紙の本
クラークの短編集
2020/09/20 13:41
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投稿者:のび太君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
クラークの短編集であり、後の長編を思わせる展開も多い。しかし、期待していたものとは違う、と思うものが多かった。
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昨年からやたらとクラークを読んでいる気が・・・いや、これまであまり読んでなかったってだけなんですけどねヽ( ´ー`)ノ
表題作「太陽系最後の日」は、SF史上に燦然と輝く巨匠クラーク初期の代表作です。太陽の大爆発を目前にして滅びつつある太陽系に急遽派遣された異星人の救助チームが目の当たりにした、人類の取った行動とは・・・鴨も若い頃に一度何かの短編集で読んだことがあります。人類の無限の可能性とバイタリティを表現した、力強い傑作です。と、紹介したいところなんですが・・・この歳で読み返すと、「幼年期の終わり」同様に受けるイメージが全く異なるんですね。手放しの人類讃歌にそこはかとない違和感を覚えるんですよ。まぁ、これも古き良きSFの典型例と言っていえないことはないかとヽ( ´ー`)ノ
この短編集は、クラークの作品の中でも最初期のものを中心に編集されています。そのせいか、まだまだ荒削りで小説としての完成度は今ひとつの作品もあります。が、如何にもクラークらしい人類そのものを主人公に据えた巨視的なスケール感は既に健在で、決してハッピーエンドだけではない突き放したような視点も感じられます。今読むとちょっと物足りないところもありますが、後に巨匠と呼ばれるようになる片鱗は十分感じられますよね。
他にも「ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク」と銘打たれた短編集が刊行されているので、機会があったら読んでみたいと思います。
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SF短編集。巨匠アーサー・C・クラークの傑作集だけあって粒ぞろいの名作たち……と思いきや作風が思いの外幅広く、良く言えば「よりどりみどり」悪く言えば「当たり外れが大きい」って印象です。
わたしはアイディア勝負のからっとした作風が好きなので「地中の火」「かくれんぼ」「時の矢」が大当たりでした。
「幼年期の終り」を読んだことがなければリメイク前の「守護天使」も素晴らしい評価になりそう。
1冊で平均すると星4つ、だけどお気に入りを見つけるために読む価値はありありです。
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クラークさんは昨年亡くなっていますが、発表順に再編した短編集が最近でました。表題にもなっているデビュー作「太陽系最後の日」が最高。超新星化する太陽から人類を救おうと、銀河種族混成チームが地球にやってきますが・・・最後の一行で人類の苦い一面と可能性を見事に表現しているのではないでしょうか。その他、「幼年期の終わり」の原型となっている「守護天使」、「銀河帝国の崩壊」の原型である「海にいたる道」など納められており、面白さにばらつきはあるものの、若いクラークって感じで好ましく★は甘めになりました。真正面から宇宙を舞台にした作品群は夏の夜にぴったり!
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とっても楽しみなベスト。タイトルの「太陽系最後の日」こそ最高傑作だと思っているから、それをオープニングに持ってきた編者に感謝(もっとも時代順だとこうなるのだが)。
「太陽系最後の日」を読むと思う。人類でよかった。夢と希望と、何よりも強力な生存本能に満ちる人類でよかった。そして、こんな本を読むことができる人類でよかった。ラストは明日に架ける橋とか、ファイナル・カウントダウンとかがBGMに流れそうな感じがする。最高のエンディングだ。
(ラスト1行が余分かもしれないが・・・)
もちろん、「守護天使」も最高だ。「幼年期の終わり」の原作だということになっているが、それをもしのぐ出来だと思う。
ユーモアたっぷりの「歴史のひとこま」「かくれんぼ」もいいし、後世に影響を与えたと思われる「コマーレのライオン」「時の矢」も素晴らしい。
作品は以下の通り。ラストのエッセイは無用だと思うが、どれも素晴らしい作品だ。本作で発見したクラークが感動したという「最初にして最後の人類」を図書館で借りることにしよう!
太陽系最後の日
地中の火
歴史のひとこま
コマーレのライオン
かくれんぼ
破断の限界
守護天使
時の矢
海にいたる道
貴機は着陸降下進路に乗っている-と思う
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SF読んだの久しぶり。二年前に買ったまま放置してた。クラーク氏死後に再編された短編集。冒頭の「太陽系最後の日」がやはり一番面白い。
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太陽系最後の日は、前哨、2001年のビーコン残した側の話で、ザ・クラークという話。面白いなぁ
海に至る道は、晩年の作品っぽい
久しぶりです、ずいぶん待ちましたよ、という挨拶は気がきいている
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2009年5月25日 初、カバスレ、帯なし
日本版オリジナル短編集
2014年3月8日 伊勢BF
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<ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク>第一巻は、1946年から51年にかけて発表された小説9編を収録。いわゆる初期傑作集となっているようです。初期といえど、第一級の作品として誉れ高い表題作や「幼年期の終り」の原型短編「守護天使」など傑作揃い。
ちょうど一年ぶりのクラーク本です。以前読んだ「白鹿亭綺譚」がアイデア一辺倒の作品でして、本書では、そういった純然たるSFの典型である「かくれんぼ」がかなり面白い。こういった作品を読めるのがクラークの魅力のひとつですね。
クラークの魅力のもうひとつは、特有の未来視です。これまで読んできた「幼年期の終り」や「2001年宇宙の旅」、「都市と星」に見られる未来視=ヴィジョンは、初期の作品でも健在。個人的に、クラークのヴィジョンは、不安を駆り立てられたまま投げっぱなしにされる印象が強く、とても冷酷です。本書表題作なんて、その片鱗を垣間見たようで、読後は寒気がしました。
冷酷というのは、言葉をかえれば現実視かもしれません。作品で描かれる華々しい未来の姿は、諸手を挙げて賛美されるものではなく、「本当にそれでいいのか」、「実際のところ、どうなんだろう」といった疑問が投げかけられます。こういった現実的な目線での批評が、ヴィジョンに程よく差し込まれることで、果てしない不安をうむのでしょう。
「海にいたる道」は、そんな未来視と現実視がひとりの若者の葛藤に描かれます。ところで、本作ではクラークの科学者としての残酷さが伺えます。常に発展をし続ける科学の歴史からすれば、「不変を許さない社会システム」はその信念どおりなのでしょうけれど、個人的には戦々恐々です。
さて、一年ぶりに読んだクラーク本は、やっぱり面白い!なんだか正統派SFを読んでいる感じでした。
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異星人視点での人類の立ち位置が描かれていて想像力が掻き立てられます。表題作「太陽系最後の日」と「守護天使」(後の「幼年期の終り」)面白いです。
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表題作だけ読了。現代の主流のSFとは違って、人類の優位性を謳っており若さが感じられる内容であった。端々に見られるSF的描写は映像として美しさを感じられた。
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表題作はかねてからなんとなく気になっていて、いつかは読まなくちゃと思っていたところ、「100分de名著」で紹介されたので、これを機にチャレンジ。結果、自分にはまだSFは早いのかもという結論に至る。紹介された表題作はあらすじも分かっているにも関わらずだ。どうにも展開がまどろっこしく感じてしまって頭にすっと入ってこないのです。
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Eテレの「100分de名著」のアーサー・C・クラークの1回目「太陽系最後の日」を見て、とても面白そうと思い読んでみた。全部で9の短編と1つのエッセイがおさめられている。どれもおもしろくて、未知の未来の状況を垣間見るわくわく感に、ひさびさに浸った。小松左京の短編を読むおもしろさ、10代後半の新鮮な感情に戻ったようだった。
・「太陽系最後の日」(1946) 太陽の新星爆発が迫り、大宇宙の貴族を任じてきたアルヴェロン一族は、地球を救うべく地球に向かうがそこには荒廃した都市と自然があるのみだった。帰途に就くと遥か彼方に無数の宇宙船団を発見する。荒廃した地球を目の当たりに見てきたアルヴェロンはその船団が、自分たちの脅威になるだろうと予感する。 救出団には触手があったり、形が無かったりいろいろな星人の姿がさりげなく描かれている。宇宙はいずれ意識体だけになるだろう、と予言した星人の思想も書いている。
・「守護天使」(1950) 「幼年期の終わり」の原型になった短編。「幼年期の終わり」の前半部分が描かれている。地球の20大都市の上に何の前触れもなく宇宙船が滞空し、地球は「地球監督官」によって「監督」される状態になった。世界は一つとなり、戦争も無くなった。その「監督官」の姿とは・・
・「地中の火」(1947) 地球の地中深く探るレーダーを作ったハンコック教授。はるか地底に人工物が・・
・「歴史のひとこま」(1949) 金星からの宇宙船が地球に到着した。その乗組員は爬虫類だったが、出迎える人類は誰もいなかった。が、テープが見つかりそこには一つの穴があり閉じたりしまったりしていたがどんな状況でも立ち上がる。その解析には永い間かかるだろうと言われた。最後に出てきた文字は「ウォルト・ディズニー制作」
・「コマーレのライオン」(1949) 26世紀末、文明はほとんど機械化され、惑星間飛行は日常となったが、リチャード・ペイトン3世はなにか充ち足りないものを感じ、禁を犯し曾祖父が作ったという芸術の町「コマーレ」に行くが・・
・「かくれんぼ」(1949) 敵の宇宙巡洋艦から逃げているスパイ
・「破断の限界」(1949) 二人乗りの宇宙船に隕石がぶつかり、二人でいては酸素が足りなくなる事態に。のんびり屋と几帳面と表面的には対照的な二人。さて・・
・「時の矢」(1950) 発掘作業をしている考古学者。すぐ近くに別な研究施設がありそこではタイムマシンを研究しているのがわかり作動してみる話がまとまる。。発掘は巨大な恐竜の足跡を掘りあて、その足跡は次第に歩幅が大きくなり獲物にとびかかろうとしていた。が、足跡のそばにジグザグのタイヤ模様を見つける。と同時に研究所が吹き飛ぶ音が聞こえる。
・「海にいたる道」(1950) 未来の地球。月との間を宇宙艇が飛行し、食料合成機が食事を準備する時代でも、人々は牧歌的な生活をしていた。ある日一人の若者ブラントが、海岸沿いにある見捨てられた都市「シャスター」に行くことにした。彼は飛翔艇を使わずに、馬に荷物を積んで徒歩で向かった。何���もかけて彼はシャスターに到着した。そこに大型宇宙船が来て、見知らぬ人間たちが降りてきた。
2009.5.25発行 2020.2.15第3刷
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クラークの40年代、50年代初期の作品を集めた作品集。
1.「太陽系最後の日」:太陽の超新星爆発がせまった地球に、さまざまな宇宙人の混成チームが人類を救出にきて、地下鉄にのりこんでしまったりして危機一髪となるが、最後にロケットで地球を脱出した人類を発見する話。
2.「地中の火」:地下をソナーで探り、地中の高密度空間に都市をみつける話
3.「歴史のひとこま」:金星人が地球の失われた文明をさぐっていて、ディズニーのフィルムをみつける話。
4.「コマーレのライオン」:27世紀の停滞した地球文明に刺激をあたえるために、若者がコマーレという都市を訪ねて、ワナをかいくぐって、ロボットと人間の垣根を取り払う技術を持ち帰る話。
5.「かくれんぼ」:宇宙戦争のなか、高速駆逐艦に追われたスパイが宇宙服ひとつで火星の衛星フォボスに降り立ち、小回りの聞かない駆逐艦の捜索をかわして、援軍を待つ話。
6.「破断の限界」:方程式もの。宇宙船の酸素供給システムが隕石で故障し、二人の搭乗員のうち、二人とも生きようとすると酸素が足りないが、一人なら生き延びられるという状態になり、毒殺などを画策する話。性格描写がおもしろい。
7.「守護天使」:『幼年期の終わり』につながる作品で、地球文明の監督者である「天帝」と交渉役の国連事務総長の話、天帝の姿の撮影をここみて、悪魔のような尻尾をもつことが判明する。
8.「時の矢」:化石発掘現場の研究者たちが、近隣の謎の施設について推測をする。タイムマシンの研究所だったという話。
9.「海にいたる道」:都市もの。都市文明が没落して、空中輸送と通信技術が発展した社会で、人間が自然のなかで住むのが当然になっている時代、恋人への愛の証明のために若者が古代文明の都市へ旅をして、そこの絵画に胸を打たれる。そこへ宇宙へ出て行った人類がもどってきて、地球の美術作品を持ち出そうとする。若者はいっしょに宇宙に来ないかと誘われるが、田舎の村に帰る。
このほかに戦中の回顧談、レーダー管制の初期の様子をかいたエッセイ「貴機は着陸降下進路にのっている——と思う」が入っている。
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ハヤカワ文庫収蔵の短編集、その第一巻。他の2巻よりも印象に残る短編がちりばめられている。「守護天使」は「幼年期の終わり」の原型になった短編。「太陽系最後の日」「地中の火」はショートショートのようなシニカルさが、「コマーレのライオン」はいまはやりのメタバースの未来を描くような設定。一読の価値あり。