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切なくも美しいお話でした。
ところどころに北村さんらしい言葉や思いがちりばめられた。
前作「玻璃の天」で直木賞を受賞できなかった時には、あまりのショックに涙、涙でした。そして、北村さんの作品のすばらしさは何かの賞を受賞した、しなかったで判断されるようなものじゃない、とも。
でも、今回「鷺と雪」での直木賞受賞!そして、この作新を読んだ後、ああ、前回、受賞しなかったのはこの作品で受賞するためだったんだ!と強く納得しました。
美しくも切ないラストでした。最後の電話。時代も考え、そうかな、とは思っていましたが、涙が溢れて止まりませんでした。
男装の麗人で教養溢れ、主人公の英子から見れば何でもできるベッキーさんが、けれど「私には何もできないのです」といったあの言葉の重さが胸をつきます。それを知っている彼女の中には何か決して溶けない雪のようなものがあるのかもしれません。そして、この日、英子の中にも同じ決して溶けないものが生まれたのかもしれません。
誰しもが何かしらの想いをもって生きていくのでしょう。
(桐原さんのお兄様もそれは同じなのでしょうが)
けれど、それを知ってもなお、彼女に祈るかのように言葉を贈るベッキーさんのように英子さんにもしっかりと前を向いて進んでいってほしいと願います。
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ベッキーさんシリーズ第3作。最終巻。
英子お嬢様も大分大人になられて、読んでいて少し淋しい気持ちに。子供ながらの世間知らずな純粋さはさすがに抜けたあたりで・・・仕方のないことだけれど。
最後にこの事件を持ってくるとは・・・
どんどん切なくなっていったけれど、3冊、楽しませていただきました。
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シリーズ2作とも派手さはないけど、じわりとおもしろいと思い
続きをたのしみにしていたところ、直木賞受賞とのこと。
良いと思うものは、みなさん同じなんですね。
このシリーズ、北村薫さんの文章のきれいさ・言葉の選び方がいいです。
その時代を意識しているのもあるでしょうけど、日本語って奥深いです。
修学旅行の記述は興味深かったですね。
東京から二見に行くのに、そんなに時間かかったの!
自分もその場にいてるかのような臨場感ある記述で、旅のレポみたい。
一度で二度おいしい感じです。
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k_125: 今年上半期の直木賞受賞作品。これで完結してしまうんでしょうか。激動の昭和の時代の訪れを象徴するようなラストが気になります。ベッキーさんシリーズは好きなんですが、3冊あるうちでは2冊めの「玻璃の天」の巻が私はよかったなあ。
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ベッキーさんシリーズ第一弾が一番面白かったかも。
期待して第二段、第三弾を読んだけど、
期待しすぎて・・・
面白かったんだけど、出来ればもう少しグッとひきつける話題があればな、と思った。
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「街の灯」「玻璃の天」に続く第三作(そして最終巻?)。
読後感は、どこまでも切ない、やり切れない、という感じ。
最終話に至るまでに、いくつもの伏線が悲劇を匂わせていたし、そもそも歴史を知っているため悲劇に至ることも分かっていたが、「そうくるか!」と。
主人公の淡い恋も、ベッキーさんの成就し得ない恋も、どちらも切なかった。やはり、こういうシリーズ物はその後が気になってしまう。
「円紫さんと私」シリーズも、始まりそうな予感のところで終わっていて続刊が出ないか心待ちにしているが、全く出そうな気配がないし。
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ベッキーさんシリーズ第3巻。本書で直木賞受賞したもの。
表題にもなっている「鷺と雪」でその後の日本の変化を含ませている最終章で完結となっている。
その後も読んでみたいが、それは歴史にあわせ想像で終わらせるのが良いのかもしれない
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ベッキーさんかっこいい!このシリーズはこれで完結なのかな。英子やみんなはその後どんな人生を送るのだろう?気になる最後だった。
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主人公英子と「ベッキーさん」のほのかな関係をお楽しみ下さい。シリーズ中一番好きなのは『玻璃の天』です。
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ラストの二・二六事件.....やるせなかった。若月さんがそっち側の人間だとは思っていなかったし信じられなかった。続き書いてほしいなあ。でもそんなことしたらもっと暗くなっちゃうんだろうなあ。
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良作なのですが、北村薫作品としてはこじんまり・・・。北村薫+直木賞にしては・・・という感じ。でももちろんいいんですが。ラスト、もう少し色々書いて欲しい気もするけど、好みでしょうか?
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文章がきれい。くすっと笑えるところもあるし内容も充実している。ベッキーさんがかっこいい。このシリーズは3作めらしいのだが直木賞ということでこの本を最初に読んでしまった。2.26事件という暗い時代の始まりのとこで完結とは歴史を知っているものとしてはせつない。
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お嬢様だけれどしっかりしていてさっぱりしている英子さんに好感が持てます。
そして、それを支えるかっこいいベッキーさんと、穏やかなお兄さん、先進的なお父さん。
昭和初期という、私からすれば大昔だけれどその時代を生きていた人達が本当にいたんだなあと思うとなんだか思うところが色々。
この先の時代がどうなっていくのかを私は知っているからか、幸せそうな風景も一瞬のものであるようで切ない。
しんしんとふる雪世界のような描写だけれど、最後の最後にこのあとに待ち受ける悲惨な出来事を提示していて、静かな文章だからこそ、恐ろしい
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祖母が図書館で借りているのを読んでいたのでまだ途中。
頭の中ですっと情景が浮かんでくる。
噂のベッキーさんのところまで早く読みたい。
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ベッキーさんシリーズ完結編。この時代背景にどっぷり浸かる心地で読みました。シリーズ前作に登場した人物との絡みも踏まえ、かなり印象深いラストでした。ん、何のことだ?って思ったのですが。日付からするとたぶんあの事件ですね……。
ラストのベッキーさんの言葉の重みもあって、やや暗い印象の結末だったけれど。むしろそういう時代だったことを考えれば、そう感じるのが当たり前なのかもしれません。でも読後感は悪くないし、作品全体の雰囲気は静謐で穏やかなものでした。