古代中国の歴史的な事実と思われてきた事件の真相を書いた一冊。
2009/12/13 22:32
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
古代中国の歴史的な事実と思われてきた事件の真相を書いた一冊。
古代中国の歴史的な事件は、どことなく大げさな表現が多いのも事実です。
たとえば、酒池肉林。
殷王朝の最後の王である帝辛が、酒と女におぼれているさまを表した言葉として有名ですが、実はそんな事実はなかったということ。
酒と女におぼれる、ということは古今東西を問わず共通の「破滅への近道」です。
しかし、殷が滅びた直接の原因は、有力な諸侯の反乱など別なところにあったのです。
中国では、歴史書においても「捏造」が盛んだったということです。
本書にはそのほか、三国志の最大の見せ場である「赤壁の戦い」、始皇帝の伝説、項羽の伝説などが解説されています。
正しい史実はそれとして、ドラマチックな歴史は記憶に残るものです。
本当の事実は本書で紹介されるものてあったしても、個人的には従来のドラマチック、教訓的な物語の歴史が好きです。
龍.
http://ameblo.jp/12484/
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中国史が好きな人で、もうすこし突っ込んで歴史を知りたい人にはオススメ
史記、戦国策、三国志などを学術的に突っ込んで考察
ひとつ、ひとつを論理的に推測して前後関係から矛盾を指摘
なるほど、歴史書は、こうやって検証するのかと、とても興味深かった。
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史実をもとに、古代中国の歴史の矛盾点を突いていく、というスタイルで記述されている。
著者の論は確かに正しい部分もあるが、それと同時に著者の主観による「決めつけ」も多く感じた。
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説得力が弱いよね。
なんというか著者の主観で押し通している部分もあって納得できない部分が結構あった。
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なんだか捻くれた推理小説のような本ですね。
どの国も古代史なんて神話伝説の類をでないことなんて、誰でも百も承知でしょうに。
微に入り細に入り、「有り得ない」と論破していきます。
「なかったであろう」と推測することは出来ても、「ない」と断定することは著者自身が否定している従来の定説の押し付けと変わらないような気がします。
大体教科書も間違っていると確定されたものは載せないでしょう。
著者の唱える説が採用されないのは、今までの定説を修正できるだけの論拠がないからであって。
歴史学としては正しいのかもしれないですが、歴史自体が浪漫や推測の付随を全く許さないものであるのなら、誰の興味も惹きませんよね。
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古代中国に関する教科書にのっている話は古くて真実とは違うことを話している本
なぜかというと教科書というのは所詮は試験用のテキストにすぎないことと、中国の最近まではお金の問題で歴史への研究が活発ではなかったことがある。
代表的な話で、黄河文明でよくいわれるが、実は長江からも同じく文明があること。
まあ、歴史は自分の国の歴史は詳しくでも他国の歴史には無関心であることはよくある話ではある。
頭にのこているものだけピックアップすると
・占いは政権をもっている人のために結果を変えていた。
・夏王朝は実は存在しない。
・酒池肉林としられる人物はじつは政治ですごく忙しかった(ので、そんなことを行えるはずがない。)
・作られた伝説や面談(その時の政権を握っている人のための作り話)
などがある。
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[ 内容 ]
最新研究でわかった4000年前の歴史!
「夏王朝」の真実、作られた「酒池肉林」、始皇帝伝説の誤謬、「赤壁の戦い」の真相。
[ 目次 ]
中国には多様な新石器文化があった
「夏王朝」はなかった
政治手段としての甲骨占卜
紂王は酒池肉林をしなかった
「共和」の時代は共和制ではなかった
『春秋左氏伝』の虚実
覇者は何人か
戦国時代のはじまり
『孫子』は孫子が作っていない
『論語』の理想論
中国の統一は始皇帝の力ではなかった
泰王堂のスキャンダルの真相
作られた始皇帝伝説
泰末の反乱と説話
楚漢戦争と項羽の伝説
三国志の英雄たちと赤壁の戦い
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[ 参考となる書評 ]
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面白かった、けど論理が飛躍してるように思えてならなかった…著者は他にも色々な資料を手元に置いて分析してるんだろうけど、もうちょっとページ増やして説明して欲しいという所が結構あった。
・歴史は勝者が作る。都合のいいように作る。
・「三国志」は歴史的価値があるけど、「三国志演義」は小説なので歴史資料としてはそんなに信憑性がない。面白さ重視。
・イメージアップのために、豪族とのコネで出世した人も、貧乏という設定にされている場合があった。
・始皇帝以前にほぼ秦の中国統一は確立されていた。
・「孫子」という書物が先にあって、孫子という人物が作られた可能性が高い。
・「酒池肉林」などの言葉を生んだ、中国古代の故事には矛盾があり、実在は疑わしい。
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夏王朝は無かった!
ショッキングな実像。
ただ史書で2人っきりの会話でこれ誰が知ってるんだよみたいなことを仰っておりました。その観点でいえば司馬遷の功績は塵になってしまいますが…
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古代中国の歴史書に書かれ、故事成語のもとにもなっている出来事に学問的な視点からツッコミを入れていく。
確かに、誰と誰が密談したとか資料に残っている訳ないから、後に作られた歴史書のそういう場面は殆ど創作と考えた方が良いわけで…。
ロマンはないが、三国志を番外編ではなくもっとガッツリ扱ってくれれば、もっと読み応えがあったかも。
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古書店にて購入。四千年の歴史を誇る中国の先史時代~三国時代の虚像を暴く、謂わば古代中国の暴露本である。こう書くと下世話な感じがする上、言葉の誤用なんかを嬉々として指摘したがるクチと大差ない気がしないでもないが、取り敢えず知っておいて損はない。最新の学説が定説を覆すのは、とかく時間がかかるようだし。ただ、「こんな記述が後世に残るはずがない」っていう極めて主観的な理由だけで信憑性を疑いまくる辺り、まあ新書の限界ではあるかな。