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第一章では、社会資本の維持管理とおおきく振りかぶっている。道路、港湾、海岸、鉄道・地下鉄等、航空、上水道・工業用水道、下水道、廃棄物処理、都市公園、治水・治山、農林漁業、国有林、公共賃貸住宅、文教施設、通信・郵便となっている。文教が社会資本ではなく文教施設が社会資本だという認識において、土建に偏っていることが分かる。法律、特許、論文、規格が社会資本であったり、国立国会図書館はじめ美術館、博物館の建物自体ではなく、所蔵品が社会資本である視点が抜けているような気がした。
第二章では、道路法など土木建築関係の法律により、誰が維持管理の責任を持つかを紹介している。土木建築の社会資本維持のよい教科書だ。付表として歴史、現状があり、参考文献、索引もある。知識、情報の社会資本の維持の教科書が同じ質と量とで必要になるかもしれない。
トンネルの維持管理で「点検(調査)によって変状が確認された場合には、トンネルの供用機能に与える影響の程度や、危険性、利用者・構造物の安全性を考慮して、処置や対策の必要性が判定される。」あれ、主語がない。誰が?著者は維持管理側ではないのだろうか?一人称で語らないと、責任の所在が明確にならないかもしれない。