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棄民政策の存在は「地上の楽園」(笑)と謳われた某半島への移住、それによる難民の発生でおぼろげに知ってはいましたが、ブラジルでも外務省の杜撰な政策により少なからぬ棄民が発生していたとこの本ではじめて知りました。小説なので事実どおりではないと思ってはいますが、当時の事情を踏まえてもひどい話があったものだと深く考えさせられました。
ラストまでに語られる登場人物の反省が悲惨だっただけに、最後に主人公がもしかしたら幸せな道をつかんだのかな?と思わせる幕引きだったのはちょっとうれしかったです。やっぱりハッピーエンドのほうが読後感は良いですね。デビュー作も読んでみたくなりました。
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日本政府・外務省のずさんな政策のせいで、途方もない苦労を背負わされた南米移民の生き残りが復讐を果たそうとする・・・・・。という話で良いのかな?いやはや、なんとも深くて重いです・・・。んだけれど、カキネ作品のお約束(?)として、やっぱしナニの描写が露骨でエゲツないというか、なんともはや・・・・・。とゆうことで、つづきは(下)で。
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ブラジル移民とは?
彼らはどんな生活をしてきたのか?
まずは、本書でこんな疑問を解決してください。
そして、次の質問に答えてみてください。
「アマゾンの上流の奥地に家族で入植したら、あなたはどんなふうに乗り越えていきますか?」
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戦後の日本人が政府のブラジル移住計画の犠牲になった経緯がよくわかったし、ストーリーも非常によくできていて素晴らしかった。
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かつて日本が推進した無責任な移民政策によって、未開のアマゾン奥地へと移住させられた主人公の過酷な運命、そして復習を描く物語。
重たく難しいテーマながら登場人物の明確な個性付けと心理描写で上下巻ともにぐいぐい引き込まれる良作でした。
上巻では主人公がアマゾンに送り込まれてからの悲惨な半生が描かれています。移民政策については知っていたものの、ひとりの人間にフォーカスすることで無策が引き起こし不条理な死の恐ろしさを感じます。
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最初の重さ、展開、登場人物それぞれのキャラクター性がいいっす。
以前からこの本の存在知っていたけど避けてたのがもったいなす。。。
下巻も一気読みだろうなぁ。
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戦後の日本からブラジルへの移民のお話。
今の自分たちの世代の日本からは想像もつかない話が繰り広げられています。
夢のような話を並べ立てた口減らし作戦の詳細が描かれています。
そしてその二世たちが日本の外務省に、ん十年って時をかけて復讐します。
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戦後の日本政府が行った「棄民政策」と呼ばれる移民政策。
意気揚々と新天地を求めて南米に向かった移民たちを迎えたのは、想像を超えた過酷な現実だった。
四十年後、犠牲者達の子孫は入念に準備を重ね、日本政府への報復を始めた――。
すごく面白かった!
圧倒的なスケール、最後の最後まで途切れのない緊張感、骨太なテーマ、魅力あふれる人物造形、どれをとってもケチをつけたいところはなかったです。
最終目的は決まっているんだけど、そこへ至る道がまさに紆余曲折。
フルスロットルで爆走する物語が、途中でどう転がるのか予想がつかなくてハラハラ。
こんなデッドオアアライブなお話をテンポよく畳んでいく手さばきに大興奮。
躍動感とか、生の迸りとかいうものを文章の端々から感じて、おなかの底から熱くなりました。
陰惨なお話なのに、陽気で女好きのラテン感覚が物語を明るく救っています。
頭の芯がしびれるような南米の景色が、読んでいる間、目の前に広がって見えました。
沖縄旅行に持っていって読んだのですが、ぴったりでした。
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戦後の日本政府(外務省)のお粗末すぎる中南米移民政策の被害者となった、日本人移民たち。
異国で政府からも見捨てられ、想像を絶する苦しみを味わった彼らの子孫が、現代の東京に舞い戻り政府に復讐する-というお話。
登場人物が魅力的、ストーリーがアツい、テンポ良し、と上巻の時点でかなりテンションあがってます。
下巻に続く。
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単純に面白い。
移民のことは歴史的事実として知ってはいたが、
その過酷な実情は知らなかった。
勉強にもなった。
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戦後日本の南米移民政策を背景としたハードボイルドで著者の3作目の作品。一気に読み終えてしまいました。面白かったなあ。
垣根 涼介は「君たちに明日はない」というビジネス系小説シリーズのファンでしたがこっちもいいです。
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とにかく有名な作品。
amazonでの評価もかなり高いことですし、読んでみました。
……ん〜読んでみてですが、amazonでの評価ほどには印象に残りませんでした。
ただブラジル移民の悲惨な実態について、触りを知ることが出来たかなぁってくらい。
あとヒロインが、珍しい淫乱キャラ。
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ブラジル移民政策が背景になっているハードボイルドな小説。真夏に読むとアマゾンの描写が季節と合い過ぎて暑かった。地元に友達の日系ブラジル3世がいて小説を読んでから実情がどんなものだったか気になってしまった。
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苦手感のあるハードボイルド系。
でも何も知らなかったブラジル移民の事実に基づいたフィクション。
読んでよかった。
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『第一章アマゾン牢人』が圧巻。「アマゾン棄民」と呼ばれる移民政策失敗の犠牲者たち。劣悪な環境での生死を彷徨う壮絶な暮らし。そしてそこを脱しても待っているのはブラジルの最底辺社会での生活。憤りと無念さを抱えながらも必死に生き、そんな中でも人間らしさを損なわない衛藤の姿が際立つ。エルレインとの再会は本書のクライマックスと見紛うほどに感動的である。
打って変わって第二章以降は復讐の物語。しかし湿っぽさや陰険さはない。カラッとしたハードボイルドタッチ。この緩急が本書のテンポの良さをもたらしているのだろう。第一作戦は成功し、物語は下巻へ続く。