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ウサギとカメ みんなのレビュー
- イソップ (原作), 蜂飼 耳 (文), たしろ ちさと (絵)
- 税込価格:1,320円(12pt)
- 出版社:岩崎書店
- 発売日:2010/03/01
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絵本
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紙の本
ほのぼの系「ウサギとカメ」
2010/03/20 06:44
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のはら そらこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
蜂飼耳さんの文による岩崎書店の「イソップシリーズ」の4作目。
わたしの知っているおはなしとストーリーはほぼ同じだけれど、印象が違う。
まずウサギとカメのイメージが――特にウサギが違う。わたしの頭にあるウサギは、足が速いのを鼻にかけて、足の遅いカメをからかう嫌なやつだ。それに、じゃあ競争しようといいかえすカメは、かなり負けん気が強い。
ところが、たしろちさとさんの描いたウサギは、赤いチーフを首に巻いて、とってもかわいらしい。くるりとした目、穏やかなそうな口元の表情は、カメを馬鹿にしているようには見えない。
「ねえ ねえ かけっこして
どっちがはやいか たしかめようよ。
ぼく まけないぞ」
セリフも無邪気だ。ただの遊びで、友だちをかけっこに誘っているように見える。
カメも、
「そうだねえ じゃあ きょうそうしてみようかあ。
ぼくだってまけないよお」
と、のんびりした素直な受け答えだ。
さて、カメを引き離したウサギは、かけっこの途中ににんじん畑でみつけて一休み。にんじんをぼりぼり食べて満腹になり、周知のとおり、眠ってしまう。油断したというより、大好きなにんじんを見て、うっかり競争を忘れて、食い気に走ったという感じだ。にんじんを抱えて眠りこけるウサギのなんとも気持ちよさそうで幸せそうなこと! 天使みたいな寝顔だ。このウサギはぜったいに憎めない。
その横をカメがのっそりと通り過ぎていく(この場面をわたしは、この作品を読むまで想像したことがなかった)。勝敗にこだわるカメなら、「よし! これでぼくの勝ちだ」ぐらい考えるだろう。だが、このカメは、笑っちゃうぐらいのほほんとしていて、どうしてこんなところで寝ているんだろうと不思議がる。
こんな、うっかり、のほほんのふたりだから、勝敗が決まったあとも、いたって穏やかだ。ウサギは負けても屈託ないし、カメは勝った勝ったと大騒ぎしない。ふたりは相変わらず、いや、ますます仲のよい友だちだ。
わたしの頭の中では、「ウサギとカメ」は、ウサギに嘲笑されていたカメが、レースに勝ってウサギを見返し、それが痛快なおはなしだった。だがこの作品では、痛快さより、ほのぼのしたあたたかさが感じられる。
読み終わって、うーん、こんなに違っていいのだろうかと、考えこんでしまった。
そこで、岩波少年文庫の『イソップのお話』(河野与一編訳)の「ウサギとカメ」(P25、26)を読んでみた(あとがきによると、この本は学問上すぐれたテキストを用いてギリシャ語から翻訳しているという)。
するとまた、わたしの抱いてきたイメージとすこし違っていた。確かにウサギはカメの足の遅いのをばかにして笑うが、そのことはさらっと書いてあるだけだ。最後は「決勝点まできてみると、カメのほうが勝っていました。」と、あっさり終わる。そして、「生まれつきはよくても、いいかげんにやっていてだめになる人はたくさんいますが、まじめで熱心でしんぼうづよい人は、生まれつきすばしこいものに勝つことがあります。」と、教訓が続く。
カメがウサギに馬鹿にされて悔しい、とか、ウサギに勝って、へへーん、どんなもんだい! とかいう感情の部分はなくて、事実だけを述べている。おそらく、わたしの頭にあった「ウサギとカメ」は、さまざまな絵本や本、童謡などを通して、自分のイメージを作りあげてきたのだろう。
それに、この寓話は嘲笑を戒めるものではない。才能に恵まれているくせにいい加減なもの、逆に才能に恵まれなくてもまじめで粘り強いもの、両者を対比させて、両者にメッセージを送っている。
それでは、「ウサギとカメ」に先入観のない小さな人たちはこの作品をどう読むだろう。
ウサギの方がはやいのはわかっているから、ウサギが勝つよと、はじめは思うかもしれない。それなのに眠ってしまったウサギに「だめだよ、ねていちゃ」とはらはらし、「のおろり てくてく」走り続けるカメに、がんばれーと声援を送るだろう。そして、終わりがけの謙虚な一文、
カメは ちょっと じしんが つきました。
で、カメに共感し、誇らしい気持ちになるだろう。
一方で、ウサギの無邪気な姿がとても魅力的に描かれているから、ウサギのしくじりも心に強く残るだろう。
それなら、こんなほのぼのした「ウサギとカメ」もあってもいい。
さて、このウサギとカメがもう一度かけっこしたらどうなるだろう? ウサギは反省して最後までしっかり走れるだろうか? いや、このウサギなら、また何か誘惑に誘われて、負けちゃうんじゃないかな? でも、そんなウサギがわたしは好きだ。
紙の本
可愛い二匹
2018/11/05 09:56
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投稿者:ウッドチャック - この投稿者のレビュー一覧を見る
うさぎが、いやらしく描かれていなくて可愛いです。
いろいろな出版社からたくさんの絵本が出ていますが、それぞれ印象が違っています。
絵は好きでしたが、あまり文字がない方が自分で解釈できるのでいいかなと思いました。
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