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紙の本

違いを愉しめる、昔語り絵本なのです。オノマトペが秀逸♪

2010/03/09 14:11

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:wildflower - この投稿者のレビュー一覧を見る

イギリスの作家ルーシー・カズンズ(Lucy Cousins)さんの新作は

日本の子どもたちでも大抵は知っている各地の昔話や民話から8つを

選んだ民話集の体裁の1冊です。

原著は「YUMMY!」(おいしいっ!)。訳は灰島かりさんです。

『パックン!』というタイトルは、味わいの豊かな8つのお話という点と

「食べる」ことにスポットを当てて集められ、語られているお話という点の

ふたつを兼ねた名訳ですね。

収録された8話の詳細はここにあります。

元話はグリム童話、ペロー童話、ロシア民話、北欧民話、イギリス民話。

いずれも人口に膾炙した作品たちです。

原著の対象年齢はおおよそのめやすで4歳から8歳だそうですが

まず印象的なのは、ずっしりとした大きさと頑丈な作り。

表紙をめくって飛び込んでくる、メイシーちゃんですでにおなじみの

カラフルなイラストの躍動感。1枚めくって出迎えてくれるのは

きんぱつきららちゃん。ひと匙、なにかを口に入れている様子の絵に

巨大な「パックン!」の文字。


語りもすごくユニークで大胆です。読み聞かせに、子どもたちと一緒に

声に出しながら愉しむのに、すごく向いている、と評者は感じました。

それは次の理由からです。

1、大判なので、お子さんひとりよりも膝や、向き合った姿勢で拡げて

読むのに向いている。

2、語り口は、元話に添っていながらも易しい語りなので、読者対象の

お子さんたちが、自分のことを語るときのような語りで馴染みやすい。

3、印象的なオノマトペと表現が、ダイナミックに文字で描かれる手法、

いままであまり耳にしないような音(バボーン!とカブが抜けたり)で

笑いを誘う効果が高い。

4、1話が比較的短いので、続けて数話愉しむことができる。


一方で評者が少々ひっかかりを感じた点もありました。

例えば2話めの「さんびきのやぎ」は、もともとノルウェーの民話で

マーシャ・ブラウンさんの再話、瀬田貞二訳のこちらが、よく知られています。

原書まで辿っていくと、かつて評者が「がらがらどん」という名で

親しんできた彼らの名は、そのままオノマトペだったのですね。

そして今回はまったく新しい名前が与えられています。

一瞬、同じと思えずに疑問符が浮かんでいたのですが、こうした思わぬ

再会もあったりします。

翻訳された作品そのものが古典の名作になっているものについては

今回の斬新な訳と表現に驚きつつも違和感も生まれるかもしれません。

評者は、それもアリだと考えます。


本作には、どのお話がどこのどの民話に基づくのかということには

触れられていません。

むしろ「知ってるよね」という前提なのかもしれません。

久し振りに触れる民話たちの懐かしさもあって、評者はつい

調べてしまったのですが、調べようと思えばすぐに調べられますし、

本作でこれらの昔話に最初に触れたちいさな子どもたちが

いつか大きくなっていくときに、実は元のお話がほかにも存在して

いるのだと知っていくのも、また楽しいことだろうと思います。

そして、元話を知ってみると『パックン!』に収められた8話が

比較的残酷な場面をも、さらりと描いていることに気がつきます。

ここからは大人の目線ですが、「食べる」ことに焦点をあてた本作は

作中の人物や動物があっけなく食べられてしまう、ということも含めて

それらをあっけらかんと描いて見せています。

「さんびきのこぶた」「あかずきんちゃん」の絵やストーリーは、

とくに幼児向けの絵本の場合などに、残酷さを回避するようなマイルドな

表現や結末に改編されることが多々あります。それらと比べると受ける

印象はずいぶんと違ってきます。

ですから、読んだ子どもたちがときには恐がって泣くこともあるかも

しれません。ただ、もとの民話や昔話や童話が持ち合わせていた要素を

忠実に守り、あえてそうした避けられがちな要素をも盛りこんで

堂々と主題に据えてみせた作者のスタイルは、

語り口の軽さと斬新さが印象的なだけに、見落とされがちな

本作のもう一つの大きな魅力だと感じました。

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