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花村英子さんとベッキーさんシリーズ。第三作。完結。
「不在の父」「獅子と地下鉄」「鷺と雪」収録。
直木賞受賞作品。
まさか若月さんが。
最後の2ページで あんなに泣かされるとは思ってもみませんでした。
私も若月さんの人柄が大好きだったので、
彼がどのように巻き込まれていったのか、
その後の英子さんの気持ちを思うと、暗澹とした気分になります。
「願えば必ず叶う」「この世ではなんでもおこ何でも起こるるものだ」
でも世の中は、一人ひとりの思いではどうにもならず、動いて行く。
今回も北村さんならではの
たくさんの いい言葉 が詰まった作品でした。
全体の雰囲気はほっこりとしたものなのに、
その中に、切なさとか、やりきれない悲しさみたいな
ピリッと刺のようなものが入るのが、北村さんの魅力だと思うんですが、
最近の作品は、その刺がより ぐさっ と刺さります。
それにしても、歴史や文学の知識に圧倒されます。
私ももう少し勉強しよう、と改めて思いました。
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これ第三作目だったんですね。知りませんでした。
最後のシーンは「ああ……!」とうなりそう。
前シリーズ読んでた方が最後のシーンは納得行くんですかね、これだけ単品で読めなくも無いけど「え!?」と若干驚く。
やっぱり北村薫好きだなあ。ゆっくり染み込む感じの優しい文体が。
あとベッキーさん格好よいです
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これまでのシリーズの様々な要素が収束した巻。ベッキーさんと英子の関係がメインと思いきや、やっぱり主役は英子だったと思わされた。
一巻から少しずつ描かれていた、上流階級と下層階級の差・段々と戦争に向かっていく世界が色々とキツい。
「不在の父」が好きだけど、「鷺と雪」の最後の一行の衝撃はかなり大きかったなあ。
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埼玉県春日部高校の国語の先生・・・ミステリ作家・・・短編かと思って受賞作を読んだらシリーズ物だった~滝沢家で子爵を7歳の子が襲爵したが浅草で父子爵を見たという。室町の和菓子屋の小学生が夜9時に上野で補導され,日記には浅草・上野・ライオンとメモがあった。書店で顔を合わす軍人に詩集を貰い,服部時計店に電話をした積もりで,出た相手は偶然にもその軍人で,掛けた先は総理大臣官舎~これはシリーズらしくて,昭和初期の両家のお嬢さんがあちらこちらに興味を感じて,それを運転手のベッキーさん(別宮)が謎解きをするというもので,最後は226事件。最近この人の本を読んだが何だったろう。芥川賞か直木賞かを貰ったのだけど,どちらだか判断できず,インターネットで調べたら直木賞だった。まあ推理モノだからね
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鷺と雪は、北村 薫さんの直木賞受賞作です。主人公『英子』と女性運転手「別宮みつ子」こと、ベッキーさんとともに、様々な事件や、身近な謎を、解き明かすシリーズ第3作目です。
名門の子爵がルンペンになった。その噂を聞いた、『英子』は、ベッキ―さんを連れて真相を探す、彼は本当にルンペンになったのか?本当になったのなら何故?という話と、知り合いの子供が、真夜中美術館の近くで補導された!なぜ?その子はそんな時間に外に行ったのか?その謎を解く話や、友達の婚約者が、日本にいるはずがないのに写真に写っていた、それは、ドッペルゲンガーなのかその真実は?こんな話が三作入っています。
この作品は、最後がとても切ないです。昭和十一年二月こんなにも悲しい終わり方は初めてでした。
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3部作の3作目。思わず1作目から読み直してしまった。通して読んでみると、主人公の成長具合がしみじみと。ラストがため息しかでない。
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三部作と言わずにぜひ続編を書いて欲しい。
そう思わせる終わり方だった。
二・二六事件のことを思わず調べたりもした。
ともかく、取材料の多い作品だと言うことに感服。
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帝都に忍び寄る不穏な足音。ルンペン、ブッポウソウ、ドッペルゲンガー…。良家の令嬢・英子の目に、時代はどう映るのか。昭和十一年二月、雪の朝、運命の響きが耳を撃つ―。
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これ3部作だったんですね。知らずに読み始めました。前の作品を呼んでからもう一度読み始めようと思います。
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透明な哀しさがひたひたと心に染み入る物語。
思えば第一作から心浮き立つような楽しい場面と重なり合わすように重苦しい現実が押し寄せていた。
きっとこうなるしかないという予感はあったけれど、
どうしようもないとも思うけれども、
ラストシーンは美しくて切なくて心が震えました。
ベッキーさんの搾り出すような祈りの声が
見えすぎる現実にそれでも進まなければならなかった桐原中将の苦々しい声が
若月さんの優しい声が真っ白な雪に吸い込まれて幕が下りていったんですね。
英子さんはきっと戦後も『虚栄の市』の女主人公のようにたくましく、まっすぐに前を見据えて生きていったいと信じたい。
そう――I will be good.の言葉が似合う女性として。
今も残る銀座のパーラーや書店に思いがけない歴史が刻まれていることに圧倒され、三越前、室町、上野、麹町、普段ご縁のある土地土地にいとおしさを覚えつつ本を閉じました。
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切なくも美しいお話でした。
ところどころに北村さんらしい言葉や思いがちりばめられた。
前作「玻璃の天」で直木賞を受賞できなかった時には、あまりのショックに涙、涙でした。そして、北村さんの作品のすばらしさは何かの賞を受賞した、しなかったで判断されるようなものじゃない、とも。
でも、今回「鷺と雪」での直木賞受賞!そして、この作新を読んだ後、ああ、前回、受賞しなかったのはこの作品で受賞するためだったんだ!と強く納得しました。
美しくも切ないラストでした。最後の電話。時代も考え、そうかな、とは思っていましたが、涙が溢れて止まりませんでした。
男装の麗人で教養溢れ、主人公の英子から見れば何でもできるベッキーさんが、けれど「私には何もできないのです」といったあの言葉の重さが胸をつきます。それを知っている彼女の中には何か決して溶けない雪のようなものがあるのかもしれません。そして、この日、英子の中にも同じ決して溶けないものが生まれたのかもしれません。
誰しもが何かしらの想いをもって生きていくのでしょう。
(桐原さんのお兄様もそれは同じなのでしょうが)
けれど、それを知ってもなお、彼女に祈るかのように言葉を贈るベッキーさんのように英子さんにもしっかりと前を向いて進んでいってほしいと願います。
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ベッキーさんシリーズ第3作。最終巻。
英子お嬢様も大分大人になられて、読んでいて少し淋しい気持ちに。子供ながらの世間知らずな純粋さはさすがに抜けたあたりで・・・仕方のないことだけれど。
最後にこの事件を持ってくるとは・・・
どんどん切なくなっていったけれど、3冊、楽しませていただきました。
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シリーズ2作とも派手さはないけど、じわりとおもしろいと思い
続きをたのしみにしていたところ、直木賞受賞とのこと。
良いと思うものは、みなさん同じなんですね。
このシリーズ、北村薫さんの文章のきれいさ・言葉の選び方がいいです。
その時代を意識しているのもあるでしょうけど、日本語って奥深いです。
修学旅行の記述は興味深かったですね。
東京から二見に行くのに、そんなに時間かかったの!
自分もその場にいてるかのような臨場感ある記述で、旅のレポみたい。
一度で二度おいしい感じです。
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k_125: 今年上半期の直木賞受賞作品。これで完結してしまうんでしょうか。激動の昭和の時代の訪れを象徴するようなラストが気になります。ベッキーさんシリーズは好きなんですが、3冊あるうちでは2冊めの「玻璃の天」の巻が私はよかったなあ。
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ベッキーさんシリーズ第一弾が一番面白かったかも。
期待して第二段、第三弾を読んだけど、
期待しすぎて・・・
面白かったんだけど、出来ればもう少しグッとひきつける話題があればな、と思った。