紙の本
世界を変える一枚の絵
2010/02/06 22:28
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
思想の多様化が対立を生み戦争を起こす。ゆえに争いの元となる思想を、そしてそれを表現する芸術を規制すべし。このような理念の下に世界政府が制定したプロパガンダ撤廃令により、過去の偉大な芸術家が生み出した音楽や絵画のほとんどが、人々の目に触れることは無くなった。
そんな世界において、「芸術に、その自由を!」という言葉と共に、規制対象の絵画の模写を建物をキャンバスに描くアート・テロリストがいる。ヴァンダルと呼ばれる彼らは、誰の心にもある一枚の絵をひとつずつ世界に取り戻していく。
世界中の各都市と、そこにある美術館に封印されている絵画、そしてそれを大切に思い生きている誰か、そこに秘められた物語をひも解きながら、とある目的を果たすために活動する少女とAI、半サイボーグの活躍を描く短編連作。
一話一話がしっとりとした雰囲気のやさしい作品でありながら、その裏面では平和に潜む矛盾という命題を突きつけつつ、物語は進んでいく。絵を大切に思う気持ちが感じられる作品。
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んー、まぁまぁ?おもしろいけど、ありがちな。さらっと読めるけど、あまり残らないような。悪くないけど、何か言いたい程ではない。
電撃小説大賞金賞。
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第16回電撃小説大賞<金賞>の作品です。
20年?くらい前に絵が規制された世界で、建物の外壁などに規制されている絵を大きく描くという、世界に対する反抗をし、政府には<破壊者(ヴァンダル)>と呼ばれている主人公たち。しかし、民衆には歓迎されている。
このような世界観で主人公や政府、民衆の視点で物語が進んでいきます。「しにがみのバラッド。」のような構成です。
絵画が好きな方は、なお楽しめるのかな?と思います。
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あらすじにとても惹かれた。
内容的にはややこじんまりとまとまりすぎていたのと、オチにやや不満かも。
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いい話。あまりラノベっぽくない。頑張れば一般文芸でも通じそう。私には絶対書けない世界観の話。ノーモアベット!
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2010/03/11:最後は綺麗にまとまってましたが、全体的に掘り下げが少なく物足りなさの残る作品でした。
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こちらは第16回電撃小説大賞金賞受賞作です。思わず手に取り読んでみましたが、世界観が綺麗で、各章完結というスタイルも作品にあっている。また、取り扱っているのは有名な絵画であるが、各章のタイトルに絵画名、その裏にはその作品の詳細がかいてあり、絵画がわからない方でも大丈夫なようになっています。内容としてはキャラクターの魅力が今一つだった点が残念ですが、文章は大変良いのそれほどで気になりません。お勧めできる作品だと言えるでしょう。しかし、個人的な意見としては1巻完結だと思っていただけに続巻が出るとのことで少し残念です。続巻には期待ができないと言うのが正直な感想ですが、1巻完結として読むならこの作品は良い作品です。
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物語の特性上、さまざまな地域を知っているのかなと思わされる割には、少し内容が薄い気がします。薄いと言うより、どれもこれもが中途半端な感じがするというか………。
どこかでみたような、と思わされるのが残念でした。
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第16回電撃小説大賞<金賞>受賞作。
世界的に知られている絵画を題材としているものの、その切り口は絵を知らない読者でも読みやすいように軽め。文学を題材としている「文学少女」とは、モチーフの取り方は似ていてもそれを作品に落とし込む部分ではかなり違うものとなっています。それはビジュアルによって表現される題材である点が影響しているのでしょうか。
他の印象としては、人物描写が粗く、その点について作品に入り込むのは難しいかなと。終盤の流れにしても、読む側に上手くイメージが溶け合っていかないなという感じです。
確かに出版に耐えうるレベルの作品ではありますが、今後シリーズとして読むのであれば全体的にもう少しレベルアップして欲しいところ。
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良い意味でライトノベルらしく無い。
でも、光や色彩の描写のうまさと、優しい話がうまくマッチしてて良かった。
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絵画が規制された世界で禁断となった過去の名画を街に描くアートテロリスト「ヴァンダル」を巡るお話。
そのライトノベルというより一般文芸作品的語彙使いもあいまって、なんというか、非常に精緻な、でも、静謐な絵画を見せられたような気になった。
悪くはない。でも……
このお話の主人公は少女エナだと思うのだけど、物語の語りは常に彼女でない第三者が主になっている。
その人達の思いが語られるのはまあいいとして、でも、最後まで、エナの心の奥底に直接切り込まなかったのは、もどかしく、それゆえ、なにかもの足らない。
なんというか、外からうかがっているようなもどかしさ、薄いベールを挟んで見ているような物足りなさを感じてしまった。
だから、ラストも感動的でありながら、でも直接的な感官に訴える力が弱くなってしまった様に思う。
少し評価の困る作品だ。
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ただ絵を描くだけのアートテロリストというのは面白い。
心の中に誰でもひとつの絵を持っているだとか、
印象的な言い回しがあって素敵だった。
印象的なシーンは多いが、
ストーリーのオチが微妙な気がした。
続編ないと思ったら、続編があって驚いた。
ただ続きを読もうとは思わない。
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人は誰もが、
心に一枚の絵を持っている――。
統一された政府により、様々な芸術が規制を受け始めた世界。しかし、そんな世界各地の壁面に封印されたはっずの名画が描き出される事件が起きる。
『Der Kunst Iher Freiheit!(芸術に、その自由を!)』
絵とともにそう書き残していく〈アーティスト・テロリスト〉を、人々は敬意を込めて「破壊者(ヴァンダル)」と呼んだ。
政府を敵に回すという危険まで冒してまで彼らが絵を描く理由とはそして真の目的とは――?
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美奈川護のデビュー作。
メディアワークス文庫に移籍したのはやっぱ正解だったなあと、いや悪いとは云わん(終章はベタだけどけっこう来るものが)がやはり設定に無理がありすぎると思うの。
ちなみにサイボーグと少女とカジノの話はさすがにやり過ぎだろと思ったんだがマルドゥーク・コーポレーションなあたりもしかしてオマージュだったりするん?