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読み解き「般若心経」 エッセイ+お経+現代語訳 みんなのレビュー

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紙の本

詩人がお経と出合ったとき

2010/01/21 08:13

9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:狸パンチ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 伊藤比呂美さんという詩人は背負ってしまう人なのでしょう。どうしようもなく背負ってしまう。詩人は本質にじかにふれる人びとだと、誰かが書いたことを思い出しました。人間にとって避けられない生老病死。伊藤さんは50歳をすぎて、それを背負ってしまう。誰もが背負うことだけれども、詩人が背負うことで、詩人は何かを見つけ出し、そして言葉をつむぎます。見つけ出したのは仏教であり、紡ぎ出したのは、やわらかく、それでいて生老病死の無常さに深く分け入っていくような、そんなお経の翻訳でした。

 伊藤さんは離婚をし、娘たちとカリフォルニアで暮らしています。娘の一人は日本語を話せるが、書くのは苦手で、英語まじりになる。「負うた子に教えられ」。このエッセイが私は好きになりました。娘はすでに家を出て、介護士として心を病んだ人びとのいる施設で働いています。その娘が詩人の母に「般若心経」を教えます。ひらがなの多い、英語まじりの言葉で。

 五蘊、ごーおん。「現実は、いつつのごーおんでできていることがわかりました」「ごーおんというのはね、かていかな。英語だとmodesっていうかも。過程。あ、でもけいたいなのか、かていなのか、よくわかんない」。こんな調子で、般若心経を娘が母に教えていきます。般若心経の教えの中心である「色即是空 空即是色」も、娘が独特の解釈で、やわらかい言葉で説明をする。「クウっていうのはね、あるものは、すべてほんとは別に意味も理由もないんだよってことだと思うの」「ソラとの関連はある?」「あると思う、宇宙ってことだと思う」

 離婚、父母の老い、子育ての後悔、伊藤さんはいろんなものを背負っています。その過程、「ごーおん」のなかで宗教に出合っていく。その出合い方が、この本には書かれています。多くの日本人のように、宗教を強く意識せず、教わってもきませんでした。でも、老いや死に向かい合うとき、やはり人は宗教といやおうなく出合ってしまうのでしょう。伊藤さんにとっては、それが般若心経だったようです。

 こんなふうに翻訳しています。「おしえよう このちえの まじないを。さあ おしえて あげよう こういうのだ ぎゃーてい。ぎゃーてい。はーらー ぎゃーてい。はらそう ぎゃーてい。ぼーじー そわか。般若心経でした。」。テレビドラマの古畑任三郎が「古畑任三郎でした」と終わるように終えたといいます。くすっとさせるユーモアがあります。

 伊藤さんは、ふんわりとお経を現代語訳します。それが、とても心地いいのです。でもお経というのは、苦しみと死にどう向き合うかというものです。伊藤さんは自分の家族との向き合いを、うそまじりなくつづります。そのことが、私の心にじーんとしみいってきました。私じしんも自分の家族のことを思いながら。

 私はまだ宗教とは出合っていません。でも、この本を読んで、いつかどうしようもなく出合うのだろうという予感を持ちました。お経は言葉です。伊藤さんの現代語訳を読みながら、こういった言葉が自分に必要なときがいつかくるかもしれないと思いました。よい本です。

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