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ちょくちょく行くカフェで出逢った本です。何かを覗きみているような、言葉が気持ちよく体に入ってくるような、少しずつじっくり読んでいます。
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文庫版「私自身の見えない徴/エイミー・ベンダー」で解説を担当されて居ります。
私は、エイミーのファンでも有り、この偶然の連鎖に言葉にならない想いです。
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書物と出合う「時」は、あらかじめ決まっているのでしょうか。
叔父を永遠に見送った朝に、
事務所の机に、アマゾンに注文していた本が1冊、届いていました。
文月悠光『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)という詩集です。
注文した日の朝には、叔父はまだこの世にいました。
この本が届いた朝には、叔父はすでにいませんでした。
本当は、叔父がまだこの世にいる日に、
この本が届くように「設定」することも可能でした。
でも、そのとき、わたくしは、なぜか、そうしなかった。
ということは、叔父が存在しない世界でこそ、
この詩集をひもとくのが、ふさわしいのだと、
あらかじめ、決められていたのかもしれません。
もちろん、単なる偶然である可能性のほうが、
高いのですけれど。
すぐに、表題作と、「骨の雪」を読みます。
どちらも、私には、この日に、読むにふさわしい詩に思えます。
とくに「骨の雪」が、心に、しみわたります。
これは事実です。
ですから、この本に出合うことは偶然ではなく、
とても、必然に思えてきます。
書物との出合いの不思議に、思いをはせています。
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思春期の心情を上手く言葉にした、なんて書くのは見当外れだろう。
もしそんな一言でまとめられてしまうのなら、この詩集を読む意味も書く意義もないし、そもそも文学の存在価値はなくなってしまう。
少なくとも、ここで紡ぎだされている言葉はその連なり自体が独立している。
揺れているといったらいいのか。
だから、最初の一文のような安易なまとめは通用しないのだけれど、実はそう言ってしまいそうにもなる。
それは、自分の思春期を代弁しているかのような共感を覚えたからだ。
ごく私的なことを書いているのに、ここには普遍性がある様に思った
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何度目かの再読。彼女の表現する日常は、読んでいてとても楽しく感じます。彼女の詩をすべては理解できていませんが、それでも彼女の言葉から得られる世界に引き込まれます。理由は分かりませんが・・・
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「横断歩道」は、題材が具体的なので分かりやすい。
「適切な世界の適切ならざる私」は、題材が抽象的なので分かりにくい。
「()書き」を利用した、描写方法は難しくはない。
ところどころで「/」を利用した表現もうるさくはない。
言葉は、奇をてらったものではなく、安らぎのなさを訴えかけているようだ。
世界と私の間で、いろいろなものが揺れている。
揺れていること自体が詩の価値なのかもしれない。
ひょっとしたら、曲をつけるのはどうだろう。
背景に音楽をつけて朗読するとよいかもしれない。
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生々しくて、十代の危うさとか、むき出しな感じがよく出てたと思います。
深読みすればするほどエロく感じる。
もっと若いときに読んだらハマったと思うんですが、こういう痛々しさに酔えなくなった自分がいます。
言葉の選びかたが今まで読んだ詩にはない感じで、読むごとに発見もあるような詩集だと思います。
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文月は17歳で現代詩手帖賞を、本書で18歳の時に中原中也賞を受賞した。いずれも最年少記録である。女子高生の小気味いい言葉が水鉄砲のように私を撃つ。そして意外な温度の低さに冷やりとさせられる。
http://sessendo.blogspot.jp/2015/04/blog-post_80.html
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表題作が圧倒的にいい.全てに10代の瑞々しい少し青臭い背伸びしたような憧れと諦めがない混ざったような,今しか届かない世界がある.学校,制服,保健室などが等身大で表現されるのが小気味いい.
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14歳から17歳の間に書かれた詩集。
強烈に「女」であることを意識している。
ほの暗くて生臭くて、力強い。
子宮、孕む、産むといった言葉が頭に残る。
その「女」の意識こそ、とても10代の女子らしい。
タイトルになっている「適切なる世界の、適切ならざる私」という言葉は、たぶん陰キャだと突き刺さる。
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選ばれた言葉に、本当に中学生、高校生の女の子が書いたものなのかと才能に圧倒される。
教室、通学路、家の中、祖父の葬式…身近なものの中に、女性へと変化する体の置き所を探すような、内省的な作品が多い。
言葉で自分の輪郭をひたすら検めるような作品なのに、映像的に感じる文章が不思議だ。
最後の「ロンド」では著者の詩人を名乗る覚悟、詩人として生きていく覚悟が詰まっていて、この詩が捉えている若さが眩しかった。
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14〜17才の間に綴った詩らしいが、感性に驚かされる
女性としての体を持った"わたし"が瑞々しく全面に押し出され詩として昇華されてる印象
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丁寧な描写と詩的状況のアンバランスさからか、非常に読み辛いものだった。若さと女性的な詩情だけで評価されたように感じる。中原中也賞が女性が多いのは、女性であるというテーマ性に神的なものが含まれているのではないか。神的なものという女性性と神的なものに対してという男性性だと、後者の方が弱くなってしまうのだろう。
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この間の詩の教室で、何故か先生は生徒さんにいろんな詩集を勧めるという日だったらしく、私に勧められたのがこの方の第一詩集でした。
読み始めて、ああ、これってもしかしなくても十代の頃の、その血の生々しい色さえピンクを混ぜてしまう頃に書いたものなのでは、、、
と思いながら読み進めていきました。
言葉は決して難しくはない、本当に生の彼女の声を捧げ持つように、または投げつけるように、書かれていて、文字に色がにじんでくるのではないかと感じました。
この方の他の詩集も読んでみたいです。