紙の本
食と恋にまつわる短編集
2016/12/20 16:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:katu - この投稿者のレビュー一覧を見る
食と恋にまつわる短編集。主人公は大体中年男性で、それぞれお好み焼きやらたこ焼きやらうどんやらにこだわりを持っている。しかし、そのこだわりが妻や母などに理解されず、たまたま出会う食の趣向が同じ女性といい感じになるのだが、結局は上手くいかないという話が多い。
とにかく食べものの描写がとても美味しそうで、読んでいると食べたくて堪らなくなる。大阪弁もまたいい味を出してるんだよなあ。ずいぶん久し振りに田辺聖子読んだけど、やっぱりいいねえ。
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うーん。悪くないけど、主人公の男の人がなんか好きになれないな〜。自分ではなんにも行動しないくせに、文句だけ(心の中だけにしろ)言うのは好きになれないです。食べるばかりで、作る描写がない(作るのを見てるだけ)のもいまいち。
食べ物を題材にした短編集なら、『恋はさじ加減』(平 安寿子)が今のところ一番好き。
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こないだ『無芸大食』を読んだら、食いものネタのこの小説集をまた読みたくなって、図書館で借りてきた。
私がむかし読んだのは、ちくま文庫版で、でもそれは貸出中で出払っていたので、古い単行本を借りた。表紙画は灘本唯人で、この新しい文庫とだいぶ違う。
表題作「春情蛸の足」を先頭に、「慕情きつねうどん」「人情すきやき譚」「お好み焼き無情」「薄情くじら」「たこやき多情」「当世てっちり事情」「味噌と同情」…と、ナサケの深い話が八つ。語り手は、ぜんぶ大阪のおっさん。
またこれが読んでておいしそうで、読んでいて、(このおでん屋や、このうどん屋はどこにあるんかいな、行ってみたいのう)とつい思ってしまう。
食べるもんの味のこのみの違いは、偶のことならともかく、いっしょに住んで日々のことになったら、そらきついやろなアと思ったりしながら読む。
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食べ物と男女がテーマの短編集。どれも大阪の話です。
全体的にいいにおい、温かい空気、ぐつぐつという音が聞こえてきそうな本でした。
男女(恋愛、友情など)の話でも、変に美化したりかっこつけることがないところが、心地よかったです(食べ物も、たこ焼きやうどん、白味噌など、かっこつけたものじゃないし・・)。
私は特にすきやきときつねうどんが食べたくなりました!
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読んでいると今にも食べ物のにおいが漂ってきそうな、臨場感。
この本を読むとおなかがすいて、でもそんな自分がちょっぴり幸せ。
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田辺聖子の「笑っといたらええわ!」ってかんじ満載。関西人って食のこだわりあるもんね。それを扱ったのまた関西人としては面白くってよかった。どれも主人公が男性だったなあ。やっぱ田辺聖子は主人公は女性のほうがいいなあと思う。
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しみじみとお腹がすく恋愛小説でした。お好み焼き、すき焼き、きつねうどん、てっちり…美味しそうな文章…美味しい物を好きな人と一緒に食べることは素晴らしいと思った。てっちり食べたい!
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すっごくおいしそにみなさんご飯を食べておられます!
昔の台所事情や社会風景も分かっておもしろい作品
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短編集。
おっさんと恋と料理と大阪。
よくもまあこんなに似た話を何話も書くなあというかんじ。
ぜんぶおなじでぜんぶおもしろい。
田辺さんの点(、)が多い独特なリズムの文章は心地よい。
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糸さんおすすめ。
糸さんいわく、
面白い短編集。ふわふわと湯気の立つおいしそうな食べものがたくさん出てくる。それを間に挟んだ人間模様の数々。読んでいる間中おなかがすきっぱなしでした。
人と人ってこんなふうに繋がっていくんだなぁ、としみじみ実感。読み終わった後幸せになれる。
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田辺さんの小説は、そのパワーのある文章力でグイグイ読まされ、読み終わった後に心がスカッと明るくなるものが多くて大好き。
特に食べ物が出てくる小説は好き。食べ物が何せ美味しそうに描かれているし、登場人物たちの食べっぷりの良さが気持よく、食に対するこだわりにも可笑しみがあって、ニンゲンの幅の広さ、器の深さ等を感じさせてくれる。田辺さんの温かい目線で一緒に見ることによって、ヒトの可愛げや慕わしさを堪能できる。柔らかい関西弁も目に(耳に?)心地よい。
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大阪の熱々下町グルメを今すぐ召し上がれ!誰かと『美味しいね』と言いながら食べたくなること間違いなし。
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大阪の街を舞台に食で繋がる男女の関係を描いた短編集。
20年以上前に書かれた作品ながら、まったく古さを感じない。
ただコテコテの関西弁が頻出するから、そのあたりが気になるとダメかも。
並々ならぬ食へのこだわりと、男女関係の難しさを両方味わえる一冊。
大阪(関西)の味とどれくらい親しいか、家族はいるのか、大阪が好きかなど、楽しむには複数のハードルがありそうだけれど。
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お好み焼き、たこ焼きが食べたくなる。
子どもの頃、父がわざわざ車まで出して買ってきていた、たこ焼きを思い出した。普通のたこ焼きよりも2、3倍は大きく、でも柔らかくてソースがしみしみでおいしかった。
あとは、その昔偏食でたこが苦手だった頃、おばあちゃんとおばさんと、神社のお祭りかなんかに行って、たこ焼きを買ってもらって食べた思い出。たこが入っているのに気づかなくて食べていたら、なんか誉められたなぁ。
そんな、食べもんの思い出が次から次へと出てくる。
それにしても、食べもんて不思議。元気のもとになることもあれば、病気のもとになることもある。ええ塩梅でお付き合いしていきたいもの。
この本に出てくる食べもんみたく、ふんわりやさしい気持ちになれる本。
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主役の男達の気持ちがわかりたくなる。でも実際は、味のわからない妻やまわりのOLに近いと思うので、父や上司たちに「すいませんでした」と言いたくなる。
「大阪の味」がいまいちわからなくても、グルメ特集のおいしさとは違う、懐かしくておいしい「この味」を求めて奔走する男たちが滑稽で、親しみが湧きます。その「味」がわかる店や女に恋したり。ああ、男の人って食べ物をこういうふうに食べるんだなあ。「孤高のグルメ」の大阪弁おしゃべりといったかんじで楽しいです。男の人はもっと共感するのか、逆に違和感があるのか。あったかい食べ物が多いので冬に読むのがいいかも。