紙の本
なんか、とても悔しい。そう、羨ましいんじゃなくて悔しい。この感じ、読んだ人なら解ってくれると思う。
2009/09/29 22:17
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yama-a - この投稿者のレビュー一覧を見る
「なんか、とても悔しい。そう、羨ましいんじゃなくて悔しい。この感じ、読んだ人なら解ってくれると思う」──この本を読んでそう言った人がいたけど、まさにそういう感じ。
この本は、当時女子大生だった“はあちゅう”こと伊藤春香が、自らプロモートして獲得したスポンサーからのタイアップによってタダで世界一周をした記録である。意地悪く書けば、生意気盛りの小娘が大人を籠絡して好き放題の遊びに興じるストーリーであり、そういう意味では読者が反感を抱いても何の不思議もないのだが、残念ながら(?)反感は抱けない。反感を抱けるのはせいぜい最初の20~30ページだ。
はあちゅうのパーソナリティによる部分も大きい。彼女は決して我が強く思い込みの激しい、ありがちな小娘ではない。むしろ自分の臆病な面をしっかりと描いているし、読んでいると意外に古風な面があるのも判る。だが、一方で目的に向かっては揺らぐことなくまっしぐらに突き進んで行く。この不思議な強さは一体何なんだろうと思う。
しかしながら、僕が読みながら考えていたのは彼女の性格や考え方ややり方の問題ではなく、自分ならどうなのかということだった。つまり、僕は彼女とは全くタイプの異なる人間だ。だから、この紛れもない成功体験を読んでも、それをそのまま自分に当てはめて真似しようとは思わない。だったら、自分ならどんな風なやり方があるんだろう? 何かを実現するための自分らしいアプローチって何なんだろう、って、そういう風に自分を(しかも、僕みたいな、彼女の父親であっても不思議でない年代の男が、あらためて自分というものを)振り返らせてくれるところがこの本のすごさだと思う。
旅が終わって、当の彼女自身が反省しきりで決して満足していないのも解るし、客観的に見ても決して満点の企画だとは言えないだろう。しかし、二者択一で言えば、これは紛れもない成功体験である。何故ならこの体験が彼女をさらに大きくしていることが手に取るように解るから。
70日間で訪れた14ヶ国の情報も楽しく散りばめられており、単なる旅行記として読むのも面白いだろう。マーケティングの入門書みたいに読むこともできる。でも、そういう単なる読み方に終わらせない、もっと広がりのある、どうしようもなく不思議な魅力のある本なのである。そこら辺が「なんか、とても悔しい。そう、羨ましいんじゃなくて悔しい」本なのである。この感じ、読んだ人ならきっと解ってくれると思う。
by yama-a 賢い言葉のWeb
紙の本
はあちゅうの卒業旅行! 元気をもらえる一冊!
2010/06/01 11:40
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は1986年生まれの伊藤春香さん、あだなは「はあちゅう」。彼女が、大学生だった当時(といってもそんなに昔ではなくて2008年)、タダで70日間世界一周をした。
その世界一周の旅を中心に書かれたドキュメンタリーだ。
なんとも魅力的なタイトルに、思わず図書館で借りた一冊。
そもそもこの世界一周旅行は、はあちゅうの卒業旅行!
その卒業旅行になんと25社がスポンサーとなり、彼女は世界一周旅行をタダで手に入れた。
もちろん、スポンサー獲得までの厳しい道のりあり、
世界一周旅行にスポンサーとのノルマありと、
決して楽な道ばかりではなかったけれど…。
はあちゅうが20代前半に世界一周の旅をしながら、感じたこと、得たものは、とてもつない財産になってるなぁ~と思うことしきり、でした。
「この世界には希望しかない」と信じられるような澄んだ青い空を見せてくれたイースター島、
サハラ砂漠では、言葉の無力さとそれに反比例する本能の感覚の強さを実感。
世界のあちこちで出会った人から、いろんな言葉をもらった。
あるとき出会ったアンティークショップのおじさんに、今まで行った中で一番良かった国を聞いたところ、「どこの国もいい面と悪い面があるけれど、大事なのは自分とその国の関わり方。何でも自分次第だよ」と言われて、はあちゅうは、ハッとした。この「自分次第」という言葉が彼女の旅のキーワードになったほどだ。
カンボジアでは水上生活者の原始的でシンプルな生活を目の当たりにして「人間ってきっともっとシンプルに生きられるはず」と、はあちゅうは心が軽くなった。
世界一周をふり返って彼女はこう言う。
「自分の核にあたる部分から無駄なものがそぎ落とされ、シンプルになったのを感じる。今の私は、自分に必要なもの、欲しいものに正直で、前よりも潔くなれている。これからの人生は自分探しではなくて、理想の自分作りに全力投球したい。これまで出会ってきた人と、これから出会うすべての人に感謝したい」と。
ここを読みながら、すがすがしくていいなぁ~と思った。
読みながら、元気をもらえた一冊です。
それにしても、はあちゅうはこれからどんな人に出会うのだろうか…。感謝の気持ちを持っていれば、大丈夫!とエールをおくりたいですねぇ。
巻末になんでもベスト3が紹介されていて、これが面白い。
おいしかったものベスト3は、こちらの1位はベトナム・タイの屋台ご飯でした。ほかにお土産ベスト3、美男が多い国、美女が多い国、日本女性がモテる国…。危険な目ワーストなてのもありました。
投稿元:
レビューを見る
「脳みそスパーク!」おなじみよく知られる「世界一周」の先駆者、歩さんの言葉を借りるならば、この表現が最も相応しい。それほど、僕の心は、この本を読みながら、躍った。心躍った。
「ハネムーンは世界一周」とか、どっかから借用してきたかのような台詞を吐くようになってどれくらいが経ったかは忘れたけれども、本日、この本を読んで決断した。即決した。絶対に世界一周行くわ。独身生活最後の日にピリオドを打ち、次なるチャプターの幕開けを、未知との遭遇の連続という名の共同作業で迎えよう。それは己との対話であり、相手との対話であり、めぐりめぐる人々、しいては全世界との対話である。アドレナリンが大量に分泌されまくってる。冒険、それも、非日常と言う名の。これが、人生にワクワクを与えてくれる。さあ、行こうぜピリオドの向こうへ。
…在学中からの夢であった「世界一周」を、100万以上もかかる莫大な資金という障壁までをも突破して、見事現実のものとしてしまった著者の軌跡がここにある。軌跡というか、まさに文字通りの「奇跡」、ミラクルがここに。
自分の幅が広がる。旅後は、世界中でリアルタイムで起こっている出来事の数々が、悲惨なことも環境問題のことも含めて、他人事ではないと感じられるようになってしまうという。「事実は想像より奇なり」。当たり前のように聞いてきたフレーズが、ふと、腑に落ちた瞬間。そういう、ブレイクスルーが起こるのも、旅の最中であるからこそ。
早く、来月の、旅がしたくなってきた。リアルタイム中継、今からでも道具の調達は遅くないかもしれない。早くポチろう。バイオと名刺を。このレビューと日記を書いたら、直ちに決済する予定だ。クレジットの、5万を超す料金も、まあ、来月の自分が何とかしてくれるだろう。
歌代氏に、世界一周をもくろむ全ての人々へ。すぐに本屋へ直行して、読むべし。これを「行動力」と呼ぶのだ。人間の弱さ、脆さ、といった感情と共に、その無限大の可能性を、等身大の20前半の若き力を、生々しいがままに感じ取ることができる一冊である。
一歩を踏み出す人へ、世界一周に憧れる人へ。そっと、後押ししてくれる、といった、生暖かい類のものではない。吐き気がするほど気持ち悪い、狂おしいほどの「世界一周」という具体的目標への希求が、大量分泌されたアドレナリンと共に、たちまち僕の心を覆い尽くした。
投稿元:
レビューを見る
ブログでは、何もかも完璧な気がしていた著者だけど
ほんとは普通の大学生で、はあちゅうも時には迷ったり、
泣きそうになったりするんだーと実感。
ずーっと読みたかっただけに、買ってよかった。
普通の大学生でもここまでできるんだ!って感動。
投稿元:
レビューを見る
協賛会社を付けてタダで世界一周をしようとゆうこの企画。
まぁ大学生がよくやったと思います。それは否定できないけども、やっぱたかが70日間で周った国が15ヶ国だっけ、これで世界一周ってのはやっぱ他の世界一周とは若干意味合いってゆうか重みが違ってるんでさ。それにこれでいろいろ世界のことわかったみたいな気にはならないで欲しいかな。アンチが凄い多いみたいけど、ちょっとわかるわ笑
投稿元:
レビューを見る
例えば、世界旅行をするまでと、旅行中の出来事と、旅行後の自己評価とを分冊しても良かったのかもしれない。
誰にでもマネできる旅行コースを設定できていれば、なおよかった。
しかし、情熱というか行動力に、読んだ人は心を揺り動かされたはず。元気はもらえる。また、男のロマン(?)ではない、まだ観ぬ地平に向かってゆく旅人の気持ちをいくらかは実感できる。次は電波少年で。
投稿元:
レビューを見る
● 感動は瞬間に宿ると私は勝手に思っている。瞬間的なものだからこそ、気持ちが冷めないうちに表現して誰かに伝えるのが大事。
● 人生で大切なのは、日常を正しくこなすことではなくて、たまにその日常の外でいろいろなものを吸収すること。そうするとルーティンもより充実するからね。
● お金は経験と時間を買うために使おう。その2つが人生で一番きっと大事だ。
投稿元:
レビューを見る
賛否両論がある人だけど、「卒業旅行に協賛をつけて、自腹を切らずに70日間で世界一週した」という事実は賞賛するしかないと思う。海外旅行に行きたくなりました。
投稿元:
レビューを見る
私の神的存在、はあちゅうが世界一周しちゃいました。それもタダで!
タダで世界一周するためにその何倍もの苦労と努力を重ねたはあちゅう。やっぱり神です。
投稿元:
レビューを見る
世界一周旅行をしょうと思ったきっかけと
タダで世界一周のできるわけ、そこまでの苦労。
そして実際の旅行記が書いてある。
最初から最後まで、結構苦労しているなという感想があるが
なかなか見られない、世界の姿を書いていておもしろい。
人模様、世情や雑貨なんかが書かれている。
タダ旅行のきっかけになる、実際の企画書なんかも載っていて
それもある意味貴重だった。
なかなか面白い内容でした。
投稿元:
レビューを見る
【自分探しするくらいなら、理想の自分を思い描いて、それにむかって「自分作り」したらいい】
自分も世界一周していて、共感できる旅日記もある。
そして発想力と企画、行動力があり、人脈もある。
大学生にして、その実行力はすごいと思った。
ある種のビジネス書?
投稿元:
レビューを見る
2時間ほどで一気に読みきった。
とりあえず楽しい。てかうらやましい。いいモチベーションになる本を見つけた。
しかしどうしてもこの人の顔は好きになれない。
投稿元:
レビューを見る
アイデア力、企画力には驚かされる。やはりピンときたら実行、って大事ですね。やれないよ~って言って終わることが大半のところ、そこを詰めて実現にする行動力とねばり強さは見習いたい。
旅行記については、まぁ普通。普通の旅だなと。バッパーみたいな驚きや濃密さも感じられなくて、本当は感じてたのかもしれないけど、文章からは分からない。旅行記ではない。荷物がこれ以上増えるのはいやだな、とかちょっと頑張ってって気持ちになったがw 旅しながらイチイチブログ・写真更新だなんて面倒くさくてやってられない。旅に集中できないでしょう。それでもやったんだからすごいと思う。実におもしろい企画だわ。アメリカでも、世界一周しながら踊ってる動画をアップしてるところを、CM起用したいって企業あったけど、あれも羨ましい・・・。
投稿元:
レビューを見る
この企画を立てて、営業を実際の企業に持ち込み通してしまう、企画力・プレゼン力・行動力が素晴らしい!
リアルタイムにブログが見れなかったのは、残念だったけど本を通して旅行の大変さや楽しさが伝わってきて面白かったです。
確かにこういった企画は学生だからこそ出来る物だが、こういう人が学生に多くいて欲しいと思います。(あまり多くいないように思うので)
投稿元:
レビューを見る
なんのきっかけかは忘れたけれど、
彼女のブログを読んで知った。
女子大生がスポンサー募って世界一周を成し遂げたという嘘のような本当の話を。
しかも、同い年!!
軽く、いや嘘。かなり、自分との差に衝撃を受けた。
企画から、旅行中、帰国後の後処理までを詰め込んであるから、
旅行記としては物足りない。
でも、彼女の情熱と執着をひしひしと感じた。