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かれこれ20年近くデフレ状態が続いていて金融商品の利率は銀行預金、郵便貯金を例にとっても1%もいかないのが普通だと思います。実際にはデフレ相当分を考慮すると、数パーセントになっているのかも知れませんが、このタイトルにある年24%で回る金融商品があるとは俄かには信じられません。
サブプライムローン問題に始まって多くのヘッジファンドが解散したり整理されたりしているなか、この本で紹介されているヘッジファンドはどうなのでしょうか。明確な答えを得るにはあと10年はかかるかもしれませんが、売りから入ることができるファンドは株式市場任せとは異なるので少しは興味がもてるものでした。
特に、予測をしない、人間は判断を間違えるのでコンピュータに任せている、というのがポイントだと思いました。
以下は気になったポイントです。
・AHLファンドのトレンドフォロー運用の特徴は、予測をしないでトレンドに乗るだけ、判断をするのは人間ではなくコンピュータ(p38)
・どんなに優れた相場観の持ち主でも、いざ身銭を切ると「欲」と「恐怖心」に取りつかれるので、力が発揮できなくなる(p48)
・野村監督によれば、「緊迫した場面ほど過去のデータが生きる」という考え方がある、これは人間心理は、緊迫した=相場の下げ場面では同じ心理となるため(p53)
・イギリス東インド会社の権益を受け継いで1783年に創業されたのがAHLファンドを運用する、マン社である(p68)
・マン社は他のヘッジファンドとは異なり、世界的な商社が母体であり会社組織をして積み上げた220年のノウハウは計り知れない(p69)
・Tファンドの魅力の一つとして、投資できる通貨が多く、円建てもあり5万ドル相当から可能(p113)