紙の本
人生も明暗
2022/02/27 17:01
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投稿者:路傍の石 - この投稿者のレビュー一覧を見る
バロック期のイタリア人画家カラヴァッジョの生涯と作品がオールカラー、簡潔明快な構成で巧みにまとめられている。あたかもその瞬間が永久に止まっているかの様に思える劇的な明暗表現を用いた画家の人生もまた激情に駆られた明暗甚だしいものであったことは非常に興味深かった。
紙の本
激情の人カラバッジョ
2022/12/25 23:26
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投稿者:風 - この投稿者のレビュー一覧を見る
激情の止むことないためか数々の暴力を行い、逃亡し、あるいは刑務所に入っても彼の絵に惚れ込んだ多くの有力者の嘆願で世間に出てくるカラバッジョ(1571-1610)。
初期の静物画に驚く。果物の一滴の輝きも逃さない描写力。時間が過ぎれば腐敗するに違いないとまでも思わせられる現実感。秘められて見えない生命力も描かれているように思える。
数々の作品。人々が崇めるようにではなく畏れるように、そして、人々が見たいと思っているような画が迸らせるものに言葉は出ない。
晩年の、それまでの悪行への贖罪のような、闇の世界の一筋の光が人々を浮き彫りにする作品群。圧巻と思われるのが≪ダヴィデとゴリアテ≫(1610頃)。ダヴィデがその髪をつかんで下げているゴリアテの首。ゴリアテの顔はカラバッジョ…。
38歳で逝去。もっと生きていたらどんな絵を描いただろうという意見もあるようだが、短い人生を生きることしかできない激情の人であったからの画業であったと思う。凄まじい画面の中の静謐。飾ろうとは思わないが、存在をえぐるような画。描いた男を知るほどに画は深みを見せる。
紙の本
カラヴァッジョ
2020/02/10 13:50
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
オールカラー、年代順ととても見やすいのが良かったです。天才ではあっても、人間としては色々とあったようで教務深かったです。
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これは非常に親切な、カラヴァッジョ解説書だと思った。
美術の教科書を読んでいるような感じで読むことができる。
内容は時代背景や人間関係にまで及び、時系列で芸術家の作品と人生を知ることが出来る。
絵画の解説も親切でわかりやすく、カラヴァッジョの作品について詳しく理解することが出来る。
著者のカラヴァッジョに対する思いが伝わってくる本だと思う。
本の体裁はあまりパッとしないが中身が濃い本。
とてもコストパフォーマンスが高い本だと思う。
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美術系の本を何冊か読んでみた中で、この「もっと知りたいシリーズ」はサブタイトル通り初心者に優しい本だと。
解りやすいし、読みやすい♪
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青年期に不良仲間と数々の暴力事件を起こし、とうとう殺人を犯したあげくに死刑宣告を受けて南イタリアに逃亡し、放浪の末にローマに戻ろうとして野垂れ死に―これが16世紀末~17世紀初頭に生きたカラヴァッジョの生涯だ。わずか1文で終わってしまう。ところが、彼こそは絵画にバロックという新しい世紀を拓いたのだ。残された絵画群は圧倒的にドラマティックだ。題材において、物語性において、描かれた人物たちの表情において、そして何よりも屹立する光と影の表現において、これほどにドラマティックという形容にふさわしい画家はいない。
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別の本でナルキッソスをみてカラヴァッジョに興味を持ちました。
この本ではナルキッソスの扱いがたいへんさらっとだったのでその点が少しマイナス。
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やっぱこのシリーズわかりやすいし、見やすいよな。
絵がでかくてカラーってのが助かるし。
それにしてもカラヴァッジョって、迷惑なヤツだな! てか犯罪者だもんなあ。
あれかなあ、天才肌な芸術家にありがちな偏った性格と能力の持ち主だったってこと?
というわけで、カラヴァッジョ展、ますます楽しみになってきた-。
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メトロポリタン美術館展で展示されていたカラヴァッジョの作品は、「音楽家たち」だった。
カラヴァッジョの作品の登場人物は、最近の氷川きよしの様なイメージの人物が多い。
でカラヴァッジョをもう少し知ろうと思い本書を手にした。
音楽家たちは、14ページに合奏という題名で紹介されている。2009年に発売されて本なので、古い解釈での題名なのかもしれない。
カラヴァッジョは殺人者で逃亡者であるのは本書で知った。
展覧会の図録では、
カラヴァッジョはバイセクシャルであったと考える人が多い
と書かれている。
本書でもホモエロティックとかカストラート(調べてね)とか色々と出てくる。
作品に中々妖しい世界が描かれているのは、そう言うことなのだろう。
カラヴァッジョは、ほどほどにしておこう。
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もう6年も前になる国立西洋美術館めのカラヴァッジォ展で、「法悦のマグダラのマリア」を見て甲骨としたマリアの顔にドキッとしたことや、先日のメトロポリタン美術館展で、初期の自画像が描かれた「音楽家たち」を見て、最初から才能のあった人なんだと感じたことも思い出しながら、再度、カラヴァッジォの人生をおさらい。
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ガラヴァッジョの生涯を辿りながら作品を見ていく構成はわかりやすい。ガラヴァッジョの描いた作品に負けず劣らず、その私生活も圧巻だ。何かしら私生活のアンバランスさは残念な気もするがそうだからこそ生み出された作品なのかなぁと思う。