紙の本
まさに帯文句どおりの著書
2011/06/11 19:34
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Genpyon - この投稿者のレビュー一覧を見る
「確かな科学知識と特異な視点から、これまでの思い込みをあっさりとくつがえす、知的冒険に満ちた科学エッセイ集」という帯文句どおりの著書。エッセイという分野なので、当然、著者・鹿野司氏の個性で読ませる著書となっている。
まず、幅広い分野をカバーする知識。本著は、科学にまつわる幅広いトピックはもちろん、SF(一部ネタばれあり)にまつわるトピック、さらには、宗教論や日本国憲法などという科学とは直接関係ないトピックまでをカバーしており、新しい分野と出会う喜びを楽しむことができる。
これだけ幅広い分野を取り上げながら、興味ないよ、と思わせるトピックが存在していないのが、素晴らしい。また、どんな分野のトピックからでも、最新の文献から新しい知識を取り込んで伝えようとしている姿勢が感じられ、読んでいて安定感が感じられる。
次に、著者独自の視点と切り口が楽しい。それがメディアや世間一般で広まっている見解と異なるものであっても、わかりやすく説得的に著者独自の見解を展開していく。なかには(世間一般から見ると)過激な見解もあるのだが、遠くから全体を俯瞰するような著者の視点が、その過激さを感じさせない。
そして、著者独特の語り口。著者もあとがきで書いているが、上から目線ではなく、しかも著者が伝えたいことを読者が考えついたかのように伝えることを目指した文体で、読者のイメージを喚起しやすい例を駆使しながら、あらゆるトピックを絶妙に噛み砕いて説明していく。
まさに帯文句どおりの著書でした。
紙の本
長い間かけてSFマガジンの連載をまとめた、それだけでも尊い。
2013/09/09 17:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
しかも、相当前の話題のはずなのに意外と古びていない。ライターとしての腕前も感じる。
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10年ほど前に、小松左京との対談本『教養』が面白かったので購入。SFマガジンのエッセイも面白く読んでます。
2/11読了。面白かった。ヒトがダイオキシンに耐性がある事をはじめて知った。
レジ袋を削減してもエコに繋がらない事は薄々感じていたが、とても口には出して言えなかった。
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私、最近、地球温暖化より、人間温暖化というか、人間熱帯化の方がきになります。すぐキーッとなると、健康に悪いです。たぶん地球にも悪いです。
この本は見事に脳内をクールダウンしてくれます。ちょっと知恵熱でそうな項目もありますがww
地球に優しい一冊です。
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鹿野司さんは、物事の本質をつかむ人。
鳥インフルエンザやISP細胞、地球温暖化など、社会の中で雰囲気に流されてしまいがちなテーマを、冷静な切り口と平易な語り口で解きほぐしていきます。科学全般を扱った内容で、どちらかというと生命科学の話題が多いのですが、自分の興味の薄い分野の話でもグイグイ引き込む力のある本。
「こんな視点が」「こんな考え方が」あったのか、と、目から鱗が何枚も落ちる思いを味わう人もたくさんいるはずです。
カバーイラストを担当したとり・みきさんがtwitterに書かれた評が秀逸。
「鹿野君は僕が『どうも報道も世間の趨勢も感情的な流れになっているけど、これってホント?』と疑問を感じたとき、いちばん納得できる情報や理性的な物の見方を示してくれる貴重な書き手&友人。文章もわかりやすくて面白いよ。」
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ニュースや時事ネタをきっかけに、科学的な思考実験を平易な言葉で体験させてくれる本。
ただし、子供の頃のように、科学ってこんな事も出来るんだ!っていう風にワクワクするための本なので、あまり作者の話を鵜呑みにしたりするのは正しくない読み方だと思います。
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この本が初の単著とのこと。
沼田寛さん以来、久しぶりに「この人のお仕事がもっとたくさん世に出るといいなあ」と思いながらたのしく読めた、日本語サイエンスライターのかたです。
内容は雑誌連載の再編集とのことで1テーマというよりは、科学話題の時事。
殊に「予防原則はどんどん肥大するよね」の件は、説得させられる箇所が多かったです。
自然科学分野はかなり高スペックな紹介記事も続きますが、社会科学分野は「ん?ん?」と首をかしげる断言も、割に多くあります。
まあそのあたりは雑誌連載ということで、やや不本意ながらも時事をねじこんだ回もあったでしょうから、差し引いてあげないといけないのかな。
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いい本です。
知的好奇心みたいなものを持つとっかかりに最適。
書いてあることは実はかなり深いんですけど。
小学校高学年くらいの子供と読むのもいいかもしれない。
と、弟にいったら「先生が答えられなくて困るから却下」だと
゚・(ノД`)・゚・
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こうゆう本は好きです。何というか、いい感じに遊び心が入っていて、サクサク読めました。軽い語調もグー。楽しんでいる内に、いつの間にか知識が入っているって感じです。
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ああ、科学ってやっぱり面白い。その感想に尽きる。
本書は、筆者がSFマガジンで連載をしていた科学エッセイのまとめ本である(連載版は読んではいなかったが、日進月歩の科学に合わせ相当加筆・修正されているそうだ)
内容は非常に多岐に渡り、クローン問題から宗教、自身の父親の経験を交えたアスペルガー症候群、地球温暖化のメリットデメリット等々…とてもここでは紹介しきれない数の話が載っている。
とにかく読みやすい。
扱う話題は専門的だが、筆者の口語調でスラング混じりの語りは優しくゆったりとしており、読む進めるのに読者を構えさせない。
回りくどい話はせず各話を「現状」「問題提起」「解決案」「予想」の4つのスで綺麗にまとめている。
分野に明るくない人には驚きの理論や考え方が。分野に明るい人は最新の情報へ触れることが可能…と、読者の対象層も広い。
決して行儀の良い本ではない。考え方や理論の一部には専門家でもない私でもツッコミが入る部分がある(マルチコアの話など)。それでもその話題の切り口や、こうすべき、という提言がとても気持ちが良く、改めて自分がその話題にどう向き合っていくのか考える指標となる。
最後の話題「人類が死守すべきもの」は必見。
文系理系問わず本が好きな人は1度は目を通すべき、傑作。
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難しい科学の話。 ・・・を、限りなくとっつきやすく、面白おかしく書いた本。
教養っぽい本は得てして途中で投げ出しがちな自分だが、
友達のようなくだけた文体で教えてくれ、最後まで面白いまま読めた。
科学は好きだけど専門用語はちょっと・・・という方にオススメですよ。
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科学ライターであるらしく、そのネタの多さには驚いた。
化学、物理、生物、哲学、時事、教育・・・など本当に幅広い知識から切り込んでおり読み応えがあった。
特に印象的だったのが、科学が「点描の世界」を紡ぐものだということだ。未知なるものに点を打っていって推察するのであり、本当に真なのかはわからない、ということだ。とりわけそこに騙されている人は多いらしく自分も「科学」という言葉に妄信していたので目からウロコの連続だった。
しかしながら、ネタが細かすぎ、科学の知識が浅いものとしてはよくわからない箇所や分野が多かった。逆に作者の知識の多さを裏付けているのだが、入門としてはおススメできない。
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科学の面白さを知るのによいかもしれない。
儒教的価値観の話があるところがすごい。
サイエンスをサイエンスとしてだけ説明するのではなく、背景から説明しようとしている。
SFマガジンの連載に手をいれたものだという説明で納得。
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内容は科学書だけれども、極力初心者にも分かりやすいように、気さくな文章で書かれている。本人いわく、科学=権威というようには見られたくないのだそうだ。
私が大学の時に感じたのは、どうも大学の先生は「難しいことは一般の人たちには分からない」と説明を諦めているようなところがあるように思う。心理学では大学でやる心理学はアカデミックな心理学、テレビや雑誌でやる心理学はポップな心理学というように、全然違う学問のように扱っていた。大学の先生にそれを訂正する意志はないように感じられた。
そういうことを考えると、このような最先端の科学の研究者と、われわれのような一般人とをつなぐ、筆者のような存在が重要になってくるのかなと感じた。
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面白かった!
しかし出版から2年で既にだいぶ過去なのだというのが読後の印象。世界は連続してるのに確かに変化してて、私の脳はそれをどうにかやりすごしています。