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紙の本

地質学からお花畑へご招待。

2009/10/16 17:07

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 植物の話なのだが、地質学の本である。
 高山植物が好きで山歩きをする人でも、どんなところがお花畑になるのか、なぜなのか、までを把握している人は多くはないのではないだろうか。山のどんなところに、なぜお花畑ができるのか、それはどんな性質の植物なのか。
 地質が違えば植物も違ってくる。言われてみればその通りなのだが、「岩の種類や風の強さで割れ方が違う。土の溜まり方が違う」というところから「お花畑ができるのはこんな場所」と素人にもわかる言葉できちんと説明してくれる本である。
 「山はなぜできるのか」というところまでもさかのぼったり、最新の知識もおりまぜて説明しているので、新書としても厚くはないこのページ数で、中身はなかなか充実している。地質的な専門用語や地名などは、知らないと少し戸惑うが、論旨を追うのに困るほどではない。ただ、山の名前を知っていれば、行ったことがあれば、より興味は深まるだろう。私は山登りはしないが、それでも特殊例として出てきた豊橋の葦毛湿原には行ったことがあるので、想い出も喚起されながら親近感を持って読むことができた。

 各章の中の見出しはわかりやすくて興味をひきつけ、よく内容を伝えている。南アルプスと北アルプスの高山植物の違い、ヨーロッパアルプスとの違いなど、比較しながらの説明は、自分たちが「普通だ」と思っている事柄(ここでは山の形や植)が地球全体から見れば普通ではないかもしれないことも思い出させてくれた。「でき方の理屈」をある程度知ってからもう一度山を、お花畑を見てみると、地球の時間や循環の深い意味がこれまで以上に感じられる気がする。じっくり読んで、もう一度じっくり自然を眺めてみたくなってくる。
 植物や動物には興味があるが、地面にはあまり興味を持ったことがなかった、というのが正直なところなのであるが、こうして「足元から」関係を知っていくことはとても大切な、意味のあることだということが良くわかった。地球という大きな塊の変化の一部として、山のお花畑を考える。このことは毎日生活している場所も同じ大きな塊の上の違う場所の変化として考えることにもつながる。地学からお花畑への招待は、地学から日常生活の場への招待でもあったようである。

 ただ、この本にも不満は幾つかある。
1)世界と比較しての特徴が述べられているのだが、比較データが思ったより少ない。日本の山は低いところでも高山植物がみられるというところで日本列島の垂直分布の図があるが、では世界のほかのところ、ヨーロッパアルプスではどうなのかといった図がない。文章はあるが、こういうところはデータがあればもっとよくわかると思う。同様に、日本では狭い地域に地質が複雑に混じりこんでいる、という水平分布の方も、日本列島は図があるが(p144)世界ではどうなのか、の例がない。縮尺がわかるヨーロッパアルプスのデータなどがあればもっと納得できたと思う。
2)山の名称、植物名、地形の名前などのキーワードの索引も是非欲しかった。知っている山や花、新しく目にする言葉の説明がぐんと探しやすくなるだろう。
 「山に携帯して読んで欲しい」という著者の意図からすれば、あまり厚くはしたくなかったのだろうが、ここは是非索引、比較の地図などのデータはもう少し増やして欲しかった。
番外)まったく私個人の好みの問題なのだが、本書はいきなり「日本の山はなぜこんなに美しいのだろうか」で始まるので、へそ曲がりな私はいきなり「美しい」といわれると、「美しいばかりではないのが山ではないのか」と思わずいいたくなる。そういう意味では「万人向け」にはもう一歩、というところか。

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2011/05/30 06:43

投稿元:ブクログ

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