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40代 だからこその 恋愛。
ある程度その年齢になるまで積み重ねてきたものが お互いの隙間を埋める恋愛だなと。
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いつも山田詠美氏の小説に出てくる男性キャラは魅力的で、読後には「いい夢見させてくれて有難う」と感謝の気持ちで一杯になるのですが、この作品では、初めての疑問符が付いてしまいました。山田氏の感情が入りすぎてしまったのではないかと思う描写?、共感して欲しいんだろうなって感じさせる説明?とか、なんだか少しもったいない気分です。
ちょっと氏の不調を感じました。
なんかネガティブな事が山田氏にあったのだろうか、氏の男性美学が今回はちょっと強引な感じを受けました。無理やり幸福を感じさせようとか思ってんのかなーなんて、今までそんな事を氏の小説で感じたことなかったのに。だとしても、キャラの思考などが何か故に個性的であったり、いつもの様にキャラに魅力を感じられれば、物語に惹き込まれていくのですが、なんか中途半端な気持ちのまま終わってしまった。
山田氏のファンなのでちょっと残念な気持ちです。山田氏の本に期待しすぎなのかな。私がただこういう男性が好みじゃないだけかもしれないし。というか、草食系男子って以前流行ってて、だからか山田氏お得意の時代先取りで栄ってそういう感じで書かれてるような気がして(2007年刊行)、でも現実そういう男子ってそんな人気ないしなーとか、変な事色々考えたのも良くなかったと思う。
でも、最後に引用された本の紹介があったので、これは全部制覇したいと思っております。氏が読んできた上で、引用までした本を。
そして又これを読んでみて、私自身が違う生活環境になってて、違う視点で新たな何かをこの小説で理解できたらなーって思います。
やっぱり山田氏が大好きです。
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彼女から、年を取ることによる落ち着きを感じた作品。
彼女から、いい意味での古臭さを感じた作品。
若さを持っていては味わうことのできない刺激とか、がたくさん詰まっていると思う。
2010.03.31
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高校の国語の授業以来の山田詠美作品。
42歳独身女性の日常、とりわけ42歳独身男性との柔らかな生活を描いた作品。
慈雨と栄という少しだけ変わった名前を、ちゃん付け・君付けで呼び合う中年の男女。
大人になると失われると思っていた甘やかな表現がふんだんに使われている。
ほんの幼い頃に思い描いた中学生、その思春期の頃に思い描いたハタチ、成人式を通り過ぎて思い描くアラサー。
そのどれもが遠く未知であり、しかし年月が成長を保証しているような気がしている。
けれど、きっとそうではない。
中学生になってみたら、ハタチになってみたら、これからアラサーになっても、同じように思うだろう。
この年齢はもっと「大人」だと思っていた、と。
それを分かっていながら、未来の自分の背中を見つめて、過度な成長を期待していく。
慈雨と栄は、大人と言われて思い描くような人物像とはかけ離れている。
42歳、と具体的な年齢を最初に提示されるにも関わらず、読めば読むほどそのイメージからは遠ざかっていった。
ゆるくあまく、「大人」という立て看板を気にもせず、他者から押し付けられるイメージを受け流しながら、何歳でもない、誰でもない、ただ慈雨と栄という一対一の関係を築いていくのだ。
まるで、何の期待もない、真実の歳のとり方を教えてくれるようだ。
大人になれば出来ることが増えると、子供の頃はそう信じていた。
この作品を読むと、それが間違いだったことに気付かされる。
大人だから出来るのではない。
その人だから出来るし、あるいはその人だから出来ない。
年月を経たときに自分が出来るようになるのかは、その時間をどう生きたかの結果であり、何の保証もない。
ただ、出来ることが増えたからって偉いわけではないし、慈雨と栄のように、大人に求められる大人らしさから逸脱したところに、幸せが転がっていることもあるだろう。
人生は正しく生きるのではなく豊かに生きるものなのだと感じる、暖かい物語だった。
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何やらいいタイトルだなと思って手に取ったら、面白かった。
45歳同士の男女が、まるでティーンエイジャーみたいにラブラブしている。
いい年なんだけどお互い落ち着いた大人の生き方してないので贅沢ではないけど、でも幸せだと思える恋愛だった。
栄君、いいね。あんなに有頂天にさせてくれる男ならマジで一緒にいて楽しいかもしんない。年取ってても甘やかしてくれて可愛がってくれるんだもなー。
ちょっと狙いすぎかなーみたいな言葉遣いが何となく気になったけど、いつまでも若々しい感じでいる話はよかった。
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2015/01/24再読。
豊島ミホの解説が分かりやすく纏まってた。解説を読んでやっと色々と納得。
解説にもあったが、若くして恋人と死別する流行りの恋愛ものとは違って、40を越えた栄と慈雨の純愛小説。それもおしゃれで大人なバーで繰り広げられる会話ではなく、中央線沿いの古くて狭い家が話の中心。周りの人間もあきれてしまうくらい二人の世界に入ってて、でも本当は家族や友達と自分なりにバランスをとっていて。最後の方は少し応援したくなった。
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友人と花屋を経営する40代女性、慈雨(じう)。彼女が初めて出会った運命の男性、栄とのラブラブ(書いてて恥ずかしい、けど事実)な日常を、慈雨の一人称による語り調で描いた恋愛小説。
そのトリッキーな構成と「ホントに小説?」っていうくらいフランクな文体が新鮮。笑っちゃうくらいイチャイチャする二人の姿に、こっちが赤面してしまいそう。
とはいえ、ただのイチャイチャ小説ではない。語り調ならではの繊細で豊かな心情表現、慈雨の心の機微を巧みに描いているのである。
「私、女々しい男、全然、嫌いじゃない。女々しさは、男の無骨な体を薄めて飲みやすくする、おいしい水みたいだと思うから」
という慈雨のセリフからも、その見事さが伝わるだろうか。
既成をぶち壊して、「愛」や「死」に対して新しい概念を(勝手に)作り出してしまう図々しさ。
それは経験豊かな中年カップル(40代の方、すいません!)が到達しうる境地であるのだが、それが何とも痛快であり、中年ならではのシットリ感も感じる。
新鮮さと痛快さと重厚感を兼ね備え、相反する感情の交錯を感じられる好著。
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さすがの山田詠美先生!
久しぶりに山田詠美作品読んだけど大好きな作品になりました。
40代の2人、栄と慈雨の恋、もうねいい年して!って感じの恋は盲目な2人なんだけど、かわいいし、ホッとするんだよね。
私とは全然キャラのちがう慈雨ちゃんなんだけど、なんだか共感できちゃうぶぶもあって。
テンポよく読めるし、女子にはおすすめ!
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45歳のおじさまとおばさまのラヴ・ストーリー
ラブではなく、ラヴと書きたくなる甘さ。
あまあまなのです。
年齢を重ねると、こういう境地にいくのかしら?
これでいいって思えるのかしら?
私みたいな若輩者の頭には、【諦め】や【退廃的】って言葉が浮かんでてしまうような状況。
これ、いつまで続くんだろう。
と思ったところで、ぐぐぐぐっと惹きつけられてクライマックス。
笑ってしまった。
泣かないけど、でも、温かい涙で心が濡れるくらいの、優しい感動。
山田詠美さんの本、とりあえず全部読もう、と思った。
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慈雨ちゃんかわいぃ~
恋人と日常を楽しむのってすごぃいいな。
私、不幸が幸福を呼ぶっていまいち理解できなかったけど、ようやくわかった\(^o^)/
辛い事を恋人に慰めてもらうことで、その人にたくさん会えるからなのね~
地に足がついてるフラフラした人って超いい。
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40代のオトコイを描いた作品。
40代の恋というとドロドロとしたものを想像するが、恋は中央線でしろ!ってなぐあいで、この話の二人は10代そのもの。
エイミーが書くと40代の恋もこんな感じになるのだと感心した。
また、本文中に様々な作品の引用がでてくるが、この文章がぐっと心を掴む。
文章が一人称で「熱血ポンちゃん」シリーズを読んでいるかのように進む。恋愛小説は・・・と言う人にもおススメできる作品。
「熱血ポンちゃん膝栗毛」を読んだ後に読むとさらにムフっとするね。
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栄も慈雨も大好き☆こんなにも恋の世界にどっぷりはまれるものだろうか…と思いつつも、私もふたりの世界にどっぷり…。人って弱くっていいんだ、自分のことわかってくれる人はひとりでいいんだ、と思える優しい作品。
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栄、慈雨、40代半ばカップルの何気ない日常を中心にした物語。若干の気持ち悪さを感じつつも、将来自分もありそうな話しもちょこちょこあり楽しめる内容でした。言葉遊びについては見習いたいなぁ。ラストは泣けます。
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山田詠美って、日常の何気ない一コマを独特の言い回しで表現するのが凄く上手いと思う。コミカルなんだけど、ケータイ小説みたいなアホさはない。
この話に出てくる栄と慈雨はバカップル。だけど二人とも若くはない年だから、バカップルでも大人のユーモアさがある。何か良いなぁ
最後に出てくる栄の家族のゴタゴタはなくて良かったような・・・。
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2011 8/18読了。WonderGooで購入。
登録する段になって気がついたけど、これもう4年も前に出て、2年も前に文庫化されていた本なのか。なんでいまWonderGooの平台にあったんだろう?
45歳の男女の恋愛小説。
タイトルは無銭、とあるけど、無銭であることよりも「大人の恋愛」のイメージとかけ離れた2人の有り様が印象的な話。
読むのに体力がいる・・・目の前でいちゃいちゃする両親を見るとき、とも少し違うけど・・・でも恋愛で一番他人に見せられないのってセックスよりも2人で馬鹿みたいなやりとりをしているところかもしれず、かつその馬鹿みたいなやりとりをしているところの方が甘美だよなあ、というのはなんかわかる。
随所で引用される恋愛小説もまた気になった。
あと中央線沿線に行きたくもなる。