紙の本
キャラを起てよ!-あまりにも読みやすいので、読み飛ばしてしまってそれで終わり、というのでは実にもったいない
2010/02/19 18:02
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サトケン - この投稿者のレビュー一覧を見る
マンガは主人公の「キャラ」ですべてが決まる。キャラが起てば、ドラマや物語はあとからついてくる。そう主張して実践してきたプロの劇画原作者による、クリエーター志望者のための、実践的「キャラ」の創り方。
非常に読みやすいので、あっという間に読み終えてしまうのは、この本自体が語り口調で書かれていることと、著者による「つかみ」が実に優れているからだろう。また人間心理の洞察力、旺盛な好奇心など、マンガ原作者として40年以上にわたって最前線を走り続けてきた実績が有無をいわさぬ説得力をもっているためだろう。『子連れ狼』、『クライイングフリーマン』など数々のヒット作を生み出してきた著者のいうことは、すべてが具体的で、抽象的な話はいっさいない。
この本は、マンガ家を目指している人のために、1977年から著者が主催している「劇画村塾」、大阪芸大での「キャラクター原論」の講義録を一般向けに公開したものだ。この本のなかで繰り返し強調されているのは、マンガなら最初の7ぺージで、映画や演劇なら最初の3分で人の心をつかまなければ、誰も最後まで読まないし、最後まで見ないという厳然とした事実である。あくまでもお客さんに受け入れられてなんぼの世界である。自己満足ではカネにならない。
カギとなるのは主人公のキャラであり、主人公を間接的にもりたてる役割を果たすライバルであり、引き回し役である。では主人公の「キャラを起てる」にはどうしたらいいのか。著者自身が原作者となった数々のマンガや、弟子たちのマンガ作品から、実例を具体的に紹介している。第2章 ヒットするキャラの「三角方程式」、第3章 ヒットキャラが持つ「九ヵ条」、第4章 キャラを魅力的にする「プロファイリング」、第5章 キャラクター作りのマル秘テクニック。具体的なテクニックは直接読んでのお楽しみ。
とはいっても、テクニックは読んだだけでは何の意味もない。いろんな場面で実際に応用してみて、はじめてその意味がわかってくるものだろう。この本のでは一般向けの応用として、相手の立場にたって考えるために、相手のキャラをプロファイリングしたらいいというアドバイスを第4章でしているが、応用をそれだけにとどめていてはもったいない。マンガ家でも、プロのクリエーターでなくても、ビジネスパーソンにもクリエーター的センスが求められる時代となっているからだ。
あまりにも読みやすいので、読み飛ばしてしまってそれで終わり、というのでは実にもったいない。自分の関係する世界で、著者のアドバイスやテクニックをどう活かしていくか、日々考えるためのヒントにしたいものだ。
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わけあって立ち読み(実際には,すわり読み)でまるまる1冊読んだ。
小池一夫が,キャラクターについて述べた本で,
特に驚く内容ではないが,小池一夫に言われると納得してしまう。
それが小池一夫というキャラクターなのか。
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岡田斗司夫さんが講演で紹介していて興味を持ったので読んだ。
営業トークの指南書みたいなタイトルだけど、中身は「売れる」漫画や小説のキャラクターの創り方。
でもキャラクターの創りを通じて他人の気持ちや要望を想像する力がついて仕事や生活にも役に立ちそう。
毎日三つの顔描きに挑戦します。
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webコミック編集のお勉強用に購読。キャラクターの組み立て方が方法論としてまとまっていて読みやすい。キャラクターをビジネスにも活かせるという章はもっと掘り下げてあったらより興味深く読めたと思う。ペルソナマーケティングにも通じるのかなー。
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第四章で“ビジネスにもキャラクターが必要”と説いて、漫画の作劇術に留まらない内容ということを述べているが、やはりこの本は作劇術の本です。
しかも、作劇を志している人にとってはあくまでも具体例からさまざまな手法を紹介している学ぶべきことが多い本。
劇画村塾出身で活躍している漫画家が多い理由がわかりました。
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漫画家になりたければ、一日一時間机に座る。
キャラの作り方、設定にあたっての視点が盛りだくさん。漫画を書かなくとも、何かをストーリーで伝えるのなら、とても参考になる。
主人公には弱点を、ライバルには欠点を。弱点は強い弱い。欠点は人格上、性格上。
謎がページをめくらせる。読者は?を!にしたがる。
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小池一夫。作家、小説家、そして手塚治虫や梶原一騎などとも交流を持っていた漫画原作者。
漫画家のための塾を開設し、同塾門下生には「ドラゴンクエスト」の堀井雄二、「犬夜叉」の高橋留美子、「グラップラー刄牙」の板垣恵介など、そうそうたる顔ぶれである。まさに日本漫画界の祖の1人です。
その彼が書いた「人を惹きつける技術」には、大人気であるキャラクターの描き方の心得を惜しみなく公開しています。
例えば、小池一夫の代表作と呼べる子連れ狼はどのように生み出されたのか、そして何故子連れにしたのかが説明されています。これはキャラをたてる法則「主人公には弱点をつくる」に相当する。こうしたキャラ起ての法則を確認しながら漫画を読み返すのも面白いですね。
また、キャラクターを起てるにはプロファイリングが必要です。このキャラクタープロファイリングは、マーケティングにおける顧客分析と何ら変わりません。その人物の性格、歴史、どういうときに笑い、怒るのかを想像し組み立てる。
こうしたキャラクタープロファイリングの練習として漫画を読み返すのも面白い読み方かもしれません。
僕らはまだまだ漫画から学ぶべきものがある。そんなことを実感させてくれる一冊です。
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非常に面白かった。
時折顔を出す「魅力的なキャラを作り出す地力をどうやってつけるか」などの訓練法は、なるほど地味ではあるが、続ければ力が付くだろうなあ、と思わされるものばかりで、氏が主催する劇画村塾のレベルの高さが垣間見えるものでした。マンガ界に名を轟かせる、煌星の如き作家たちを数多く輩出しているには、それだけの理由があるのだなあ、と思わされましたよ。
ここで書かれているようなことを疑わず愚直にやり遂げた人が、才能を花開かせられるのだろうなあ。
余談だが、子供の頃は疑わず教えられたことを練習できたけど、大人になってからは「こんなこと役に立つのか?」「もっといい先生がいるんじゃないの?」などと、つい疑念を挟んでしまう。
まあ、たしかにろくでもない先生も多いし、そこはそれ、弟子入りする前に相手を見るしか無い。渋川流柔術の開祖渋川義方は、師を選ぶのに三年の月日をかけたと言うが、そうやって選び抜いた師匠について、一心不乱に稽古することが、最高の上達法な気がする。
そして、小池氏は、それに値する師な気がしましたよ。
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キャラクタ創作塾頭が教える、キャラの起たせ方を応用した教育書。ビジネス相手や友達や恋人をキャラクタ(属性・個性)と捉えてプロファイリングするらしい。おおーそれは面白いかもと思って読み進めたんだけど、そのへんはあんまり書かれてなかった。やっぱりキャラクタ創作術がメインの本。
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感想:文章は易しく読みやすい本です。
魅力的なキャラクターを生み出す技術を磨いていくことで、相手や周りの状況を読み取り
自分自身も魅力的なキャラクターとして行動が出来るというものでしょうか。
ただ魅力的なキャラクターは愚直な努力と日々の実践からしか生まれません。
TOPIC
1)魅力的なキャラクターとは何か?
キャラクターは「●癖」。ヒットキャラの●箇条。●●はキャラクターの成功例などの定義がつづられています。
クリエイターの人へのメッセージかと思います。
2)キャラクターを「プロファインリング」する。
現実世界においての実践行動です。周りの人がどのような事をするのか?どのような事を考えているのかを
とことん考え抜くというもの。考えた結果、この人に対してどのような行動をとったら喜ばれるのか?
魅力的なキャラクターの行動考える事が大事。
このへんはビジネスにもつかえそうな要素です。
3)魅力的なキャラクターを1日1時間は必ず机に座る。
小池さんはプロのクリエイターになる為のキャラクターのことだけをひたすら考える時間を作る事だどいいます。
「毎日ノートに●つの顔を描け!」「描くことから逃げない」「キャラクター●●●を作る」など
具体的な行動指針も描かれています。。
魅力的なキャラクター論の説明が多いので噛み砕きながら読む必要があるなと思いました。
ものづくりをする人にはいい行動指針になりそうです。
【読書時間(H)】1H
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タイトルと内容に不一致があるのが難点。
かといって素直に内容通りのタイトルにしても一部の人にしか売れないか。
マンガなりエンターテインメント系の物語はストーリーよりもまずキャラ。
キャラの起った主人公、登場人物が重要ということ。
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対人関係に使える「弱点」と「欠点」を魅力に変える法。「3つの願い」「癖」「噂」「謎」を活用せよ。『子連れ狼』は博多人形から生まれた―ヒットキャラ創りの「必勝!ノウハウ」。
著者について
こいけ・かずお―1936年、秋田県に生まれる。漫画原作者、作家、脚本家、作詞家。2000年より大阪芸術大学教授を務め、「キャラクター原論」を教える。現在、神奈川工科大学情報学部情報メディア学科客員教授。漫画原作作品には『子連れ狼』『御用牙』『修羅雪姫』『クライングフリーマン』、小説には『乾いて候』などがある。また、1977年より後進育成のため「小池一夫劇画村塾」を開設。同塾門下生には高橋留美子、原哲夫、堀井雄二らがいる。
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物語を書くための参考になればと思って読んだ。
話やたとえが古臭いのと、筆者の自慢話が多いのが気になったけど、いくつか参考にできそうな部分があったので、読んでよかった。
・はじめの7ページでキャラを起てる。主人公からかく。あまり喋らせない。
・主人公、ライバル、引き回し役の三角形でキャラを動かす。
・主人公には弱点とオーラ(温かみ)を
・ライバルには欠点、カリスマ性を
・キャラに3つの願いをもたせる
・感情を特徴的なしぐさで表現する
・1日1時間は机に座り集中してキャラをかく
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いかに人間が「キャラクター」が好きかわかった。丸があるとつい目と口を書いてしまう、とか。
主人公にオーラ、敵役にカリスマ、もわかりやすかった。
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本書はキャラクターの起て方に特化した実用書だ。
キャラクターを起たせるにはどのような設定が必要なのか。そして魅力的にキャラクターを見せるための手法とはどのようなものがあるのか。
まずは、本書でキャラクター作りについて学び、実在のキャラクターを分析、そして実践と繋げれば、もしかしたら貴方にも歴史に残るキャラクターを想像できるかもしれない。