投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
とても面白かった。
自己組織化という単語を頼りに探し当てた本です。
モジュラーロボットを構成する単位機械にどんな機能とプログラムをもたせれば互いに協調して目的を実現する組織体ができるか
・・・とまったく畑違いのテーマなので理解したというには程遠いですが、それでも随所で好奇心をくすぐられます。
以下は本文中から興味を惹かれた一節の引用です。
『リーダーを選ぶことは集中型システムの利点である全体の一貫性を保証するのに有利であるが、
リーダーを固定して使うことは耐保証性や拡縮性において問題があり、
不要になれば集中型から分散型に戻るのが正しい。』
いろいろ妄想は膨らみます。
変化が激しい環境の中で組織を運営するのに、階層型組織より分散型の組織のほうが合理的なのだろう。
ただ、個々のモジュールが現場で速やかにくだされる判断に基本偏りがあってはならない訳で、
誰がその場にいてもそのように決断したであろう、もしくは、おまえがそう判断したならそれはそうなのだろうぐらいまで
目標の共有、もしくは相互の信頼関係が求められるだろうとか。
ただ、そうはいっても組織全体の目標に大きな転換があった場合なんかどうなるんだろう?
おそらく自律分散型組織は目標を達成するまでその動きは止まらない。
なんかSF小説でありそうですよね。
『人類の敵を攻撃するために主人公が作り出した、自己組織マシン。
しかし、一見して敵と思っていたそれは人類に非常に有益な存在であることがわかる。イメージはナウシカのオウムみたいな。
ところが、目的をプログラムされた機械はもう止められない。
ここからは人類が作り出した究極のマシンと人類自身の闘いが繰り広げられる。』
・・・みたいな。
マイケル・クライトンの『プレイ』もこの自己組織機械を題材にした小説のようだ。
詳しくは知らないけど、案外そんなストーリかもしれない。
読後、この感動を是非お伝えしたいと著者のひとりである村田智先生にメールをしてみた。
返事はまだない。残念・・・。
最後に、次はこれを読んでみようと考えています。
『アジャイル開発の本質とスケールアップ』
おそらく、アジャイル開発というのは人間組織の運営に関する自己組織化理論の実践例であるという見込み。
楽しみです。