紙の本
言葉と歴史に裏打ちされた政治への道しるべ
2009/11/17 15:41
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なにわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「政権交代本なんて、どれも同じだろう」
こんな考えを気持ちよく裏切ってくれた一冊。
全国紙政治部執筆の政権交代本は数多あるが、本書のカバーに
記されたTBSラジオ国会担当記者とのプロフィールに興味を
ひかれて手にした。
福田総理の突然の辞任、麻生総理の誕生そして自民党の崩壊へ
と至る経緯が日記形式で綴られる。こうした日記スタイルの著
書にありがちな、筆者の単なる印象論に終始せず、一線を画し
ているのがこの本の特長だ。
政治家のふと漏らした一言、筆者が通暁する中国史から照射される
日本政治のありよう。「言葉」と「歴史」に裏打ちされた日記は
見事なまでに政治書へと昇華されている。
ただ本書に気がかりがないわけではない。「ある政治家」の影に
怯えているのだ。あらゆる政局を「ある政治家」と結びつけて解釈
しようとする、いわゆる陰謀史観だ。
筆者に憑依したであろうその思いは、自民党の崩壊へと重なるよう
に日増しに強くなる。その筆者の苦しさは痛々しい。
そして本書のフィナーレを飾る「ある政治家」との対談。筆者は極度
に緊張していたせいなのだろうか、面と向かって聞いてしまうのだ
政治家にとってタブーの質問を・・・。
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TBSラジオの国会担当記者が書いた、福田総裁の辞任から民主党政権の誕生までの取材ルポのような本。
巻末の方には小沢一郎氏との対談も収録されている。
政治にそこまで興味があったわけではなく、この人のラジオでの解説が好きだから、
何件かの本屋を探し回って買って読んでみた。
他にこういった類の本を読んだことがないので比較のしようがないが、
素直に興味深く読むことができた。
できれば、今後の民主党政権のどの部分を見ていくべきかといった、
先のことについても言及して欲しかった。
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2009/12/11 Amazonより届く
2009/12/14~12/21
TBSラジオ記者で国会王子の異名をとる武田記者の書いた自民党政権が崩壊するまでを時系列的に書いた本。政治にはあまり関心がもてなかったが、昨今の政界の大きな動きで多少は興味がでてきた。本書は今回の政権交代をポッドキャストで聴き馴染んだ武田記者の鋭い観察眼で裏側からえぐりだした名解説。評判が高かったので、個人的縛りを破って単行本として購入。政治に興味のない人も是非読んでみて欲しい。政治音痴の多い日本人(私も含めて)必読の書だと思う。
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実家にあったので持ってきた本。TBSラジオの記者が福田内閣総辞職から鳩山内閣誕生までを追っている。ちょうど自分が民間を辞めて某事務所へ出戻りしたのが、2008年9月。麻生太郎の施政方針演説を、地元廻りのクルマの中で聴いていたのをよく覚えている。そして渡辺喜美の離党、中川財務相の泥酔会見、西松事件などなど、いろいろあった。そんな過去の記憶を呼び起こすのに最適な一冊。
とはいえ、最底辺で働いていた自分には見えない永田町での動きや、関係者の政局への見立てなどは、改めて知るものも多かった。そして、やはりというべきか、政局のなかに必ず小沢一郎がいることが(著者が小沢に少し近いことを差し引いても)よく分かる。
本は鳩山内閣発足時に書かれているため、民主党政権や二大政党制への期待が含まれているのは確か。でも、前原国交相が大きな職責を沢山抱えていることで、成果を出せなかった場合に後の政治生命に影響することを予想している点はお見事。興味ある人にはオススメ。
以下、印象に残った部分を引用。
要するに、日本における「説明責任」とは、英語の「アカウンタビリティ」とは似て非なるものなのだ。日本では、罪を認め、世間にお詫びをし、職を辞さなければ、「説明責任を果たした」とは見なされない。小沢が記者会見で「私の行ったことは、かくかくしかじかの理由で間違ってはいない」と本当の意味での「説明」を繰り返したところで、日本の世論やマスコミはそれを受け入れようとはしない。企業の不祥事などを見てもわかるように、説明責任が不十分でもトップが雁首そろえて頭を下げ、お詫びをし、辞任をすれば、日本は許されてしまう。(156ページ)
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【読書その19】TBSラジオの国会担当記者であり、通称「国会王子」と呼ばれている武田一顕氏。爆笑問題が司会をしているサンデージャポンにも出演している国会王子。政治系の本を読みあさっていた勢いで読むも、少し物足りず。やはり、北岡教授の「自民党」の後に読んだのが大きかったのか。政治行動に至る背景・思想哲学への分析がまだまだ足りないように感じた。生意気言ってすいません(汗)
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麻生と小沢のダブル主人公で、自民党政権のレームダックと民主党政権が小沢の采配で支持を拡大し政権を奪取する様を描写。これだけ読むと、のちの民主党政権が「どうしてこうなった?」感が強い。西松事件で小沢がピンでフリーハンドを持てなくなったことが、後々の民主党の政権運営にとって毒栗、足かせになった面はあったかも。
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もう8年前になるのか。懐かしい気がした。当時の麻生も「自称外交通」だったが、あちこち周った割には大した成果も上げておらず、現在の下痢野郎と同じだと思った。これを衆院選投票日の前日に読むのがいい。