0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
亡くなったのが2007年なのですが……書き継ごうとする作家さん、現れないかなぁー。ずっと昔、坂口安吾の遺作の推理小説を高木彬光が書き継いで出版されたと聞いたような??それにしても、背が高い女性と真面目な男性、どちらも魅力的なキャラクターです。
未完である事が本当に悔やまれる。
2009/06/23 12:09
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず最初に、本作品は作者の遺作で未完作品です。作品最期に「この連作短編が急逝による未完になりました事をご了承下さい」と書かれているのを見て、少し肩透かし的に驚く。本作品の帯には「作家から読者への挑戦状」「最大の謎。解けない謎。」と言った、魅力的な煽り文句が並んでいる。どんな謎が秘められているのだろう・・・と期待120%で読み進めてみれば未完作品。なるほど、ではあった。ただ帯のどこにも未完作品とは書かれていないのが引っかかる。伊織氏が急逝された事はもちろん知っていたし、それくらい予測できて当たり前、だったのかもしれない。だけど中には帯の挑戦的な煽り文句に引かれて、初めて伊織作品を手に取った方もいるのではなかろうか。そんな方々が「なんだこれ?」というような読後感を持ち、他の伊織作品を手に取らないとしたら、あまりにもったいない。数は決して多くは無いが、名作の多い伊織作品をぜひ手にとって欲しいからだ。
ネットゲームで知り合った男女がオフラインで会い、数奇な運命に巻き込まれていく、というのが本作品の基本的な設定。読んだ感じは「テロリストのパラソル」や「ひまわりの祝祭」よりも「蚊トンボ白髭の冒険」に近いだろうか。ガチガチのハードボイルドという感じではなく、一つ新しい伊織ワールドが確立されつつある感。伊織氏の色々な良さがこなれて交じり合って、一つの到達点となる予感をさせる本作品。だけに未完となったのが心から悔やまれる。
伊織ファンが、未完で有る事を承知の上で、最期の作品を明鏡止水の心持で一文一句読み開いていく。そしてその急逝を悼みつつ、作者の最期のメッセージを想像してみる。そんな姿が、この作品には望ましかったのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
ネットの対戦ゲームで知り合った二人に謎のサラリーマン風の男が絡んでくる短編連作。そして、藤原さん最後の作品集。主人公が暗く地味なのと対象に、ヒロインがあまりに自由すぎて大丈夫かと思うんだけど、読み進むうちに惹かれる不思議な人柄。二人の掛け合いが楽しく、謎のサラリーマンも気になり、あっという間に読破。魅力ある人物の表現がうまいなぁと思います。
投稿元:
レビューを見る
相変わらず面白い。
主人公が格好良すぎるのが、難点。
藤原伊織が亡くなったのは残念とともに、彼の作品を読めないという悲しさもある。
遺作となったこの作品も、もっと書きたかったろう。これから更に謎が深まり、謎が解き明かされていくのだろうと思うと読みたかったな。
投稿元:
レビューを見る
2007年5月17日逝去した藤原伊織氏最後の小説。 短編集なるも全体的なストーリーにはつながりがあり、恐らくは一つの物語になる予定だったのだろう。
しかし、筆者逝去により絶筆での出版となっている。 絶筆状態で出版されている小説で覚えがあるのは夏目漱石の草枕ぐらいであったから、久しぶりの、中途半端で終わられてしまった小説であった。(短編集としては完結していたが、全体の謎は解明されないまま。 帯にある「最大の謎」「解けない謎」とはそういう意味なのだとあとで合点) 誰かうまい続きを考えて完結させて欲しいものだ。
投稿元:
レビューを見る
藤原伊織さんの絶筆作品。ネット上で知り合った男と女の二人が恋愛関係に落ちて行きながら、事件に巻き込まれていく。途中で終わっているので、この先が気になってしょうがない。さすが。藤原伊織。
投稿元:
レビューを見る
食道ガンで亡くなった著者の未完結の遺作。
なにしろ未完結なので、なんとも評価しづらいが
結末が気になるってコトは そこまでは面白く読めたってことですね。
脳内完結したいけど、どーかなー
とりあえず恋愛の部分では完結したから、いいか
投稿元:
レビューを見る
未完の遺作。
いつもながらに、主人公とヒロインの魅力に惹きつけられる。
殊に、本作のヒロインには、女心が震わされた。
事件の顛末は闇の中だが、藤原伊織を読んできた読者には、
どこか爽快で痛快なものを感じさせるかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
本書には「遊戯」と題された連作短編と「オルゴール」という短編が収められている。
「遊戯」の目次は次のとおり。
遊戯
帰路
侵入
陽光
回流
この「遊戯」は藤原氏が闘病中に執筆を続けた作品である。「回流」時点でこの物語は終わっていない。藤原氏は2007年5月17日に亡くなってしまったため「遊戯」は永遠に未完のままである。読まなければよかった。藤原氏がこの物語にどのような結末を用意していたのか、気になって仕方がない。思えばこの本を手に取った時から読んで後悔することはわかっていたのだ。だって、未完の小説なんて、〆の河豚雑炊が無い「河豚のフルコース」のようなものだからね。もう、悔しいというか、渇望に身悶えしてしまう。自由に結末を想像してみるのだが、われわれ凡人には想像もつかないのだ。かくなる上は、どなたかに物語の続きを書いてもらうしかない。1989年にロバート.B.パーカーがレイモンド・チャンドラーの遺作「プードル・スプリングス物語」を完成させたように。どなたかお願いします。大沢在昌さん、石田衣良さん、志水辰夫さん、お願いします。
投稿元:
レビューを見る
主人公の本間は、ビリヤードのネットゲームで知り合った二十歳の女性・朝川みのりと、不思議な縁があって、直接会って話をし、仕事を紹介することになる。
すこし世間知らずなところのあるみのりは、しかし聡明で、落ち着いた不思議な魅力があった。本間はそれまで誰にも話したことのなかった、幼い頃に父親から受けた巧妙で陰湿な虐待を、みのりに打ち明ける。
それからしばらくの間は、特別に会うこともなく、ときどきみのりから近況報告のメールが来るだけの関係だった二人だが、やがて二人ともが奇妙なストーカーに付けねらわれ始めて……
藤原伊織さんの遺作です。闘病生活の中でつづられた連作短編集。完結を待たずして、藤原さんが喉頭癌で亡くなられたことが惜しまれます。このあと、どういう結末が待っていたんだろう。
色んな謎が、遺されたままになっているのだけれども、ひとつひとつの短編としても秀逸。クールな語りと、悲しくも美しいストーリーが、不思議な清涼感を読後に残します。
投稿元:
レビューを見る
改めて、江戸川乱歩賞と直木賞のW受賞作家の実力を体感する。
ちょうど、その作品を読んだ直後に亡くなったので、しばらく手に取れなかったんだよね。
で、次に手に取ったのは未完の遺作。
氏がどんな結末を描こうとしていたのか?
今となってはまるでわからないけど。
連作短篇の一篇一篇は珠玉の出来で。
つくづく、惜しい方を亡くしたなぁ。。。と今更ながら体感した私です。
投稿元:
レビューを見る
連作短編が未完で終わってしまいました。
続きは想像するしかありません。
惜しいひとを亡くしました。
投稿元:
レビューを見る
未完の遺作、続きが読みたくても亡くなられ読めないのが切ない。作者のハードボイルドと粋なダンディズムがたまらなく好き!藤原作品はほとんど読破!
投稿元:
レビューを見る
●あらすじ●
インターネットの対戦ゲームで知り合った本間とみのり。無職になったばかりなので、仕事を紹介してほしいという相談に乗るため、派遣会社勤務の本間は、みのりと待ち合わせをする。
初対面のその日、本間が打ち明けたのは、今まで誰にも話したことがない、幼いころの虐待の記憶と、遺された拳銃の存在だった。
メールに仕込まれたウィルス、拳銃に装填された種類の違う弾丸、そして明らかな悪意をもって二人の後をつけてくる自転車の中年男…。
表題作のほか「オルゴール」収録。
●感想●
藤原伊織さんの遺作だそうです。
遺作なので、未完です。
未完なので、なんでそこで~、というところで終わっています。
まったくもって結末が予想できなかったので、完成したものが読みたかったな。
本間のとーちゃんは何者だったんだ~。みのりの新しい母親の、もと旦那さんの事件にきっと関係があったんだよね?ひいてはみのりの父親にも…。でも自転車の中年男は?うーん、まったくわかりません。
「オルゴール」、なかなか好きでした。
さて、これで他人からお借りした藤原伊織作品は最後です。
なんとなくですが、3冊続けて読んで「誕生日」「記念日」というキーワードが何度か出てきたのが印象的でした。そういうアニバーサリーな単語が頻出するって、男性作家さんには珍しくないですかね?
なにはともあれ、どれも面白かったです。
藤原伊織さん、ご冥福をお祈りいたします。
投稿元:
レビューを見る
「蚊トンボ~」を読んで藤原伊織さんにはまり、
もっともっと読みたいと思ったのですが、
遺作になってしまった作品。
残念です。