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混沌とした部屋の中をリュウがただ、眈々と見ていく描写が本当に気持ちが悪かった。読んでいて自分の口の中に異物が入り込んだような不快感を感じた。
これが処女作だというからびっくりする。あと一年で僕は、村上龍がこの小説を書いた年齢になる。
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今まで読んだことのないタイプの作品。
まだ頭がほあほあしている。
読むまえは、作品に関して、何も知らない状態で題名から内容を想像していただけだった。
鈍器で頭を殴られたような衝撃。
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前から読みたかった一作。
当時の若者を反映しているのかもしれないが、自分はあまり共感できなかった。むしろ、表現が生々しすぎた気がする。
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きっとかなりセンセーショナルな文学作品だったのだろう。
読んでて気持ち悪くなるし、色々なやる気がそがれるすごい作品でした。
男の人の描く性描写ってやっぱり苦手だなぁ。
薄い本だったのに、読むのに凄く時間がかかってしまった。
解説が綿矢りさだった。
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気持ち悪い。
正直、表現だけで何度も吐き気に襲われた。
好きか嫌いか?で問われたら、即答で嫌いというだろう。
こんな気持ち悪く不気味な世界には触れたくない。
しかし、文学、殊に芥川賞を取る作品に言えるのは、
一般人が体験することの無い世界を、文学の世界で引き込んでしまうということ。
しかも、村上隆はこの主人公リュウの様に淡々と第三者的に描くことで、
この異世界を紡ぎだし、何らかのメッセージを込める、この才能は化け物とでもいうべきだと思う。
ただ決して心地よい作品ではないので、好みがスッパリ別れるだろうなぁ~
文学を楽しみたい方へは、お勧めしますよ、えぇ。
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ここに描かれた世界を理解することは、とても難しいことだと思う。何故なら、一言で表すなら混沌。もしくは淫靡。あまりに背徳的すぎる。けれどもどうして、ここには、それこそドラックのような、ひとたびページをめくれば抗えない魅力があって……。だからこそ、読み終えられた自分を誇りたい。例えば10年後に再読した時、そこで一体何を感じるのか。それを問われた気がした。
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ドラッグに暴力にセックス。
退廃的な世界が生々しく描かれ、主人公はそれを淡々と心情も無く傍観者の様な立ち位置で見つめている。
そのためか、存在の希薄さや空虚感なども漂い、全体的に非常に重い作品になっている。
正直読んでいて全く理解出来なかった。
最後まで読めたのが奇跡なくらい、最初からついていけなかった。
だがしかし、本が悪いというよりも、自分自身がまだこのよう世界観になるほど達観しているわけでも、経験をつんできたわけでもないからだと感じる。
様々な経験して、大人になって、一息ついてからまたリベンジしたい。
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生々しくも勢いのある文章が波のように押し寄せてくる。
米軍基地に住む少年達の話で、酒、セックス、麻薬と、内容がかなりぶっちぎっているので、それだけで人を選ぶ一作。
率直に言って、理解できないし、合わない。
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こないだ頭の上を戦闘機が3機飛んでいった。それでこの小説の感想を書いてないことをようやく思い出した。
村上龍の作品は、毀誉褒貶が激しいものが多いようだ。デビュー作であるこの『限りなく透明に近いブルー』もそうだろう。暴力、ドラッグ、セックス、それらが生々しく、しかも冷静に描写され、読者は否応なしにそれらを追体験させられる。それをすごい文章力だと受け取る人と、ただ嫌悪感を示す人とに分かれるためだろうと思う。
たしかに、この作品は一見悪趣味の見本市みたいな小説だ。
ドラッグに溺れ、乱交を繰り返す若者たち。それは、彼ら自身が選んだ行為であるはずだ。
若い人は、往々にして刹那的だ。「いまがよければ、それでいい」ということなのだろう。
だけど、ここに描かれている若者たちは、どこか苦しそうで、誰も幸せそうにはみえない。
なぜこんなに苦しそうなのだろう、と思う。
そして、なぜこんなに苦しそうなのに、誰も死なないのだろう、と思う。
ヨシヤマは手首を切って自殺を図る。
リリーもリュウも、殺してくれと叫ぶ。
しかし誰も死なない。死ねないし、殺せない。いみじくもヨシヤマを診察した医者は言った、「人間ってのは死なないように、からだがうまくできてんだもん」と。
彼らは生きている。ときには人形みたいだ、と言われることもあるが、実際にはみんな人間で、生きているのだ。
彼らが苦しいのは、生きているからだ。
死ねたらどんなに楽か知れないが、ともかくそう簡単に人間は死なない。だから苦しまなければならない。
だけど、生きているうちは、「世界はまだ俺の下にある」のだ。
陳腐な言い方だけど、生きているからこそ、苦しみと絶望がある。そして、喜びと希望がある。
「限りなく透明に近いブルー」は、その苦しみを苦しみぬいた人にだけ見ることができる、美しい色だ。その人とはリュウのことでもあり、最後まで読みきった読者のことでもある。
結構な忍耐を強いられる作品だけど、この作品を手に取った人には、ぜひ最後まで読んでほしい。
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この本自体がもう、麻薬のような。
強い吐き気を伴う空気がどっしり押し寄せてくるから、
通勤電車で読むんだったらある程度の覚悟が必要です。
生きること、は苦しむこと。
夜明けの空気に輝くキレイなブルー。
タイトルの意味を模索しながら読み進めたけど、
ラストでああ来るとは。
そういえばそのブルーに近い色、
たまーに見ることできるよね、みたいな。
コインロッカーベイビーズの金原ひとみの後書きより、
この本の綿矢りさのそれの方が面白かったな。
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むかし沖縄に住んでいたとき、前の日に食べたパイナップルの芯が腐って酔うほど甘いにおいが部屋の中まで入ってきたことがあった。たしかにそれは、腐敗臭で不愉快なはずなのに沖縄での生活を思い出すとき、必ずそのにおいが浮かぶ。
村上龍の小説にでてくる腐敗臭はそれとおなじにおいがする。十代のお酒もセックスも知らなかった年齢に読んだイメージは綿矢りさの後書きそのままで、とくに女のからだについての描写は当時の自分の未発達なからだとは結びつかない、まったく別物のように思えていた。
そんな時代に読んだからこそ、大切な一冊になっているのだと思う。
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ストーリー性も無くひたすらにドラック、暴力、セックス、そして現実と妄想の繰り返し。純文学?なのか理解不能。ただ最後の手紙で衝撃あり、どこまで現実と妄想なのか…。もう少し成長し本をもっと沢山読めば楽しめるのか。
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描写がえげつない。想像力を掻き立てられるような事細かな描写は、読む人を傷つけるほど。あまりに想像できすぎて、蛾を食べるシーンには思わず顔を歪めてしまった。終始ドラッグや汚泥にまみれる物語というのは、読んでて気持ちのいいものではないが、名作と言われるだけあり、鮮烈な印象を残した。リュウは、限りなく透明に近いブルーの色に触れたとき、自分を取り戻し、変わる決意ができたのだと思いたい。
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登場人物のオキナワの「喧嘩した奴とまた仲直りしたみたいなそんな気分さ。」という台詞が印象に残っています。あの安心したような、胸のつっかえが取れたような、優しくなれるような。一種の幸福感なのかもしれないです。
最後、内側で何かが弾けてしまったリュウが見たガラスの破片の色は訳がわからなくなった世界のリアルであり、まさに救いの色だったのかもしれない、と思うのです。
また再読してみたいと思います。
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デビュー作がこの作品だとは買うまで知らなかった。
タイトルが有名過ぎて、逆にこれまで手に取るのを無意識に避けていたのかもしれない…。
『何』が『限りなく透明に近いブルー』なのか。どんなブルーなのか、早く教えてくれーという感じで読みふけった。
一回読むだけでは気づかない味わいがありそうな作品だった。
時間を置いてまた読み、その時私が限りなく透明に近いブルーをどう感じるか、今読み終わった時に感じたこととは違う何かを感じるのか、是非再読したい。