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おもしろく、かつ、納得のゆく展開なのですが。
まるーく収まった結末に気が抜けました。
人死んだけど。
解かれてしまった謎って、気の抜けたソーダのようです。
下巻の最初のうちは良かったんだけど。
あ、面白かったです。
単純にミステリの謎解き部分が好きでない。
おーまた人が死んだ、あいつが犯人か?!また人が!?ちくしょー誰やねん。そんなこと言ってる間に橋が爆破されてここは密室!!!
みたいな過程が好きです。
「犯人はおまえだ!!」
の瞬間に何故か興ざめ。
読むのにむいてないのか、ミステリを。
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いやぁ〜読み応えのある小説でした。
愛憎渦巻くドロドロとした、割と湿り気の強い話でした。色んな意味で。
主人公達にぐーっと感情移入できたから、読んでるときの集中度が高かった。
みっちりと隙間無くストーリーを(湿り気のあるモノで)積み上げていった感じ。
と思ったら、最後の方にご都合主義的なところがあったのと、オチのインパクトの弱さが引っかかった。
最後まで怪しいと思ってたヒトが結局犯人でした・・・と・・・・・うーん・・・・・。
「殺人事件が起る→犯人は誰だ」というのはもちろんのこと、ただストーリーを追うだけじゃなくて+αがある小説は読んでて飽きない。
この小説は全体がモーツァルトと密接に関係していて、実際の曲名や楽器の種類の細かい名前等々の要素も組み込まれてる。
そして主人公の現在の恋愛事情+主人公の過去の恋愛事情+教授の過去+殺人事件+モーツァルト
と、これらの要素が集約して事件を解決に導く。この構成力は凄い。
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すっごい気合を入れて書いたんだろうなという印象を受けました。
が、少々くどい印象もあり。
人間模様の描写とか、
心の動きとかを表現する言葉は、
相変わらず美しくて胸に刺さるんだけど、
どこか入り込めなかった。
初期に比べて、
勢いがなくなってきたのかも。
整然としすぎて、切迫感がうすれてきたのかも。
何か、煮え切らない。
☆☆☆ ホシ3つ
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上巻を読了したときには思いもよらなかった下巻の展開。全てのピースが埋まったと思ったらまだ200頁以上残ってる!。そこからの展開がまたすごい。そして最終章の穏やかさ。作品全体の愛憎が全てモーツアルトの音楽に包み込まれている。
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身を削って、魂を注いでいる小説って 珍しい。だから、ページをめくる手が止まらないんだ。 読後はいつも、喜びに満ち溢れる。 素敵な時間をありがとう。
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最後はうまい。
作中にあった、アンコールだけ絶品の演奏をしたアンナのコンサートみたいな終わり方をしている。
泣いた。ずるい。
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同性愛に抵抗がある人にはお勧めできないけど、繊細で切羽詰った感もあって良い小説だと思いました。
「海に向かって指揮棒を振る男」って、すごくインパクトがあってカッコいい風景ですよね。そんな描写を冒頭に持ってきたセンスはすごい!
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2013年初読了。何度目かの再読。
上巻に続き、モーツァルトを聴きながら。「アニュス・デイ」や他の曲が流れるシーンでも、そんな気になれなくて「コンフターティス」や「ラクリモサ」を聴いていた。でもラスト(遠松に宛てた手紙)は「アニュス・デイ」でシメられた。そんな物語でした。
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部屋の片隅から交響曲が聞こえてくる……
読んでも読んでも終わらない物語
長い…すんごく長い、分厚い(約1000ページ)
そして、【面白い】。ホント凄かった。壮絶。
モーツァルトだらけ
愛と愛そして愛ッ!
憎しみ
色男(ドン・ジョバンニ)・色女(ラテン系)
悲しい・醜い復讐劇か、それとも美しい愛の物語か。
何も知らずに読み始めた方が楽しいかも。
これでもかと、本を読みたい人にはオススメ。
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作者の中山さんは、苦しいシーンは本当に苦しそうに書き、ほんわかするシーンはくすぐられているように書き、情熱的なシーンはノリノリで書いているように感じられる。文章に作者の気持ちが色濃く反映されてしまうあたりが本作でも表れていて、楽しめた。
鍵人の過去話や、濡れた獣のようなアンナのエピソードは楽しく読めたが、本筋の殺人事件の解決編が長々とした会話で説明されているあたりは、着地点を誤ったような気がしてしまう。周囲の人間に翻弄され続けた鍵人の人生を思うと悲しくなってしまう。
過去に卑劣な罪を犯した人間が罰されるのには心底スッキリした。ただ、千秋と篤之を不幸のドン底に突き落としたのは伽耶にも責任があるはずなのに、何も償わずに一方的に永訣を告げるのはどうかと思った…。真犯人が罪を償うのもあやふやになっている気がする。
伽耶はアンナを今後一生幸せにできるのだろうか?
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とてもスケールの大きな話で、自然に物語の中に引き込まれました。
下巻の中盤で主な登場人物が出そろって、あの人達はここで繋がっているのだと予想が当たった部分もあれば、こんなところまで繋がっちゃったの?といった人達もいたりして。
文章も綺麗だし、この作者さんの他の作品にも俄然興味が出てきたのですが、女性同士の恋愛の話が多いのですね(この話にも出てきますが)。
柴田よしきさんの『聖なる黒夜』の麻生と山内の関係は好きで、男性同士というのは苦手意識はなくなったけど、女性同士はやはり苦手で、他の作品を読むかどうか悩みどころです。