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人間の一生とは、苦しみと絶望の連続である、そう、覚悟するところからすべては開ける。
不安と混迷の時代に、疲れたすべての現代人へ送る、強く生き抜くためのメッセージです。
気になったのは以下です。
人間はだれでも本当は死と隣り合わせで生きている
私たちいつもすれすれのところできわどく生きているのだ
人はだれでも日々の暮らしのなかで、立ち往生してしまって、さて、これからどうしよう、と、ため息をつく場面にしばしば出会うものなのだ。
酒はこれ忘憂の名あり 酒は愁いをはらう玉箒
人間の一生とは本来、苦しみの連続なのではあるまいか
旱天の慈雨、乾ききった大地に降りそそぐ一滴の雨水は甘露と感じられるのだ
人は泣きながら生まれてくる、死ぬ時はただひとりで逝く
大河の水の一滴が私たちの命だ 濁った水も、汚染された水も、すべての水を差別なく受け入れて海は広がる
この世はもともと無茶苦茶で、残酷で、苦しみや悲惨にみちみちている
濁世、という言葉がある、濁って乱れきった世の中のことをいうのだろう
善き者は逝く この世にしぶとく生き残ってきた者は、すべて、善き者たちの死によって生きながらえている罪深い者なのだ
他人とちがうただひとりの自己
自分を愛していない人間は他人を愛することはできない
最近、痛感しているのは、人間はただ生きているというだけですごいのだ
小林秀雄 人間というのは、おぎゃあと生まれたその瞬間から死へ向かって一歩一歩あるいていく旅人のようなものだ。
自分だけがそれに耐えなければならない、他人に絶対理解してもらえない、と思った時に、その痛みや苦しみは、二倍も三倍にもなる
布施行、他人になにかを捧げることで自分に幸せがもどってくるという、仏教の教え
語らざれば、憂いなきに似たり 言葉にできない思い、言葉にすれば色あせるものがあるという教えです
面授 人と人とが向き合い、お互いに息づかいの聞こえるような距離でもって、何か学び、何かを伝え、何かが伝えられる。
目次
人はみな大河の一滴
滄浪の水が濁るとき
反常識のすすめ
ラジオ深夜一夜物語
応仁の乱からのメッセージ
あとがきにかえて
ISBN:9784344981409
出版社:幻冬舎
判型:新書
ページ数:296ページ
定価:840円(本体)
発売日:2009年09月20日第1刷