国連機関で夫婦の愛のあり方に苦しんだり…。自分だけの価値観を守り、お金よりも大切な何かのために懸命に生きる人々を描いた6編。あたたかくて力強い、第135回直木賞受賞作。
「犬の散歩」はすごくよかった。
泣きそうになる。作者の実体験も含まれているんだと思う。
こういうの読むと人間の無責任の犠牲になった犬たちは人間が責任を取らなきゃいけないんだなって思う。
犬を飼うなら、買うんじゃなくて、絶対もらってくる。
投稿元:
レビューを見る
表題作を含む短編6作。短編集だと大抵、「これが好き!」「これはあまり好きじゃないなぁ」というものが少なからずあるのですが、本作は全てが良かったです。
全く違うテーマを織り込んだ物語なのですが、どの作品も読後感がよく爽やかです。「犬の散歩」や「風に〜」は、重いテーマも織り込まれているのですが、思い悩む主人公の姿が真っ直ぐで気持ちがいいのです。「守護神」でも、レポートテーマの古典に関して詳しく書いてあるのに脱帽。本当に、読ませますぅ〜!!!
「風に〜」はとても良かった。書き出しと終わりが絶妙です。
第135回、直木賞受賞作。
投稿元:
レビューを見る
1人の1日を描き、1人の生き方を表現する。
私は何に価値をおいて生きているのか、と改めて自分と向き合いたくなる4編☆
《所持》
投稿元:
レビューを見る
本の帯の“直木賞受賞作、土曜ドラマ化決定!”のフレーズに誘われるままに、つい手にした文庫。
外資系の投資銀行に勤めていた帰国子女の里佳は、ある事で仕事の誇りを失い
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の東京事務所に応募し、
一般職員として採用になり、その時の面接官の一人が後に結婚することになるエドであった。
彼は、常々誰かが、手を差し伸べて引き留めなければならないと、フィールドでの
仕事に心を傾け、死と隣り合わせのアフガニスタンへと赴く
表題作の「風に舞いあがるビニールシート」
気まぐれなパティシエの望みを叶えるため、美濃焼きの器を探しに奔走し
恋人からは、どちらを選ぶのかと突き付けられる始末の弥生の「器を探して」
捨て犬の保護運動するボランティアのために水商売のアルバイトをする恵利子の「犬の散歩」
仏師になる夢に挫折し、仏像修復師の道を歩む潔の「鐘の音」など
あまり馴染みのないお仕事であったり
何かに懸命に生きてる人たちが登場する6篇の短編です。
とりわけ表題作「風に舞いあがるビニールシート」は、感銘した!
一時帰国したエドが里佳にもフィールドへの仕事を勧めるやりとりで里佳は彼にこう言う
「・・・夫婦は一つの人生をともに全うするものよ」と、
男女の価値観や夫婦としての在り方を考えさせられる。
読み終えて、あったかい気持ちになれます。
投稿元:
レビューを見る
6つの短編からなるこの本。
後に行けば行くほど本に吸い込まれて行きました。
お金よりも自分の大切なものに生きる人々を描いたこの本。
大切なものをいくつも手に入れた気がします。
以下、自分の心に刺さった言葉をいくつか。
【「食」は人類に最も手近な、そして平等な満足と幸福をもたらす賜りものである】〜器を探して〜
【自分には関係ない、と目をそむければすむ誰かや何かのために、私はこれまでなにかをしたことがあるだろう?】〜犬の散歩〜
【あなたも恰好つけてばかりいないで、時には弱音の一つも吐ける友達を見つけなさい】〜守護神〜
【でも俺たち、いつまでもそういうバカでいたいなって、十年前に話してたんっすよ。そりゃ10年も経てば誰だって仕事してるだろうし、結婚もしてるかもしれないし、もしかしたら子供だっているかも知れない。今よりも大事なもんが増えて、責任も、足かせもいろんなもんが増えてるだろうけど、でも十年のうちでたった一日、みんなと草野球が出来ないような人生はごめんだよって】〜ジェネレーションX〜
【誘われて困るなら、はっきりノーと言えばいい。職場環境は相互の意思と努力で築いていくものだ】〜風に舞いあがるビニールシート〜
気持ちいい本ですね◎
投稿元:
レビューを見る
才能豊かなパティシエの気まぐれに奔走させられたり、犬のボランティアのために水商売のバイトをしたり、難民を保護し支援する国連機関で夫婦の愛のあり方に苦しんだり・・・。自分だけの価値観を守り、お金よりも大切な何かのために懸命に生きる人々を描いた6編。
投稿元:
レビューを見る
大事なもののために一生懸命に生きる人たち。それはすべて、「自分の価値」であり、人それぞれ違うものやけど、何かに一生懸命なのは変わらない。最高傑作。
投稿元:
レビューを見る
『風に舞い上がるビニールシート』
『ジェネレーションX』
がかなり感性にしっくりきた。
子供のころ『DIVE!!』とか『カラフル』とかけっこう親しんでたつもりだったけど、
森絵都の本、大人になってから初めて、ちゃんと読んだかも。
艶やかな文章だなーと感じた。
「そのとき、不謹慎な高まりを感じたのを覚えている。
このドアの向こうにドラマティックな悲劇が待ち受けている。
普段の日常からは及びもつかないような、自分という人間を底辺から揺さぶり変質させるような、そんな決定的な出来事がひそんでいるのではないか、と。」
投稿元:
レビューを見る
才能豊かなパティシエの気まぐれに奔走させられたり、犬のボランティアのために水商売のバイトをしたり、難民を保護し支援する国連機関で夫婦の愛のあり方に苦しんだり…。自分だけの価値観を守り、お金よりも大切な何かのために懸命に生きる人々を描いた6編。あたたかくて力強い、第135回直木賞受賞作。
投稿元:
レビューを見る
とても切なくていたいけな人たちがたくさん出てきて良かったー。
犬の話はいまいちだったけど、それ以外は全部良かった!
やっぱり大事にしなきゃいけないのはお金とかじゃないんだろうなー。
こういう不器用な人のこころの中がのぞけるみたいだった。
それにしても最後の話は本当によかった。
エド大好きになってしまった。
あったかいおうちで迎えてあげたいのに、それが彼の負担にしかならないなんてー
価値観の違いって超えられない壁なのかも。