紙の本
三島を超えられない嫉妬はガウディを超えられないことから批判を繰り返したピカソに酷似
2020/04/30 08:02
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投稿者:ライサ - この投稿者のレビュー一覧を見る
どれだけ辛辣に三島を批判しようが、彼の浅はかさを露呈したように。
この作品は1984年が舞台となっている。それ自体は問題ではない。
ちょうど私が生まれた頃の時代であるがそれもさして問題ではない。
しかし村上作品はどれも「何かを読んだ」「何かを得た気分」にはしてくれてもそれを言語化できる人は少ない。他人に「どこがどうおすすめ」か説明する際に具体例をもって話せる人はさらに少ない
この小説も同じ特性を持っている
村上春樹が金太郎飴しか作れないと言われる所以でもある
読みやすい小説ではあるがだからと言って歴史に残る作品ではないレベルの小説にはやはり厳しい評価しかしにくいものだ。
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「こうであったかもしれない」過去が、その暗い鏡に浮かび上がらせるのは、「そうではなかったかもしれない」現在の姿だ。
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この小説を読んでいる間中、村上春樹が別のところで書いていた文章を、僕は何度も心の中で反芻した。
<昔、サム・ペキンパーの監督した『ワイルドパンチ』が公開されたときに、一人の女性ジャーナリストが記者会見の席で手を挙げて質問した。「いったいどのような理由で、あれほどの大量の流血の描写が必要なのですか?」、彼女は厳しい声でそう尋ねた。出演俳優の一人であるアーネスト・ボーグナインが困惑した顔でそれに答えた。「いいですか、レディー、人が撃たれたら血は流れるものなんです」。この映画が製作されたのはヴェトナム戦争の真っ盛りの時代だった。
わたしはこの台詞が好きだ。おそらくはそれが現実の根本にあるものだ。分ちがたくあるものを分ちがたいものとして受け入れ、そして出血すること。銃撃と流血。
いいですか、人が撃たれたら血は流れるものなんです。>
(村上春樹『スプートニクの恋人』)
人を殺すこと、自分が死ぬことは、どちらもゲームではない。
地下鉄にサリンをまき散らす事も、武装強化の予算を増加する事も、ツインタワーに飛行機をぶつけることも、それを理由に戦争をはじめることも、それに嬉々として反対や賛成を表明することすら、どれもゲームでしかない。あるいはジャンクな想像力のジャンクな物語でしかない。
生身の人間が、あるいはじぶんじしんが、現実的に、不可逆的な損傷をうけることを前提としていない。
いいですか、人は殺されれば、死んでしまうものなんです。
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これは・・・続きを書くつもりなのかしら???
エンディングで何か一区切りが付いたのか何なのか。自分の中で消化し切れていない。
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村上春樹の本は(私にとって)その読むときに心境によってハッピーエンドかバッドエンドのどちらかに思えてしまう小説です。
現在の心境だとバッドエンドに感じてしまった。
悲しすぎる…。人が、世界からいなくなりすぎる感じがしてしまう。
また再度しよう。
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(1)を読んだらもう、最後まで読むしか無いでしょう。
どう受け止めるか場所がまだ定まっていません。
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1Q84って、最初、IQが低い人の話かと思った(笑)
Iじゃなくて、1だったけど。
久しぶりに春樹ワールドにどっぷりつかってみるのも悪くなかった。
普段、ビジネス書ばっかりだったしね。
下巻の方も、一日で読みきっちゃった。
2つの別々のストーリーを1つにまとめていくけど、
結局、交わらないっていう、「海辺のカフカ」的な書き方になっている。
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うむ、もうBOOK3に任せよう。
10.04.11 再読
ええええ!?結局壮大な前振りみたいになってませんか!?
この終わり方、ちょっと私では消化できそうに無いです。
私が考えるに、これじゃ青豆と天吾は離れ離れのままですよ、空気さなぎの中の青豆とか関係ないよ・・・。
どうなんだろうか。評価が難しいな・・・。
そもそもなんで200Q年ではなく1Q84年でないと駄目なんだろう・・・。
村上春樹氏の作品の中で、一番モヤッとしてる気がする。
09.05.31
BOOK3が出るので、やっぱり★いつつ!!
予想では夏前に出るかと思ったのですが、4/16とは結構早いですね!たのしみでならん!!
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連れていかれた先で降ろされてしまうのもいつものことだ。
電車行ってしまったから歩いて帰ろう。もしくはまた別な電車を探そう。
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絡まり始める2本の糸。
でも絶対に交わることはできない。かすめるだけ。
なかなか不思議に終わる物語。
言い方変えれば、少しモヤモヤ。
でもこういうことだと思う。
説明しなきゃ分からないことは、説明されても分からない。
'09.06.05読始
'09.06.05読了
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村上春樹の書き下ろし長編「1Q84」(全二巻)、
計1,055ページを読み終える。
なんとも奇妙な読後感の物語だった。
なによりタイトルがそそる。
1Q84ってなんなんだ?
オウム真理教の麻原彰晃をモデルにしたとおぼしき人物が
この物語のメインキャストのひとりとして登場する。
以前、村上がオウム事件の関係者にインタビューし、
「アンダーグラウンド」を著したとき、
この小説家の時代感覚をおもしろいと思った。
先頃のエルサレム賞のスピーチ「壁と卵」でも、
作家として同時代を生きていることを証明したように思う。
その村上がオウム事件を下敷きのひとつに使いながら
独特の物語を紡ぎ出したことは注目に値する。
自殺、殺人、ドメスティックバイオレンス、
虐待、レイプなどの場面が
次から次へと描写されるにも関わらず
いっこうに血の匂いがしないのが村上春樹の作品らしい。
主人公、天吾と青豆の純愛。
別れと再会。死と再生。
普遍のテーマを
村上流にどこまでオリジナルに書けるかが勝負であった。
僕はたまたまBOOK2を先に入手したのでそのまま読み始め、
BOOK2からBOOK1へと読み継いでいった。
偶然ではあったが、さかさまに読んでみたらどうだろう
と半ば遊びの気分だった。
そのときは本屋を三軒まわって、
BOOK2しか見つからなかったのだ。
おそらく作者はそんな順番で読んでほしくはなかったろうから、
もう一度、作者の構想通り
BOOK1からBOOK2に読み直す必要があるだろう。
しかし、順序を逆にして読んでも、
この作品「1Q84」はおもしろかった。
妄想力と、下敷きにしている事実のブレンドの配合が絶妙である。
近松門左衛門の「虚実皮膜の間」の芸か。
村上春樹はいま作家として円熟し、脂が乗っている。
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2009.6.18 家の本
いつもの村上春樹、いつものように邪悪なるもの登場、
それに立ち向かう主人公たち、
ちょっとだけ違う1Q84年、そうほんのちょっと違うだけ。
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全作中、「現実世界から非現実の異界へとシームレスに(=つなぎ目なく)移動する」(Wikipediaより引用)という特徴が最も色濃く現れた作品なのではないかと思った。著者が描き出す幻想的な世界観や、抽象的な描写を苦手とする人には向かないかもしれない(僕はこれで萎えた)。
Book1, Book2と読んでみて思ったのは、扱われる主題こそ異なれど、結局は過去作と同じパターンなのだなと。特に、誰か/何かの喪失というトリガーはもう十分ではないか。パターンは同じ、でもバリエーションが云々ってことか。とはいえ、相変わらずの村上ワールドって感じで面白いことに違いはないのだけど。
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いつもの、これまでのどの村上作品よりも明瞭です。
そして圧倒的。
自分が読むスピードについていくのに必死になるほどの展開力にお手上げ。
止まらない。
これほど本に夢中になったことがあっただろうか。
基本的に村上春樹好きだからかな。
すこしは大人になったのかな。
子供が育つ環境
宗教団体
社会から少しはみ出た人
実直に生きること
均衡
愛
についてが魅力的な主人公2人によって描かれます。
青豆を嫌いになる人なんていないんじゃないだろうか。
ああいう考えのできるかっこいい女性になりたい、と思う女性読者は多いかもしれない。
わたしも漏れずにその一人です。
実際あゆみもなかなか好き。
天吾は村上作品にいつもでてくる人って感じ(笑)
それでもラスト不覚にも涙がほろりとしてしまった。
あーゆー喪失を知らないひたむきさ弱いんだ。
とりあえず気になる人は読んじゃえばいい。きっとそれでわかります。2009.06.02
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今の時代らしい小説だなと感じた。舞台は1984年に設定されて、その時代の出来事が利用されているものの、オルタナティブ・リアリティという考え方が用いられていたりする。「クレオパトラの鼻がもし…」というのと同じことだけれど、過去の一部が細工されることで未来が変わるという可能性を物語に利用している。
読んでいて「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」を思い出す。ふたつの世界が交互に語られ、それがすれ違う。構造はとてもよく似ている。
それにしても青豆さんは魅力的だ。ファンクラブがすぐにでも出来そう。ふかえりにもファンクラブが出来そうだ。