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鳩山政権時代のマニフェストを民主党、他の連立政党、それぞれの支持層、浮動層へのアピールという観点から、政策と優先順位を語っている。読みやすく、理解しやすい内容でした。若干斜めに見すぎの気もしますが、読んで楽しめます。
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鳩山政権も誕生して半年以上が経過して、生活者にとっては「子ども手当」や「農業保障金」が配布されることが決定しました。1年目は埋蔵金の取崩しで対応できるとは思いますが、今後も続けることができるかは今後のお楽しみでしょうか。
もっとも「子ども手当」も民主党政権が変われば、中止もしくは減額、対象者の絞り込みになるので、何回貰えるのでしょうか。この本はこれまでの鳩山政権が打ち出してきた様々な政策について、一般人に分かりやすく解説してあり、普段政治にはあまり興味を示していていない私にも楽しく読むことができました。
鳩山首相が久々の理系宰相(田中角栄、鈴木善幸に次ぐ)で、東大、スタンフォード大学院卒業のドクターであることをこの本で知りました、理系を勉強した私も応援したいです。
特に、国債を発行しておいて、買戻していたという事実(p127)には驚きました。
以下は気になったポイントです。
・鳩山首相はスタンフォード大でOR(戦争の作戦を練る学問)を世界的権威のジェラルド・リバーマン教授から直接教わって博士号を取得した(p20)
・自民党時代の政府と与党が二元化した状態だと、政府内で予算がカットされても、官僚は族議員に頼み込んで、与党の方針として予算カットを撤廃、増額できたので、民主党は政府と与党の一元化を図った(p59)
・記者クラブ制で一番恩恵を受けているのは、大手新聞やテレビ、民主党は記者クラブオープン性を公約していたが、実行しなかった。各省の事務次官の記者会見を廃止したが、官僚への取材は制限しなかった(p67)
・鳩山政権の支持母体は、日教組(30万)、自治労(90万)、パチンコ業界(60万)、国民新党の支持母体は、郵便局長、社民党は、市民運動団体(p111)
・国の総予算(207兆円)は、平成21年ドの一般会計(88+14=102)と特別会計(105兆円)を加えた額、借金返済は80兆円(p117)
・2009年の予算において、国債発行は33兆円だが、10兆円の国債買戻しをしているので、実質は23兆円の発行である(p127)
・中央政府の借金合計の800兆円のうち、300兆円は使ってなくなったもの、200兆円は道路等を作るのに使ったが、残りの300兆円は天下り団体が国に返さないもの、天下り団体をなくすと、これは返ってくるもの(p128)
・子ども手当は、子供の数や年齢、配偶者が専業主婦かどうか、所得によって違ってくる、専業主婦で子供が高校生か大学生の子供が一人いる場合は、配偶者控除も「子ども手当」も受けらない(p166)
・年金記録は、氏名、性別、生年月日の3つのデータで情報を管理していて、住所は無し(p173)
・50万人以上の人口がある市は、政令指定都市になって、県並の権限がある(p203)
・鳩山首相は2020年までに25%削減と言ったが、条件付きであって、「世界中みんながやるなら日本もやる」と言ったわけで、政治的には逃げている(p224)
・兼業農家は維持費の少なくコメが高く売れるので手放したくなく、兼業農家のみの減反には反対であった、農協の政治的基盤は兼業農家であったことも一因(p232)
・かんぽの宿(日本郵政:郵政省)は、建設費:2400億円で、売却額:109億円、グリーンピア(年金福祉事業団:厚労省)は、1953億円、売却額:48億円(p237)
・世界GDPランキングにおいて、米国:142K億ドル、日本:49、中国:43、ドイツ:36、フランス:28、英国:26、イタリア:22、ブラジル、ロシア、スペイン:16(p272)
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「今ひとつだった」とか言いながら、結局続編も読んでしまいました「バカヤロー経済学」。
今回のタイトルは「鳩山由紀夫の政治を科学する」というもので、オペレーションズ・リサーチとかゲーム理論とか、一応科学理論ぽいことをスパイスにしていましたが、基本的には週刊誌ネタ、と言った趣。読んでいて軽くておもしろくはあるのですが、経済対策の部分を除いては、内容的説得力には乏しいものでした。
ただ、3年前の総選挙の時に、民主党がマニフェストで何を言っていたのか、それに対して、当時の受け止められ方はどうだったのかを振り返ることができ、また当時小沢一郎が絶大なる権力者だったことも思い出すことができて、それは非常に興味深かったです。
なんか、東日本大震災で、すべてのことがいったんリセットされてしまったような感じですし、小沢氏の影響力というのも当時とはずいぶん違った感じで、隔世の感がありました。
はずれた予言を後から読み返して現実に照らして検証してみるというのも、おもしろい作業ではあります。
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元財務官僚の高橋洋一氏と科学ジャーナリスト的な活動も多い竹内薫氏の対談の形式をとった、民主党 鳩山政権のマニフェスト等の裏を高橋氏が解説する。
とはいっても、現実にはいろいろな失敗があり、次の総選挙では、小沢派は民主党から離れ、この鳩山氏も離党するかもしれない。
民主党が文面だけのマニフェストで何を目指し、何が問題で達成できず、民主党が党としての形をなさなくなっている。3年経って文句をいうのももよいが、なぜ失敗に終わったのか、失敗学的に解説を読んでみるのもよいかと思う。
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民主党の政策の目的を端的に言ってしまえば,
民主支持基盤の利益の最大化,自民党の支持基盤の利益の最小化――です。
もっと要約すれば,選挙に勝つため。
この「選挙に勝つため」という視点を持っていれば,
政治に関する疑問も少しは解消できるのではないでしょうか?
■鳩山OR――オペレーションリサーチ:科学的に戦略を練る学問――
の最適解(p301)
鳩山政権の目的関数は「支持層の幸福の最大化」
制約条件は「その時ある財源(予算の移し替え+埋蔵金)」
最適解は
1 浮動層に対して「天下りの廃止と政治主導の演出」
2 日教組(+子どものいる家庭)に対して「子ども手当て」
3 自治労(+地方公務員・組合系団体)に対して「交付金の増減」
+
・予算との兼ね合いを見ながら,浮動層に対して
「社会保障制度の充実」を順次実行する
・社民党と国民新党の意見を極力尊重する
※支持母体であるパチンコ業界にはちょっと我慢してもらう
注意点
・支持層のためにお金を使うことを惜しまない
・政治主導を実現する
→すでに財務省に操られている
■小沢陰関数の定理(p308)
鳩山さん関数(最適解)を「Ha」,福島さんの関数を「Fu」,
亀井さんの関数を「K」,小沢さんの関数を「小沢」とすると,
F
=F(鳩山,福島,亀井)
=F(Ha(小沢),Fu(小沢),K(小沢))
=F(小沢)
となる。
つまり,すべての最適解は小沢さんによって決まる。
小沢陰関数の目的関数は「独裁体制の維持」
合理的な戦略は「参議院を中心に基盤を固めること」
注意点
・西松建設献金問題
→すでに手は打ってる!?
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[ 内容 ]
理系宰相として注目を集める鳩山首相。
その政治的戦略の源泉はOR(オペレーションズリサーチ)にあった!
東大・数学科を卒業した官僚も恐れる論客と、東大・物理学科を穀業した毒舌サイエンスライターが、これまた東大・計数工学科を卒業した鳩山首相の理系政権を解剖。
民主党の目的関数と制約条件、さらに小沢陰関数とはいったい!?
閣僚人事と政策の裏に隠された、鳩山OR戦略の全貌を暴く。
[ 目次 ]
2009年―あれから6ヶ月経ったある日
鳩山由紀夫を科学する
鳩山政権の人事を科学する1“戦略中枢機関”
鳩山政権の人事を科学する2“政府主要機関”
鳩山政権の人事を科学する3“その他機関”
鳩山政権の政策を科学する1“ムダづかいをなくすための約束”
鳩山政権の政策を科学する2“子育て・教育のための約束”
鳩山政権の政策を科学する3“年金・医療のための約束”
鳩山政権の政策を科学する4“地域主権のための約束”
鳩山政権の政策を科学する5“雇用と経済のための約束”
鳩山政権の政策を科学する6“雇用と経済のやめの約束”
鳩山由紀夫の治を科学する
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