紙の本
セキュアベースな一冊
2009/05/09 07:41
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書はNHKの人気番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』をベースとした、「脳科学の最新の知見と、プロフェッショナルたちの貴重な証言が融合して生み出された、脳を活かすための指針の書」(5頁)で、単にTV番組からの抜粋ではなく、まことに刺激とヒントに満ちた一冊だ。
番組で紹介されたプロフェッショナルたちの勇気と示唆に富んだ発言も多く収められているが、七対三の割合ぐらいで、茂木健一郎の脳科学の論考の方が多いかもしれない。そのあたりが従来のダイジェスト版的な色合いの出版物とはちがう、この本の良さでもある。
もちろん、それは茂木だけでなく、この本に携わった人たちの「編集力」として評価されていい。本書に「成功というドラマは、多くの人々を巻き込んだ共同作業」(219頁)という表現が出てくるが、この一冊もまたその言葉にふさわしいといえる。
本書では五つの章立てで、「脳活用法」を説明している。
第1章の「ひらめきの極意」から「プレッシャー克服法」「やる気を高める」「創造性を豊かにする」、そして「制約との付き合い方」と続く。
さらに、それぞれの章に「脳科学」の用語がちりばめられている。例えば、第4章の「創造性を豊かにする」では「ネオファリア」「オープンエンド」「メタ認知」といった言葉がつづく。
そして、脳科学という学問の領域だけでなく、それらの具体例としてプロフェッショナルたちの発言がおかれている。「脱抑制」という項目で「仕事を忘れたとき、いい仕事ができる」という映画プロデュサー鈴木敏夫の言葉が紹介されているように。
しかし、番組で紹介された100人以上のプロフェッショナルたちが脳科学についての知識があったわけではないことに注目しなければならない。
彼らが評価される過程において、相当の努力がなされたことは忘れてはいけないし、無意識下での決断(それは運ともいえる)もあったにちがいない。
それらを振り返って言葉にした時、初めて科学的にも説明がつけられたといえる。もしかして、プロフェッショナルたち自身があらためて自分の言葉の意味を理解したかもしれない。
ここには人生訓話ではない、多くの生きるヒントがある。
「未来に向かって明るく生きていくため」、何度でも読みかえすだろう、「セキュアベース(安全基地)」のような一冊といっていい。
◆この書評のこぼれ話はblog「ほん☆たす」で。
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私の大好きな茂木さんの著書。
読んでみたものの、スペシャル番組の活字版っていう感じで内容的に目新しいものはなかった。
茂木さんの著書が好きでかなり読んでいることもあり、
彼の主張をだんだん覚えてきた。
良いことだ。
茂木さんは言うことが一貫しているから、
読み手も一貫して理解できる。
私も早くプロフェッショナルの脳になりたいものですね。
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茂木健一郎さんの新書。作者が司会をする「プロフェッショナル仕事の流儀」の今まで100人を見てきたその経験を通して、
成功者の持つ法則を書いたものです。共感出来るフレーズがたくさんありました。
神様は脳のトリセツを用意してくれないものの、これらのフレーズを大事にしながら生活していきたいものです。
構成は
1章 ひらめきの極意 プロに学ぶアイデア発想法
2章 プレッシャー克服方 プロに学ぶ難関突破の秘訣
3章 やる気を高める プロに学ぶモチベーションアップ法
4章 創造性を豊かにする プロに学ぶ仕事を楽しむ方法
5章 制約との付き合い方 プロに学ぶ現代生活における思考法
個人的に気になったフレーズは以下でした。
1章 古野 隆雄(農家)
やはり現場の中で考えるということだと思います。問題を問題としてまず意識すること。
何が問題なのかを現場の中で考えていくことで、すでにもう解答に近づいていると思う。
〜 自分自身がそこに関わる中から問題点が見えてくるんです。
3章 古野 隆雄(農家)
〜 実力が自身をつくるのではなく、自信が実力をつくるのではないかとおもう
4章?多和田 悟(盲導犬訓練士)
一番大事なのは、目的が何であるのか、それが常にブレないことです。
?祖母井 秀隆(サッカークラブ GE)
結果も大事ですけど、それ以上に、サッカーを通して何をするか、それを自分の生き方の中に
きちっと捉えていきたいと思っています。
?佐藤 陽一(ソムリエ)
お客様が店にこられた目的の違いで、選ぶワインが微妙に変わってくることがある
?小野二郎(鮨職人)
自分に合う仕事なんかないですよ。自分が仕事に合わせなきゃいけないでしょう。
だって、まるで経験のない人が、あれもダメ、これもダメと言っていたら、やる仕事なんてありませんよ。
だから仕事というものは、与えられたらそれが天職だと思って、一所懸命修業すればいいと思います。
そうすれば誰だって一人前になりますよ。
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これだ!と選べなかった。どれもこれも為になる言葉だったから。今の自分が何が必要か、考えてからもう一度読むと違うのかな。
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日本で活躍している100人のプロフェッショナルがどのようにして最前線
で活躍しているなかでも、とても驚くべき部分もあったし、実際取り組んで
みようと思ったところがたくさんあった。一流のプロフェッショナルたちは
自分の目標の軸は絶対曲げないということは共通して言っていた。ここで
僕も目標を持って生活しなきゃな。と思えた。この本を読んで特に共感でき
たのが、誰も自分の欠点は見せたくないもの、だが自分の弱さを冷静に受け
止められるこれは強さだ!!この言葉に大きく共感できました。事実ぼくは
欠点隠したいほうなんで、とりあえずお勧めです!!
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隙間時間に読んだので、読み終えるのに
すごく時間がかかり内容をあまり覚えていません・・・
なのでランクも「評価しない」にしました。
ミラーニューロンやホメオスタシスという言葉が出てきたのは
やっぱり脳科学ではよく出てくるのかなという感じです。
茂木さんの本をまた読んでみたくなりました。
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・目からウロコが落ちるとはこの事だろうと思う。脳というものは、内臓の一つである、生きる為に活動している器官であると認識していたが、この本は、その脳の“取扱説明書”になりうる、というのである。どういう事なのか読み進んでいくうちに、脳というのは、一言でいえば、気持ちの持ち方ひとつでコントロールできるというのだ。もっと平たく言うと、考え方次第で、未来への不安を取り除き、前向きに生きることができる、ということがわかって驚いた。
例えば、顔は脳の窓と言われており、たとえ作り笑いであっても、顔の筋肉が笑顔の形に動くだけで、脳の中に報酬物質であるエンドルフィンが放出されると、プレッシャーの中でも冷静な判断ができるようになる、というのである。 これは、脳のしくみと、顔という筋肉との関係についてであるが、他にも、家族などの、“セキュアベース(安全基地)”を持って生きれば、脳の活動は前向きになるということもわかっている。心のよりどころを持つということが、生きる上で本当に大切なのだと、改めて認識した。 又、直感という存在を“内臓感覚”と呼び、神経経済学という分野で重要視されているという事など、興味深い内容で埋めつくされている。
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とりあえずしゃべってみる「Talk Through」、しゃべっているうちに頭の中が整理されてきて本当に言いたかったことが見えてくる
慣れることの危うさ、「習熟するな」
他人と比較するのではなく超えるのは「今の自分」、小さな成功体験を繰り返して劣等感を克服
自分に合う仕事なんてない。与えられたらそれが天職だと思って一生懸命修行すればいい。そうすれば誰だって一人前:小野二郎 鮨職人
トレーニングと経験を重ねることによって必要な感覚は研ぎ澄まされていく:佐野俊二 小児心臓外科医
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091017
●最近、個人的にいろいろ悩み中。転機の気配。が、だからこそリアルな人物の声がぐっと来る。
●先輩たちからの学び、多し。すべて受け止めて、前へ行こうという気に。
●つながること。aタグがhtmlの最初だということ。学びの快感。
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その道で成功した人たちの考えをまとめている。
脳科学という観点よりは、プロフェッショナルたちのものごとの捕らえ方や、考え方が参考になる。
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各界のプロフェッショナルたちが、日ごろどのように「脳を使っているか」「成功させているか」を書いた本。
「なるほどなぁ……たしかに」という気付きがたくさんある。
さらりと凄いことが書かれていて、うっかりすると読み逃しそうになる。
なので、プロフェッショナルでありたいとか、今以上に頑張りたいとか、そういう人にはオススメできるけど、「なんとなく今なぁ……」という感じの人は「へー」で終わりそう。
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この本に関連するコラムはこちらからも。
http://sonoma.ne.jp/2009/09/12/mixing/
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覚える=反復する。
反復すると脳は飽きる。
だから、飽きないように少しずつやり方を変えて反復すれば、脳は飽きずに学習していく。
プロフェッショナルの行動・結果を脳科学的に考察していく、茂木先生の得意の論調のケーススタディ。
「脳の使い方が正しければ成功する」訳ではないが、成功した人は脳の論理に正しいんじゃないか?と思わせてくれる。
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今回この本を読んで様々なプロの人の考えを知ることができました。
その道のプロの方々の言葉を用いながら説明していたので脳科学での用語もわかりやすく読むことができました。
矛盾した言い回しをしている場面もありましたが、人によって考え方も異なりその人にあった脳の活用方法があるのでこの考え方が正しいという固定概念をもってはいけないと感じました。そして、ただ本に書かれた考え方を鵜呑みにして真似するのではなくその中から取捨選択して自分にあった脳の活用法を見つけ今後の糧にしていきたいと感じました。
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番組をまとめた本のようですが
とてもためになった!
その世界で成功しているプロフェッショナルが語る言葉には
説得力がある。
スイッチを入れる行為
「本番前の決まりごとを持つ」
無意識のうちに私もやっていました。
「決まりごとを実践すると、
決まりごとのあとに本番が訪れることを
脳が期待するようになる。
その結果、スイッチを入れる事によって
集中モードが呼び起こされるという回路が、
頭の中に構築されるわけである。」
「慣れる事の危うさ
”習熟するな”という言葉」
「アインシュタインが残した名言
”ふたつの道があったら困難なほうを選べ”」
「実力が自信をつくるのではなく、
自信が実力をつくるのではないかと思うんです」
「ネオフィリア=子どもらしさ」
「孔子『論語』の一節
子曰、知之者不如好之者、好之者不如樂之者
子曰く、これを知る者はこれを好む者に如かず
これを好む者はこれを楽しむ者に如かず
著者の言葉に置き換えれば
どんなに知識があっても、好きになれる人には及ばない
どんなに好きになれても、楽しめる人にはかなわない」
「ビジョンを持つということ、軸がぶれないこと」
以前、勤め先で会社を更によくしていくにはという問いがあった時
私は上に立つ人間のビジョンが皆に浸透し共有できる事と
軸がぶれない経営でないと、ついていく人間が混乱してしまう
といった答えを提出しました。
組織のリーダーに求められる資質に
上記と似たような事を挙げている方もいました。
番組は見た事がないのですが
とても面白い本でした。
「」は本文からの引用