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「いのちなりけり」の続き。咲弥と蔵人のその後。娘となった香也と3人で鞍馬に住むが、、、赤穂浪士の討ち入りの新解釈も含めて面白かった。
光琳に内蔵助が言う「ひとはいつかは必ず死ぬものでござる。いくら恐ろしくとも死なぬわけにはまいらぬ。ならば、おのれがもっとも生きたいように生きるしかござりますまい。たとえ、それで死が早まろうとも」
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◎第142回(2009年度・下半期)直木賞候補作品。
2010年1月23日(土)読了。
2010−8。
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誰もが知ってる忠臣蔵。赤穂浪士の討ち入り、その背景には朝廷と幕府の対立、大奥の権力争いが複雑に絡んでたと解釈する葉室流忠臣蔵。
そこには『いのちなりけり』の蔵人と咲弥が暗躍してた。
どのような状態になっても冷静沈着で凛とした咲弥。
赤穂47人を敵にしてまでも娘との約束を守ろうとする愚直なまでに真っ直ぐな蔵人。
二人の愛の形はいつまでも変わることがない。
『いのちの花が散っているのだ』 余韻も鮮やかでした。
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直木賞候補作家ということで読み始めた作家さん。
「秋月記」がなかなかよかったので~これも142回の候補になりました。
五代将軍・綱吉の時代。
村でのひっそりした暮らしを選んだ浪人・雨宮蔵人とその妻・咲弥。
腕の立つ蔵人と、かって水戸徳川家の大奥取り締まりを勤めたこともある咲弥は、将軍生母の従一位を巡って暗躍する者達に巻き込まれ…
朝廷への工作と大奥内部の対立はなかなかあざとく、せめぎ合う様がリアルです。
ドラマで見た人間関係を思い浮かべつつ読みました。
赤穂浪士の討ち入りの裏話としても、面白く読めます。
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あまり時間をかけず読み終えた。
「吉良邸討ち入り」の裏にあるお話を書いた本です。
表の討ち入りが「男」の話であれば、こちらは「女」たちのお話。
「武家 対 公家」、 「女 対 男」、 「権力者 対 そうではないもの」の構図が物語のいたるところにありました。
結局一番幸せだったのは、だれなのかな、と最後に考えてみるのです。
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「いのちなりけり」の続編
雨宮蔵人(くらんど)
咲弥(さくや)
香也(かや)
清厳(せいげん深町右京)
辧子(なかこ・正親町町子)
羽倉斎(いつき)
吉良上野介義央(よしひさ)
神尾与右衛門(よえもん)
いかにせん都の春も惜しけれど馴れし東(あずま)の花や散るらん
都の春も見たいが東国ではすでに花が散ろうとしている
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ご都合主義が過ぎるように感じて好きになれなかった。
この時代の大奥というと、未だにフジテレビドラマ版のキャストで脳内再現される。
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素晴らしい!
人情モノじゃない時代小説の中でもグンを抜いてます。(超主観)文章が華麗でした。
こんな入り組んだ話だと思ってなくて、相関図に理解するのに時間かかりましたが…。
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吉良上野介は、ある意味被害者だったという面からみた忠臣蔵の話。
この人の話は結構地味なんだよなあ。
好きな小説家ではあるんだけど。
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六義園も出てくる、綱吉、桂昌院、柳沢吉保、と赤穂浪士事件までのお話
蔵人の咲弥への想いが、命そのもの、という詩が美しかった
武士の時代にこの牢人は、主君は仕え先ではなく天命にのみ仕えるという 主君は選ぶもの どうしても大切なヒトにのみ仕えよと
西行の詩が節々で登場人物達が歌う 西行も元はと言えば、北面の武士 恋を歌ったものが多いのだ
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ボクは…、あんまり…忠臣蔵…は、好きではないです…。
あまりにも…、偏り…過ぎ…、勧善懲悪…過ぎる…。
なので…、ずっと…吉良サイドからの忠臣蔵…、探してます…。
この作品は…、外伝的…な位置付けになるのかな…。
大奥陰謀説…、それはそれで、題材はよいと思いますが…、
底が浅いというか…、もっと…ドロドロしててもよかったかも…。
結局…、この作品でも…、吉良は…悪者…??
最後の最後の…好々爺…な吉良を…、
もっと…全編、前面に出してもよかったかも…。
お好みの忠臣蔵探し…、まだまだ…続きます…。
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「いのちなりけり」の続編。桂昌院と公家方との対立、大奥から忠臣蔵を描いた作品。9割方対立の話しですが、最後1割の蔵人と右京の活躍がとてもよかった。9割の部分はやはりよしながふみ「大奥」の世界観でつい読んでしまいました。
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『いのちなりけり』の続編。
残念ながらそれを知らずに先にこちらを読んでしまいましたが、いのちなりけりも絶対読む、と思いました。
蔵人の咲弥の溺愛っぷりににやにやしてしまいます。
そしてその武士としての生き方と、咲弥からの信頼のされ方が何とも深い小説であると感じ入ります。
赤穂浪士の討ち入りがきっと主軸となって展開されていくのは途中から想像出来たのですが、描き方が何とも、こういう話となると誰も悪くは無いのでは……と思ってしまうほどです。
ただ、よしながふみの大奥の印象が強すぎてそちらの姿で脳内再生されてしまうという弊害が…(笑)
それ故イメージしやすくはあったのですが!
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前作『いのちなりけり』で再会を果たし、京の山裾の村で静かに暮らしていた蔵人と咲弥。
しかし、朝廷と幕府の戦いは、二人をまた動乱の渦の中へと引きずり出す。
今作の主眼は、松の廊下の刃傷事件と赤穂浪士の討ち入り。その真相はいろいろと語られているが、著者は将軍家生母の桂昌院の叙位問題にあると見做す。
叙位を勧めるため、朝廷に対し強引な手段を取った吉良上野介に一矢報いんと、反桂昌院の大奥が浅野内匠頭を唆せた結果、事件が起きたと。
将軍綱吉、綱吉の正室、柳沢吉保、吉保の側室、朝廷側は中院道茂、正親町公通等々、さらに尾形光琳と、種々の人物が関わり、刃傷事件そして赤穂浪士の討ち入りへと突き進む。
叙位問題に絡み、咲弥が大奥へ、さらに吉保邸へとその身を拘束される。
吉保邸に匿われている咲弥が、蔵人に救出を請う際に託す和歌が
「いかにせん都の春も惜しけれど馴れし東の花や散るらん」
前作に続き、和歌がこの作品を雅に際立たせている
大概の忠臣蔵では、上野介は悪役であるが、ここでは孫思いの老爺として描かれ、余韻の残る終わり方となっている。
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「いのちなりけり」の蔵人と咲弥が再び登場。
二人は京都の鞍馬でのんびり幸せに暮らしていたのだか…、いつしか忠臣蔵に巻き込まれていくことに。
今回は二人が主人公という感じでもなく、柳沢保明、吉良上野介、大奥の女性達、浅野家家臣それぞれの立場が書かれていて面白い。
それにしても、忠臣蔵と言えば、憎い仇、吉良上野介!だよね?
私も昔は、嫌なジジイの吉良、熱血な浅野内匠頭、忠義を貫く浅野遺臣、と信じていたのだけど、いろいろな本を読んで行くと、あら?、実はそうじゃなかったの?
内匠頭はそんな理由で吉良を斬りつけたの?、と近頃は思うことに。
本作品でも、美しい忠臣蔵とは一味違う。
特に最後、吉良さんどうするの?と心配していたら(笑)、おぉ!、吉良さん、最後、カッコ良過ぎ!でした(笑)。
と言うことで、本作は前作より★一つ多いです♪