紙の本
今につながる
2017/01/21 11:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
1950年代アメリカ南部を覆う重苦しい雰囲気が伝わってくる。クローデットの勇気があったからこそ、アフリカ系大統領の誕生につながったのだろう。
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ローザ・パークスの前にもバスの席を白人に譲らない黒人がいた。
それも15歳の少女が、自分の権利を守るという意志を持って。
この人が隠匿されてしまう運動のありかたにやるせなくなる。
評判の悪い(正確には戦う意志を表したために悪い評判を立てられた)未成年の女の子(しかもその後、未婚の母になる)では、運動の顔として相応しくない。なんて。
けれどそう思えるのは私が今の日本で暮らす日本人という差別されない立場だからだ。
どうしても勝たなくちゃいけない状況の中で、少しでもつつかれる余地のあるキャラクターをアイコンにはできなかった、そうせざるを得なかったのだとは思う。
思うが納得できない。
差別の中の差別。
マイノリティの中のマイノリティ。
「正しい」被害者しか許さない世界。
ああ、なんてありがちなんだろう。
激烈な差別の中で、なにもしなくても叩かれるのにこれ以上叩く口実を与えないでくれ、と思ってしまう被差別者の気持ちもわかる。
「闘え」なんて、安全な場所からならいくらでも言える。
ヒーローになりたかったわけじゃなくたって、それだけ勇気を振り絞って正しいと思うことをしたのに雑に扱われたら納得いかないよな。
再評価されつつあるのがせめてもの救い。
ハーヴェイ・ミルクも最初のアイコンは完璧じゃなきゃいけないってことを言ってた気がする。
http://booklog.jp/users/nijiirokatatumuri/archives/1/4794205872
http://booklog.jp/users/nijiirokatatumuri/archives/1/4904249062
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1950年代、バス車内での黒人差別に抗議して逮捕された15歳の少女がいた。彼女の勇気が、差別をなくすための運動の最初の一歩だったのだ。
間違っていることに対し、勇気をもって「まちがっている」と言える人がどれほどいるだろう。とても魅力的で力強いクローデットが、まるで目の前にいるように生き生きと描かれている。
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自分たちへの差別を、自分たちで広げていたのではどうにもならない。
しかし、一致団結することって、その人数が多ければ多いほど、その問題が大きければ大きいほど、難しいのですよね。
ひとりが立ち上がらなければ誰も立ち上がらない。
しかし、だれも立ち上がらない中で、一人立ち上がるのはとても勇気がいるのです。
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「バスに乗って空いている席に座る」ただそれだけのことができなかった1940年のアラバマ州。座席は白人席と黒人席に分けられ、白人席が満席の時には黒人は白人に席を譲らなければならず、もし譲らなければ逮捕され、保釈金を払わなければなりません。そんな中、クローデットは一人、席を立ちませんでした。このことが人々を驚かせ、次第に黒人によるボイコットが起こり、大きな裁判まで起こります。けれど、その間クローデットは白人だけでなく同じ黒人にさえ「いかれてる」といって差別されました。正しいことをしただけなのに。この物語は歴史の扉に隠れていた、差別と勇敢に戦った一人の少女、女性のお話です。「差別をなくすことは決してなまやさしいことではないけれど、なにもしなくてもなくなるなんて甘く見てはいけません」とクローデットは言っています。差別問題という難しい事柄ですが、クローデットが幼いころから感じていたことから始まり、とても読みやすく書かれているので本が好きな子なら小学校高学年くらいから読めると思います。読み終わるとクローデットと同じ体験をしたような気持ちになります。2010年ニューベリー賞オナー(次点)作
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ローザ・パークスのほかにも席を立たなかった少女がいた。公民権運動やバスボイコットについて勉強できました。
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人格者であろうが、ならずものであろうが、普通の女の子であろうが、人種によって差別されてはならないことは明白。クローデットの功績は偉大です。
中盤、クローデットが妊娠したくだりで、「えー?! 急に?」という気がしました。せっかく子ども(YA?)向けに書かれたものなのだから、もうちょっと彼女の気持ちが伝わるとよかった。でもそうするとノンフィクションでなくなってしまうかなあ。。