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水の奇跡を呼んだ男 日本初の環境型ダムを台湾につくった鳥居信平 みんなのレビュー
- 平野 久美子 (著)
- 税込価格:1,760円(16pt)
- 出版社:産經新聞出版
- 発売日:2009/05/30
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紙の本
ここにもいた!台湾に貢献した日本人技師
2009/07/13 10:41
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:としりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本統治下の台湾で、農業の近代化に貢献した日本人技師といえば、八田與一がよく知られる。
彼は台湾総督府土木局の技師として台湾に赴任し、東洋一と言われる烏山頭ダムとそれに連なる灌漑用水路を10年がかりで建設、中南部に拡がる嘉南平野を不毛の大地から緑の大地に変えたのである。
彼の命日である毎年5月8日には現地の人たちによる慰霊祭が行われており、ここ数年は馬英九総統も出席して感謝の言葉を述べている。
評者はこれまでに2度現地を訪れた。烏山頭ダムのほとりには八田與一の銅像と墓があり、墓にはいつも現地の人によって花束が供えられている。
さて、本書の主人公・鳥居信平は、八田とほぼ同時期に、さらに南部の奥地に環境型の地下ダムを建設した。それは今でも大地を潤し、現地の農業と飲料水に多大なる貢献をしているのである。
本書は当時を知る人たちへの取材をもとに鳥居の事跡に迫るものである。地下ダムについても説明はしている。が、どうも全体像がもうひとつイメージできない。若干残念なところである。
また、鳥居の場合は、一民間会社の技師だったということや、巨大な規模の烏山頭ダムと違って目立たない地下ダムということもあってか、華やかさは感じられない。八田與一が向日葵とするなら、鳥居信平は月見草というところか。
しかしながら、現地では注目され、彼の銅像製作も行われているという。本書の帯の、李登輝元総統の感謝の言葉も感動的なものだ。
かつて日本が統治した台湾や朝鮮半島には、日本人が残した足跡、遺産が数多く存在する。例えば、朝鮮半島なら鴨緑江の水豊ダムなどがよく知られるところだろうか。それは半島の電力供給に多大な貢献をした。ただ、韓国などで日本人技師の貢献が感謝されているという話は聞かない。彼らの銅像があるという話も聞かない。台湾と大きく違うところであり、残念なことである。
しかし、我々日本国民は、自分たちの祖先の物語を知っておくことは大切なことだろう。そして、後世に伝えていくべきではないか。
紙の本
日本人の気概
2018/10/30 10:32
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投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦前の台湾で農業振興事業に貢献し、尊敬される日本人技師として八田與一が有名だ。しかし、民間人の中にも台湾の人びとから尊敬されている日本人技師・鳥居信平がいるそうだ。2人は縁があるのか、鳥居は金沢にあった旧制四高で八田與一の先輩にあたる。
鳥居の行った事業は台湾南部の屏東平野の荒蕪地を開拓し、自社の製糖工場で使うサトウキビなどを栽培するものだ。水源は地下ダム(堰)建設し、伏流水を貯めて利用する方法によりかんがいする。伏流水を堰上げるための構造物は高さ3m弱の堰である。サトウキビだけでなく、米も栽培し、自給自足できるよう輪作法を取り入れた。この方式を八田與一も参考とし、大規模に嘉南大しゅうで実施、大きな成果をあげている。
技術的な記述にもの足りなさを感じるとことろがあり、事業計画の技術的細部を把握しにくいのが気になるが、全体としては鳥居信平についてよく理解できる。
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