紙の本
普通の就活、普通ではない就活
2011/12/11 23:05
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:T_Mizutani - この投稿者のレビュー一覧を見る
世の中には、普通の就活生と、普通ではない就活生がいるかと思う。
普通の就活生とは、リクナビやマイナビに登録して粛々と企業の情報を集めたり、スーツをビシッと決めて合同説明会に参加したり、志望動機と自己PRを磨きあげて面接に臨んだりする就活生のことである。
普通ではない就活生とは、以上の「王道」を避ける方向に進んでしまう就活生のことだ。
程度の差はあれど、大抵の就活生は「普通」の方に軸足を置いて就職活動をするのではないかと思う。
あるいは、大学3年生の秋に生まれる大量の「普通の就活生」の一部が「普通ではない就活生」というダークサイドに堕ちるということもできる。
私はダークサイドに堕ちたクチで、何の縁だか、中国へ来て働くことになってしまった。
午前は語学の勉強のため学校に通い、半日だけ会社で働くというモラトリアムの延長みたいな生活をしている。
私がちょうどダークサイドに堕ちたあたりで読んだのがこの本である。
本書は、就職が決まったと思ってマレーシアに飛んだら会社がなくなった人や、地名がかっこいいからという理由でラオスのビエンチャンにカフェを開いてしまった人など、「普通ではない」人の話がオムニバス形式でまとめられている。
本書から得られる教訓は、書名からわかる通り、「たいていのことはなんとかなる」である。
就職面接に臨む上で重要だとされているものに、「自己PR」とともに「志望動機」というものがある。
私が就職活動でつまずいたのはこの「志望動機」であった。
自己PRは、自分の過去を基に売り込むためのエピソードである。
その意味で、過去指向で構成されているということができる。
質はともかく、過去を洗えば何かしらのものは出てくるものだ。
一方、志望動機は未来指向である。
人、環境、自身の興味、やりたいことなど、志望動機を構成し得るものは様々ですが、入社後のことを考えなければならないという点で、未来を指向している。
私はこの未来指向がとことんできなかった。
未だに苦手である。
そんな私にとって、「たいていのことはなんとかなる」を地で行くこの本は、バイブルのようなものだ。
読むと良い就活本は何かと聞かれたら、真っ先に本書を挙げる。
確かにこの本には、ESの書き方や面接に通る秘訣は載っていない。
それでも、最良の就活本だと思う。
「普通ではない就活生」にとっては、普通ではないぶっ飛んだ行動を後押ししてくれるかもしれない。
「普通の就活生」にとっては、辛い就活戦線を生き抜く上での一服の清涼剤に必ずやなってくれることであろう。
○○しなければならない/してはいけない、という思考を越えたところに人生の楽しみがあるのではないかと、このように考えている。
紙の本
保守化する今の日本人には
2013/09/11 02:47
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投稿者:ひるね - この投稿者のレビュー一覧を見る
辺境旅行ライター高野秀行氏が、どうして本屋さんの就職関係のコーナーに置かれる書籍を書いたのか、まったく分からなかった。
彼が属する「エンタメノンフ」(エンターテイメント・ノンフィクションの略で、高野氏の提唱するジャンル)が、いくら書籍のジャンル分けになかなか適合しづらいとはいえ、どういうことなのだろう。
しかも、就職関係コーナーに鎮座しながらも、「就職しないで生きる」とタイトルにある。
?だらけの一冊だった。
その謎は巻頭ですぐに解けるようになっている。
しかももちろん、単なるハウトゥー本でもうんちく本でもない。
基本は海外生活経験者のゲストを招いて進んでいくインタヴュー集であり、そこには年ごとに保守化していく今の日本人の忘れかけていることが山のように、しかも教唆というような言葉とはまったく無関係な地平から浮かび上がってくる。
これで納得。
やっぱり高野氏は高野氏だった。
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J大学で行われた講義「東南アジア文化論」を本に起こしたもの。といっても堅苦しいことは一切なく、用は東南アジアで独自の活躍をしている濃いゲスト達と著者との対談集。
ハチャメチャな人生談に笑い転げ、読み終わるとなにか力が湧き上がって来る。こんなに力のある本に久しぶりに出会った。
~難しく考えず取り合えず前に進もう。「絶対無理」の七・八割はなんとかなるのだから~
受講生に”癒される”と評判の究極就活本。
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J大での講義をまとめた対談集。アジアで活躍する人たちを招いて、どういう生き方、経験をしてきたかを聞いていくのだけれど、みんなめちゃくちゃ。行き当たりばったりってこういう事をいうんだろうな。こういう生き方、したいとは思わないし、就活してる人たちに勧めもしないけれど、彼らがみんなこんなにも楽しそうなのは羨ましい。就職しなきゃいけない、その後に待ってるのは厳しい世界ばかり、いつリストラされるか分からない、とくらーい気持ちにばっかりなりがちな今、こういうある種”能天気”な感じって大切なんだと思う。自分自身の肩の力を抜くために、ぜひみなさんにオススメしたい本。
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大学の講義の内容を本にしたから仕方ないかもしれませんが、これまでの高野本に比べたら薄っぺらいです。
さっと読めてしまいます。
もっと濃厚なのが読みたいですね。
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2009.12.30読了@実家。
姉に借りて読んだ。自分では選ばないジャンルなのでかなり新鮮な目線で読めた。ここに出てきた人はみなさんジャンプできる人。その勇気と度胸はすごい。苦労は人一倍だけれども、やりたいこと、楽しいと思えることを信念を持ってやっていくのは素敵な生き方だと思った。人生何とでもなると。
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海外で何かしてみよかな。
何度となく浮上しては消えて行くこの気持ちを
またかき立てられる。
最初は普通のひとだったひとたちの
素晴らしい、行動力のオンパレード。
そうなりたいのかどうかは、わからないけど
私もやらねば。という気持ちに…。
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非常に気楽な気持ちで最初から最後まで読めます。
前傾姿勢で人生を切り開いていくのとは対称的に
行き当たりばったりで日々を過ごしてきた結果、
今ではこんなユニークな仕事をやってますといった
面白い人生経歴をもつ人々が登場します。
人生プランなんてお堅いもの今すぐ捨ててしまいましょう!
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はー。面白いな。
一見破天荒な人生を歩んできた9人の仕事観。
当人にとっては「なんとかなるよ」という感じなのがいい。
「放っておいても明日は来る」というタイトルだが、
彼等はいまを生きてるから、明日が来るんだろうな、と。
面白かった。
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自分の向かってる方に思い切り進んじゃった人達との対談集
立ち止まらずにとりあえず進んでみるっていうのも大事だよなあ
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高野さんがコーディネータとなった大学の授業の講演集。実際に聴講したかった・・・と思ってしまう。実行派の方々の話は面白い。
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一般企業に勤めていない人との対談をまとめたもの。
世の中には、不思議な経験をしている人がいっぱいいるものだ。
この人たちの話を読んでいて思うのは、
多分直観というか、衝動的に物事を決める力(判断力?)が
あるんだろうなということ。
(多分、目先3センチだけを見ているのだろうな…)
目の前のことを一生懸命楽しんでやっているのがよくわかる。
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ビジネス本や自己啓発本ばかり読んでいたため、
このブッ飛んだ人たちの経歴には驚嘆。
世の中、スゲー人たちがいる・・・。
自分の悩みがバカバカしいほど
ちっぽけに感じてしまいます。
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面白かったです!!!\(^o^)/上智大学での講義録。高野さんが講師で「東南アジア文化論」を受け持ち、そのために、東南アジアで働いていたり、ゆかりの深い人々をお招きして、学生の前での対談というか、高野さんのよるインタビューの形式を取っています。長年のお友だちだったり、実は初対面だったりのゲストから話を引き出す高野さんの技量が素晴らしいんですよ。(#^.^#) 皆さん、この道一筋、という方々ではなくて、あっちに曲がり、こっちで新しい局面が、という人たちばかりなので、その転機での思いやきっかけを上手にお聞きして、学生の前で自然体の話をしてもらう、という、これは高野さんのお人柄+前もっての準備が丁寧にされていた、ということなんでしょうね。皆さん、偶然なのか必然なのか、今現在フリーの職業の人たちばかり。かなりの度胸をお持ちのようにも感じられ、「凡人じゃない人の話」ともとらえられそうなのですが、スタートは「普通の人」なんだよ、という高野さんのスタンスが気持ちよく伝わってきました。就活で消耗している学生たちの癒しの時間になっていた、というのも深く頷けます。キャリアアップを目指さず、上にではなく横に移動する、という話には、家庭の主婦である私も、あぁ〜〜〜〜!そうだよね〜〜〜!と、久々に目ウロコ。少しでも上に、自分を高めて、というこんな時代だからこそ、自分の上昇志向のなさ、をメリットとして生きる姿勢に、うん、それっていいよね、と嬉しくなってしまいました。ゲストの具体的な仕事や日常の話もすっごく面白かった。ジャングルの中で出会う象の話(現地ガイドは象が近づいてきた時だけ、お客を置いて逃げてもいいことになっているそうです)とか、タイでは子どもにしつけをしない(だから反抗期がなくて、そのまま大人になる。)とか・・。面白くて、面白くて、あっという間に読めてしまったのですが、これはちょっと大事に読んだほうがいい本みたいだよ、と、心の声(#^.^#)が言っていますので、少し間を置いて、また、ゆっくり読んでみようと思います。
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放っておいても明日は来る、と思える人にこんなバラエティーに富んだ明日が来るんですよ。私は自分には絶対にサラリーマンしかできないとの思いを強くしました。9人のゲストの中では、ジャングルビジネスの二村氏の象の話が面白かった。