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投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間に飼いならされた犬の血を4分の一引いている狼が主人公。人間ではなく狼を主人公にすえているということで、深い心理描写はできず、作中で取る行動の理由が本能や環境への馴化ということになり、さらに20世紀初頭の科学常識に基づく作者の解釈も相俟って、少し気になるところもあるが、面白かった。
物語を通して語られているのは、自然対文明ということであり、野生の狼である主人公は犬の血を引いていることで文明の下にくだり、人間に飼われるが、自然生まれなので他の犬を圧倒していく。
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2010.01.17. p.179 第3部 荒野の神々・第1章 火をつくるもの まで読了。病院の待合いや、病院の待合いでばかり読んだので、しんどい印象が大きい。返却期限がきたので、やむなく返却。先に「野生の呼び声」を借りて読んだ方が良かったかな。
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昔、読んだはずだがストーリーはすっかり忘れていた。
健気なホワイト・ファングに心を奪われます。
こんな犬を飼ってみたいです。
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昔から大好きな小説でしたが、新訳という事で新たに読んでみました。
確かに、昔の訳より格段にとっつきやすくなっています。
所々以前と違う訳がありますが、どちらが正しいかは原文を読まないと解らないですね(笑)
動物描写は確かに凄いのですが、人間描写になると作者の人種差別や階級差別が感じられてしまいます。が、作者の時代だと仕方ないのかも…と割り切って読みました。1番目の飼主と3番目の飼主の設定が逆転していたら、もっと素直に読めた気がします。
しかし、それを差し引いても、ホワイトファングがかわいくてかわいくてかわいくてかわいくて仕方ないです。モフモフしたい!確実に噛み裂かれますが。
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自然と言うのは、なんというか厳しい。犬が獲物を狩るような弱肉強食もあれば、人が犬を殴って言うことを聞かせるのもきっと弱肉強食って事なんだろう。このあたり、昔の本はごまかしがなくてすごい。しかしインディアンと白人の差別っぷりもなかなか。これまた今の本じゃこうはいかないだろうなー。
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「野性の呼び声」と対をなす長編。バックが飼い犬から野性に帰る物語だったのに対して、こちらは北米の原野で生まれた1/4犬であとは狼であるホワイト・ファング(白い牙)が主人公。厳しい自然を生き抜くも、人間たちの残虐な扱いから、相当偏屈になってしまったホワイト・ファング。孤高でぶっきらぼうなホワイト・ファングを変えたのは優しいスコット。一途にスコットを慕うさまは、恋してるの?と思うほど。でも犬を飼ったことのある人ならこれが大袈裟ではないとわかる。誰にでも尻尾をふるわけではないのにご主人様の命を救うためなら命をかける。
動物が擬人化されているわけではないのがよかった。子ども向けに訳されたものが昔あったらしいが、深町眞理子訳で完訳のジャック・ロンドンの長編2冊おすすめ(^^)柴田元幸訳の短編集「火を熾す」もドライで印象的な作品です。
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B933.7-ロン
時が経ってから無性に読み返したくなる本が、この「白い牙(White Fang)」です。この作品は、作者となるジャック・ロンドンが1906年(110年前)に発表し、動物文学の世界的傑作といわれています。
物語は金採掘が盛んだったゴールドラッシュ時代の19世紀末の極寒の北米を舞台にしています。主役となる狼犬が野生の本能を残しつつも、共存関係を築くためのルールを学び、主人から受ける優しさから愛情という感情を知ります。時代背景は古いものの、毎回新鮮な気持ちで読み進めることができ、読み終わった後に心穏やかで爽快感を味わえる1冊です。
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「犬の血を4分の1引いて、北米の原野に生まれた狼「ホワイト・ファング(白い牙)」。親や兄弟が次々と死んでいく“自然”のなかで、強く、狡く生きていく。だが、あるとき人間に飼われることになり、人間の残虐さや愛情に触れることで、心のなかにさまざまな葛藤が生まれるのだった。」
「子どもの頃の私は、ホワイト・ファングの気持ちになって、この本にのめりこんだ。犬の話ではなく、冒険の話として読んだのだ。はじめて自分で狩りをして、雷鳥の雛を食べる場面では、柔らかい肉と口の中にあふれる生暖かい血を思い描き、それを本当に「おいしそうだ」と思った。現実世界では、わたしはかなり大人しい、無口な女の子だった。運動はなにをやらせてもダメで、男の子たちにもしょっちゅう苛められていたけれど、この本を読んでいる間、わたしは一頭の狼犬になった。自分を苛めようとするものには一瞬でとびかかり、のど笛に歯を立て、だれにも心を許さない狼犬。それが、わたしだった。」(近藤史恵『10歳までに読んだ本』)