投稿元:
レビューを見る
ちょっと個人的には合わなかったような感じです。物語に入り込めなかったという感じです。私にとっては読みづらかったかなあ。
投稿元:
レビューを見る
女は散漫で思いつくままに喋るから、話があっちこっちに飛ぶ、なんて云われます。ええ、思いあたりますとも。この小説も筆者の思考の流れるままにひょいと飛躍するところがあるので、ぼやっとしてると置いてきぼりを食らうことがあります。でもちゃんと帰ってくるから大丈夫です。
そんなわけで、時代とか社会背景とか民族がなんちゃらとか、そういう問題はいっさい置いといて、ようは50年代のガールズ・トークだと解釈すると、もろもろ腑に落ちました。原題は“The little disturbances of man”なんですけど、訳者の村上春樹センセイは「女の人生の煩いのモトはたいてい男だからね、フフフ」といいたいのかもしれません。
もしあなたが、親しい女ともだちと週末の午後のお茶会に、小説より奇なる人生のちょっとした煩いをとりとめもなくおしゃべりする習慣があるなら、グレイス・ペイリーという新しいメンバーのための椅子を用意してあげてください。
投稿元:
レビューを見る
ペイリーの第一冊目の短編集。
自由でユーモアがあって、その時代の人々の生活をふんわりと掬い上げている物語の数々。
くせになる作風で魅了されます。
投稿元:
レビューを見る
村上春樹の翻訳作品なので、気になって買ってみた。
最後まで文体に馴染めなかった感があり、楽しんで読むことができなかった。村上春樹訳ということもあり、『グレート・ギャツビー』のようなものを期待して読んだのだが、心に強く訴えてくることもなかった。
投稿元:
レビューを見る
グレイス・ペイリーの 人生のちょっとした煩いを途中まで読みました。村上春樹訳なので買ってみたのですが、文章が読み解けず、物語を追うことができませんでした。実は数ヶ月前に途中まで読んでみたのでしたが、物語が頭に入ってこなかったので、期間をおいて再読してみたのですが、やはりダメでした。逃げてゆく愛もそうでしたが、どうも英米の純文学系(?)の小説とはkonnokは相性が悪いようです。SFやミステリーは特に問題なく読めるんですけどね。なぜでしょうね。
投稿元:
レビューを見る
表紙がEdward Hopperの切ない絵で嬉しかった。
この小説を訳した村上春樹によると、ペイリーの英語はとても独特な言い回しらしい。
だから日本語だとあまり面白くなかったのかな、、?
途中で読むのをやめてしまいました。
投稿元:
レビューを見る
訳者の村上春樹もあとがきに記したように、じつに骨のある文体で、読みやすいか、と言われれば読みにくいと思う。
内容は、タイトルが端的に表した、「人生のちょっとした煩い」。
ドラマティックでスマートとは正反対、つまり平凡かつ事情持ちの人々の、ほろ苦くペーソスな人生のある瞬間を、タフな客観で切り取った短編集。ユダヤ系の人々の生活がよく出てきます。
悲劇でもメランコリーでもない、「薄ら不幸」という、この感覚。ふいにちょっと笑ってしまうような、おかしみと哀しみ。
展開や共感に心躍る!という楽しみ方ではありませんでしたが、「うーん、良い」と、思わず。
読めば読むほど味の出てきそうな、そしてゆっくり味わいながら再読したい一冊。
投稿元:
レビューを見る
「ペイリーさんの小説は、とにかくひとつ残らず自分の手で訳してみたい」と村上氏が語る、
アメリカ文学のカリスマにして伝説の女性作家の第一作品集。
キッチン・テーブルでこつこつと書き継がれた、
とてつもなくタフでシャープで、しかも温かく、滋味豊かな十篇。
巻末にデビュー当時を語ったエッセイと訳者による詳細な解題付き。
アメリカ文学、ヘミングウェイに続きグレイスペイリー。
訳が村上春樹。
10篇の短編集なのだが、
通して思った事が、この人が書く話は、取り立てて特別な出来事を書いていない事が印象に残る。
だけども、読んでいて面白いし、何処か哀しみや憂いを含んでいる。
10篇のうちいくつかの感想を書く。
・さよならグッドラック
ある女の子の叔母が昔の話を語るお話。
叔母はある劇場の俳優と不倫をしていて、
その辺の経緯を昔話のように語る。
ヴラシュキンと言う名の俳優。
終盤、彼にとって人生がリハーサルのような物だったのねとローズおばさんが語る。
不倫はお互いのポジション設定が難しいのだろうなとか思った。
・淡いピンクのロースト
別れた旦那と子供を引き取った奥さんの話。
これもまた、男女の考え方の違いと言うべきか、
不思議な雰囲気でありながら、あたかもそれが当たり前の様に繰り広げられる。そういった構成を作り上げる事に圧巻しました。
愛の為とはなかなか言えないもんですよ。
・コンテスト
ユダヤ人の彼女とその男の話。
クイズに答えて賞金を手に入れる話。
これもまた独特の雰囲気がたまらなかった。
ホント言葉でこれだと言い表せられないような感覚が冴えわたっていると思う。このお話も結構好き。
・変更する事の出来ない直径
チャーリーと言う男が、裕福な家庭の女の子に手を出しちゃう話。
チャーリーの冷静具合とひねくれた感じが、なぜだか親近感があった。
女の子の父親とチャーリーのやりとりなんかを読んでいると、若干笑える。
・そのとき私たちはみんな、一匹の猿になってしまった。
下町で世界平和を維持する為に科学実験を行う科学おたくの青年の話。
彼は、イメージ的に頭のキレるガキ大将みたいな感じで、
仲間が自然と出来上がって最終的には毒ガスを作ってしまう。
イッツィークと言う猿は彼曰く、父親と猿との間に生まれた子供らしい。
よって彼の兄にあたるらしいが、真相は分からん。
読んでいて、不気味な感じがあった。
まぁ実の兄が猿って言う設定が不気味なのかもしれないけれど。
これはまた再読したらまた新たな発見がありそうな一冊でした。
投稿元:
レビューを見る
ペイリーさんの処女短編集です。
人生においてのうまくいかなさ、ちょっとしたズレを、相変わらず(こちらのが先に書いているのだから当たり前だけど)のユーモアと少しの皮肉、そしてイディッシュ語などのユダヤ文化風味で描いています。
「いちばん大きな声」がマイフェイバレット。
一家に一冊グレイス・ペイリー!
投稿元:
レビューを見る
「この本知ってる?」「何年か前に、本屋さんで見かけたけど買わなかったんだよね」という会話をして数日後、自分の本棚のすみっこに収まっているのを見つけた。あのとき、「人生のちょっとした煩い」というタイトルに惹かれる自分がちょっといやだなと思って書店の棚に返したつもりだったのに。
冒頭の初期作品は、ユーモラスでいきいきした印象。作家の書く喜びが前面に出ていて、そのワクワク感に同調して楽しめる。差しこまれる言葉のイメージが鮮やかで、ハッとさせられるのも心地よい。最後の2編はちょっと難解でぶっとんでいる。ひとつ読み終えるごとに、ほっと一息つきたくなる満足感。
投稿元:
レビューを見る
グレイス・ベイリーの最初の短篇集。訳者の村上春樹はあとがきでは全く言及していない作品なのだが、私が篇中でニューヨークに住むユダヤ人女性作家らしさが最も出ていると思うのは「いちばん大きな声」だ。この作品の視点人物は、小学校高学年のシャーリーだが、彼女は学校でのページェント(降誕劇)で、声の大きさを買われてプロンプター(?)に抜擢される。ところが、ユダヤ教徒である彼女にとって、そして彼女の家族にとっても、クリスマスは聖なる日ではなかったのだ。この文化ギャップが、彼女の作品の基調には常にあるのではないだろうか。
投稿元:
レビューを見る
翻訳はされている村上さんが言ってる通り、癖のある文章だと思います。「若くても、若くなくても、女性というものは」が好き。言葉遊びと諧謔の割合が丁度良い塩梅で混じっており、楽しく読めると思う。しかし、どうしようもない男が沢山出てくる話だった。と言ったら他人事のように聞こえるかもしれないが、読んでいて思わずぎくっとなる部分、この行動や言動は分かるなぁ、と納得せざるをえない箇所もあった。筆者の観察力と翻訳者の文章力がものをいっている、のかも。
投稿元:
レビューを見る
『最後の瞬間の〜』を意図せず先に読みました。スノッブな人とかエリートとかにはない、人間の逞しさが感じられて、やっぱり私はこの著者の作品が好きです。
投稿元:
レビューを見る
“生きている物語と、生きている言葉―”
アメリカ文学のカリスマにして伝説の女性作家、グレイス・ペイリーの第一短編作品集。平凡な日常を描いたようで、でも一筋縄では噛み砕けない難解な文体。誰にも真似できない特徴的なストーリーテリングは、どれも読み込むほどに色彩を帯びていく。
・さよなら、グッドラック
自らの在りし日の恋愛談を語る叔母。劇団俳優との盲目的な恋は、白昼夢と悪夢の積み重ねの日々。そんな半生を生きた二人が迎える現在の姿とは。永く永く、時に激しい音を立てる、柔らかい水面のようなお話。
・変更することのできない直径
仕事で訪れた家で出逢った少女と恋仲になってしまったエアコン設置業者の男。怒り狂う少女の家族により、事態は法廷へともつれ込む。全てが収まったかと思わせて、最後の一行が全てを裏切る脅威の物語。
・そのとき私たちはみんな、一匹の猿になってしまった
あらゆる画期的な発明を生み出す青年とその仲間たち。人類の未来のため、とある発想から有毒ガス発生装置の開発に着手するが、ある日取り返しのつかない重大な事故が。この本の中でも、最も衝撃的な一遍かも。
その他「長くて幸福な人生からとった、二つの短くて悲しい物語」「そこに浮かぶ真実」など、エッセイを含む11編。村上春樹氏が「ひとつ残らず自分で訳したい」と語った、彼女の繊細な作品たち。本作が気に入った方は是非、第二作である『最後の瞬間のすごく大きな変化』もどうぞ。
そんなお話。
投稿元:
レビューを見る
人生のちょっとした煩い。読了。
一番楽しく読んだのは『若くても、若くなくても、女性というものは』と、
『さよなら、グッドラック』かな。
というのも、序盤は単純に切れ味の良いストーリーテリングを
する作家だな。と楽しんでいたんだけど。
本の後半に行くにつれて「これはちょっと自分の認識が甘いのでは」
という劣等感に苛まされた。表層的ではないが圧倒的な威圧感を感じる。
その理由はあとがきで彼女の経歴を読んで合点。
ペイリーさんは作家であり、活動家でもあるのだな。
人生の苦境をのりこえた骨太なバックグラウンド。
すばらしい。が、それに尻込みしてしまう自分がいた。