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君が降る日 みんなのレビュー

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みんなのレビュー122件

みんなの評価3.9

評価内訳

122 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

本作は“痛いけれども心地よい”島本ワールドのエッセンスが詰まった作品集である。自分の進むべき道をひたすら着実に進んでいる島本さん。結婚されて幸せそうですね。今後もずっと純真でかつ瑞々しい作品を書き続けて欲しい。

2009/05/24 18:52

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る

初出papyrus。
3編の中編からなる作品集。

かつて島本さんの大ファンだった時期があった。
彼女の代表作だとされている『ナラタージュ』、当時そのセンセーショナルな三角関係の内容に大いに共感したのであるが、その後やはりプレッシャーが強かったのかあるいは、『ナラタージュ』で精根尽き果てたのか定かではないが、やや尻すぼみ的な感が否めなかった島本さん。
しかしながら本作で島本ワールドが帰ってきたと確信したいと思うのである。

本作は一番長い表題作の「君が降る日」がいちばんインパクトが弱いかなと思われる。
恋人(降一)を交通事故で喪ってずっと引きずっている主人公の志保。
車を運転していて軽傷ですんだ五十嵐と接近するのであるが、やはりいつも降一のことを忘れることが出来ない志保。
少し五十嵐の描き方が男性読者からしたら滑稽に感じないでもないのだが、切なく仕上がっていると言えばそうとも取れる一編。
主題的に書きにくいですよね。
まあ同じ悲しみを持つ2人の恋愛なんだろうけど、引きずりすぎとも取れないかな。
五十嵐も他にいい子見つけなよとアドバイスしたいです。
女性読者からしたら博多に会いに行った主人公にイライラでしょうね。
でもこのイライラ感が島本作品の真骨頂ですよね。
亡き恋人の弟祐嗣が良い味出してましたね。

続いて年下の彼氏が出てくる「冬の動物園」
これは結構軽めかな。
5年間付き合ってた彼氏に振られた主人公OLが英会話教室で高校生の森谷君と知り合い再生して行く物語。
なんといっても森谷君が初々しくかつ頼もしくて読者をもリードしてくれるのである。
恋愛が始まる前を描いた秀作と言えよう。

そして最後の「野ばら」。テーマは“すれ違い”ですね。
内容は割愛します、読んでのお楽しみということで。実はこれが一番のお気に入りですね。
島本さんの小説を読むといつも“恋愛ってドラマなんだな”と痛感するのであるが、この作品は読者の胸の中に突き刺さるような痛さがある。
読者が実生活で体験している、恋愛のもつ楽しさ、喜び、そして苦しさ、悲しみが短い作品に凝縮されているのである。

3編とも終わり方がハッピーエンドではないんだけど、そこが島本さんらしく余計に読者の想い出に残るのである。
まるで読者の恋愛を応援するが如く、切ないんだけど少し余裕を感じさせられた作品でありました。

それぞれの主人公たちに共感できたでしょうか。
やはり男性読者はアドバンテージがあるのでしょうかね。
私は私なりにおぼろげなりに共感できました(笑)

恋愛小説はひとそれぞれ、性別や環境によって捉え方が違っていいんじゃないでしょうか。
これは個人的な達観した感想であるが、島本さんが恋愛を描くとそうですね、たとえば恋愛の残酷さを描いたとしてもそれが読者の前では切なく時には清々しく感じられるのですね。
とりわけ最後の「野ばら」にはそういう部分が凝縮されてたのかなと思うのである。
代表作『ナラタージュ』で感じられた胸の締め付けられるような思いというほどでもないけれど、切なくてやり切れない部分が読者を襲い、それがとっても心地よく読者の胸のうちに吸収できるのですね。
まあ、公私ともども島本さんって幸せなんだなと認識出来そうですね。
文は人を表しますもの(笑)

もし現在恋愛中で少し悩みが伴っているあなたが読めば、恰好の処方箋となる一冊だと確信しております。

悩み抜いた恋愛は人を成長させる、あなたも悩んでください。

“痛いけれども心地よい”島本ワールドのエッセンスが詰まった作品集なのである。

続活字中毒日記

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紙の本

解放された魂。広げた翼は白く輝く。

2009/07/20 00:22

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:はりゅうみぃ - この投稿者のレビュー一覧を見る

「恋」
とてもよく知っているのに、これほどわからないものもない。

何がどうなったら「恋に落ちた」と言えるのだろう?そもそも自覚すら難しいのに証明することなど無理な話だ。
ただ、相手を想う時心を満たす「何か」がある事だけは実感できる。大概それは温かく、思わず笑みの浮かぶような幸せな感情だが、なかには辛い痛みを伴うものもある。
そして作者はいつも後者に目を向ける人だ。

第18回山本周五郎賞候補作にもノミネートされた「ナラタ―ジュ」で感じた、贖罪の恋愛感は今作も健在だ。
この作者の描くヒロインはいずれもみんな、自分を求めて差しのべられた手を必ず振りほどいている。即座に振りはらったり、一度手に取ったのち手放したり、そもそも気付かなかったり…。
意図的でも無自覚でも、とにかく手に取らなかった自分の選択を歯がみ、後悔し、でもその選択を正す気のない自分への怒りと嫌悪すら持って贖罪しながら1人で生きていく。

恋愛小説と銘打ちながら作者は「恋愛=魅かれあう男女」を描かない。「男」を通して「女」である自分を見ているだけだ。むしろ自分を見つめる手段として他人が必要で、それがたまたま「男」だったから「恋愛小説」という形を取っただけ、と言える。

つまり作者は初めから「恋愛小説」を書こうとしていない。ヒロインと同じ生き方をしてきた作者の懺悔の告白を小説にしているのだ。
贖罪の触発が男性でなければならなかったのは、作者が男性を明らかに違う生物として別格視しているからだろう。
おそらく作者にとって「男性」とは側にいて欲しいのに側にいても苦しくなる、自分でも持て余す感情を抱かせる不思議な存在だったのではないだろうか。苦しみながらもどこか王子様然とした男性像がその事を裏付ける。
自己憐憫と自己嫌悪。男性不信と男性崇拝。
せめぎ合う作者の感情がそのままヒロインの葛藤となって映し出されている。

この作者にとって作品とは、一番見つめたくないものを見つめる事で初めて生み出せるいわば勇気の結晶だ。向き合う勇気に比例して作品の純度が高まるのだから因果と言うよりない。
せめて世に出して人の目に触れさせたい、と思うのも道理だろう。そうでなければこのような自傷行為、耐えきれるはずがない。

そんな作者が表題作で「恋人の死」という自分の意思にかかわらず否応なく手から切り離される立場を描いたのは、大きな変化のように思える。

懺悔とは結局内なる自分を見つめての行為、他人に触発はされても他人を踏みこませない自己完結の行為だ。
しかし今作のヒロインはいずれも、自己完結しながらも周り(他人)を見回す余裕がある。
憐れんで謝って後悔して終わりではなく、母に、妹に、友人に(これらはすべて女性だ)感謝を伝える気持ちがあるのだ。
これは作者の「男性」への不思議意識が薄れてきたせいとも言えるだろう。

調べてみると作者はこの作品の頃、ご結婚されている。やっぱり。


読後感は相変わらず苦しい。ヒロインは結局1人だから。
でも寂しいままでいるとは思わない。

作者はもう、それを望まない。

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2009/04/07 19:25

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2009/04/12 20:13

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2009/05/01 13:11

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2009/05/30 10:35

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2009/07/05 04:47

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