- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
8 件中 1 件~ 8 件を表示 |
紙の本
暗黒の世界で生きる生物
2024/01/14 11:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DB - この投稿者のレビュー一覧を見る
「暗黒街のモンスターたち」というサブタイトルが目を引きましたが、普通に深海魚の生態標本の図鑑でした。
光が届かず水圧がかかる過酷な暗黒の世界で独特な姿に進化したのが深海生物ですが、その中でも特異な形態や生態を示す種が最も多くいる魚類に絞って掲載しているそうです。
なので最初はチョウチンアンコウの仲間からはじまります。
確かに鋭い歯と大きな口を持つチョウチンアンコウの顔をアップで見れば「モンスター」だ。
深海魚の中でも知名度ナンバーワンのチョウチンアンコウですが、アンドンモグラアンコウ、ローソクモグラアンコウ、ペリカンアンコウ、ユメアンコウ、シダアンコウと仲間たちが並んでいる。
それぞれ姿が違うのはよくわかるが、釣り竿のような突起物がついているのが共通している。
しかしチョウチンアンコウ研究の大家を「ユメアンコウにそっくり」と本に書いてしまうのは言われた本人的にどうなんだろう。
エソの仲間やイワシの仲間が続きますが、どれも発光を利用して採餌をしたり、繁殖時のアピールにしたり、身を隠すのに使ったりとさすが暗闇の世界だ。
その発光方法も種類によって違うようで、進化の道筋って面白い。
標本の写真集なので光っている姿が見れないのが残念です。
深海ザメもいろいろと出てきますが、まずはダルマザメ。
この「クッキーカッターシャーク」と呼ばれるサメが獲物に噛みつき肉を齧り取る方法が詳しく説明してあった。
舌の吸引力と体の回転で肉を齧り取るのはアイスクリームスプーンに似ているそうで、「クッキーカッター」というよりも「アイスクリームスプーン」の方が名が体を表すには合っているとか。
サメが餌を探すのは嗅覚なのか他の感覚なのかを調べる実験の話が紹介されていた。
カレイが隠れている水槽にトラザメを放すと、砂を吹き付けてカレイを探し出し食べてしまうそうですが、カレイを寒天の箱に入れて匂い付きの水が他の場所から出るようにしてみたり、ポリエチレンのシートで覆って匂いを遮断したり、カレイが体内で発生するのと同じ弱い電気を発生する電極を砂の中に埋め込んでみたりといった実験だ。
その結果トラザメは獲物を探すのに電流を使っていることが分かったそうです。
他にもラブカやミツクリザメといった有名な深海ザメや、水族館で見たことのあるミドリフサアンコウも紹介されていた。
標本なので皮がむけてしまっている部分もあって生きている姿は想像するしかないが、眺めているだけで深海の世界がイメージできる図鑑だった。
8 件中 1 件~ 8 件を表示 |